Yahoo!ニュース

メンタルの強い人に共通する「レジリエンス」の高め方について解説。

精神科医しょう精神科医/メンタルドクター

こんにちは、精神科医しょうです。

「レジリエンス」という言葉が、最近よく使われるようになりました。

この言葉は「外からのストレスをはね返す力」を意味しています。

心理学の世界では「精神的な回復力」といった意味で使われており、具体的には不利な状況、負荷のかかった状況に直面したとしても、精神的な安定を保ち、適切な対応ができる能力ということができます。

レジリエンスを持っている人は、対人関係においての能力が高く、楽天的な考え方やポジティブな思考が見られることが多いと言われています。

おそらく、メンタルが強い人の特徴としても当てはまるものがあるのではないでしょうか。

そこで今回は、レジリエンスの高め方について、メンタルの強い人から学びを得たいと思います。

レジリエンスの効果とは?

レジリエンスがもたらすものとしては、目の前の困難な状況にも目を背けることなく向き合い、乗り越えていく過程を通して、自分自身を成長させることができます。

レジリエンスを高める方法について以下に記してみました。

・ストレスについて正しく理解する

・自分の性格傾向、思考、捉え方に気づき、コントロールする

・自分のものの見方や受け止め方、反応の仕方を知り、強みに活かす

・心の支えとなる人間関係や居場所をつくる

ストレスサインに気づこう

レジリエンスを高めるには、まずは自分のストレスサインに気づくことが大切です。

多くの人は自分にとって苦手な刺激や許容範囲を超えると、身体がサインを出して知らせてくれます。

そのサインの出所として、大きくは「行動面」「身体面」「精神面」の3つに分類することができます。

3つのストレスサインと主な反応については以下の通りです。

・「行動面」

問題行動が多くなります。

たとえば、攻撃的になり感情を爆発させたり、不規則な生活を送るようになり遅刻や欠勤が増えたりすることがあります。

また、タバコやアルコールの摂取量からもうかがえることがあります。

どちらかというと、行動面は身体面、精神面よりも先に表れることが多いと言われているため、自分の行動に異変を感じたら、早めにリフレッシュすることが必要です。

・「身体面」

ストレスを感じると身体に不調を感じることが多くなります。

たとえば、自律神経が乱れ風邪を引きやすくなったり、腹痛など消化器に不調を感じたりすることが多くなります。

眠りが浅かったり、寝付きにくかったりといった睡眠障害もストレスと関連していることがありますので、目安にしてみると良いでしょう。

・「精神面」

気分にムラがあったり、感情をコントロールしたりすることが難しくなることがあります。

些細なことでイライラしてしまったり、理由のない不安を感じたりなど、精神的に不安定な状態に陥ります。

自分の好きなことに熱中できなくなったり、楽しみを感じなくなったりした時は、要注意と言えるでしょう。

ストレスのサインは人それぞれです。

自分のサインを自覚し、発信されたサインを見逃すことなく受け止め、対応する力を身に付けることで、心身ともに良い状態をキープすることができます。

レジリエンスを高めるために、自分自身のネガティブ思考に気づく

まずは、普段からネガティブな思考に陥っている自分に気づくことが大切です。

人間は意外と、自分の行動や感情を認識できていないことが多くあります。

放っておくと、頭の中はネガティブな思考で満たされネ、心が支配されてしまいます。

「気づいたところで、イヤな気持ちは変わらないのでは?」と思われるかもしれませんが、気付きを得て、客観的な視点から眺めると、ネガティブな感情から自分を切り離すことができます。

無自覚に抱えているネガティブな感情から離れると、思考や出来事を事実として整理しながら見つめることができるようになります。

また、思考を自分とは別のものとして考えられるようになると、「ダメな自分」を否定することが少なくなります。

理想と違う状態に陥った時、悪いのは自分ではなく「ネガティブな思考」だと気づけるようになるからです。

真面目で努力家の人ほど、規則や理想に縛られて自己否定に陥りがちですので、否定のループから脱するために、まずはネガティブな思考を自覚することから始めてみましょう。

心の栄養「ストローク」を自分に贈ろう

人はやる気の源である「ストローク」を得ることで、自己承認欲求が満たされ安心感や充足感を得ることができます。

肯定的なストロークを自分自身や周囲に贈ることで、心と身体が健全に育まれ、自己肯定感が高まり、前向きな気持ちで生活を送ることができるようになります。

肯定的なストロークの例としては、ほめる、感謝する、笑顔を送る、相手の話をよく聞くなどがあります。

否定的なストロークとしては、叱る、否定する、警告するなどが該当しますので、注意したいですね。

まとめ

強いメンタルを手に入れレジリエンスを高めるには、自己肯定感を高めることが大切です。

しかし、自己肯定感を高める方法は性格が違うように、人によって異なります。

落ち込んだり、つまづいたりした時に、自分なりのモチベーションを高める方法や言葉をいくつか持っておくと、回復力が早まります。

私のブログのテーマは、「他人軸でなく自分軸で気楽に生きる」です。

あなたはこんな悩みをお持ちではありませんか?

「他人の顔色ばかりみてクタクタ」

「自分の意思で生きられない」

「いつも後悔ばかりでグルグル一人反省会」

そんな他人軸に悩むあなたは私のブログ(外部リンク)をチェックしてくださいね。

あなたが「自分軸で気楽に生きられるようになる」ことを応援しています♪

精神科医/メンタルドクター

HSP気質とメンタルヘルスについて発信している精神科医。精神科外来で診療を行い大学で研究も行っている。instagramのフォロワー7万人以上。著書:頑張り屋さんのための心が晴れる本(KADOKAWA)、新刊:精神科医が教える笑顔うつから抜け出す方法(2023年8月16日発売)。私のブログのテーマは、「他人軸でなく自分軸で気楽に生きる」です。あなたはこんな悩みをお持ちではありませんか?「他人の顔色ばかりみてクタクタ」「自分の意思で生きられない」「いつも後悔ばかりでグルグル一人反省会」こんな他人軸の悩みでクタクタなあなたは、上記の私の名前をクリックして公式ブログから自分軸を目指しましょう♪

精神科医しょうの最近の記事