ありそうでなかった!仕事で使える「LINEスタンプ」がようやく出揃いつつある
LINEはビジネスで利用できるのか?
無料対話アプリで人気のLINEが7月、東京証券取引所とニューヨーク証券取引所へ同時に上場することが決まりました。資金を調達し、世界で戦っていくために事業の多角化を本格的に進めるLINE。しかし、強みである「スタンプ」を安定収益にする試みをもっと取り組んでもよいのでは、と私は考えています。
収益を安定化させるための施策としてわかりやすいのが、顧客を個人ではなく企業にスイッチすることです。もっと企業で利用できるLINEスタンプを取りそろえ、組織内コミュニケーションの活性化に向けた提案をするなど、工夫次第でいろいろな取り組みができるでしょう。
以前はLINEを仕事のコミュニケーションで使うことに抵抗を覚える人もいました。しかし、ここまで個人利用で普及すると、そうは言ってられません。セキュリティの問題など課題は残りますが、私は積極的に活用してもいいコミュニケーションツールだと考えています。「単純接触効果」を狙える抜群のツールだからです。
単純接触で信頼関係を構築する
テレビCMに代表されるように、人はある物事とシンプルな接触を繰り返すと、無意識下において刷り込まれていき、いつのまにかその物事との信頼を構築していきます。この心理効果を「単純接触効果」と呼びます。LINEの特徴は何といってもその手軽さにあります。すぐに、誰でも、簡単にメッセージを送ることができる。だからこそLINEを使っている相手と単純接触効果が生まれやすいのです。電子メールとの差は、まさにここにあると言えるでしょう。
ビジネスの現場であれば、
「今どこ?」
「電車の中です」
「3時から会議だよ」
「急ぎます」
「明日の10時から時間ある?」
「商談中です」
「了解」
こんなやり取りをスピーディにできます。電子メールで書く内容は、事務的用件に偏りがち。それにメールの編集にはいろいろと決まりがあるため、手軽とは言えません。受け取った相手が読んで読解するまでにも時間がかかります。
アイコンを顔写真にするのは必須
また、単純接触効果を生みだす重要なポイントは、アイコンです。自分のアイコンには、必ずご自身の写真を設定します。はっきりと顔が認識できるほどの大きさの、笑顔で撮影されたものにしましょう。ただ、写真設定を個人に任せると、皆さん恥ずかしがって写真を設定したがりませんので、リーダーが指示します。みんなで写真を撮影しあってもよいでしょう。
最近クリエイターズスタンプの登場で、仕事でも使えるスタンプが出揃いつつあります。お勧めするのは「ピクトグラム」などで表現されたシンプルなスタンプ。「商談中です」「今すぐやります」「了解です」「お任せください」といった定番のやり取りをスタンプだけで表現できるのは、とても手軽です。
相手と信頼関係を築くためのコミュニケーションには、コミュニケーション内の情報をただのテキストデータで埋めず、非言語データの率を増やすことが意外とポイントなのです。一番いいのは面と向かって直接コミュニケーションをすることです。会えなければ電話がいいでしょう。「リアルタイム&双方向」という点が「単純接触」を生み出すからです。
とはいえ、多くの職場ではプレイングマネジャーが増えており、部下が上司とコミュニケーションをとる時間は過去と比較して減るいっぽうです。電子メールだと一方通行になりがちですし、双方向のやり取りをするにしても手間がかかり過ぎるので、LINE等を積極活用する職場は増えていくことでしょう。前述したとおりビジネス系スタンプも出揃いつつあるわけですし。