本塁打王ならぬ「被本塁打王」。今シーズン最多の投手は、歴代トップ10にランクイン
今シーズン、ディラン・バンディ(ボルティモア・オリオールズ)は両リーグ最多タイの16敗を喫した。その要因の一つには、被本塁打の多さがある。バンディが打たれたホームランは41本を数え、2番目に多い――バンディと同じく16敗の――ジェームズ・シールズ(シカゴ・ホワイトソックス/現FA)とは7本の差があった。
歴代でも、バンディの被本塁打は10位タイにランクインする。しかも、バンディのイニングは13人のなかで最も少なく、9イニング平均2.15本の被本塁打はホゼ・リマ(2000年)の2.20本に次ぐ。2人のこの数値は、規定投球回以上の歴代ワースト2だ。
5月8日の試合では、バンディは初回に4本のホームランを打たれ、打者7人に投げて――単打、本塁打、本塁打、本塁打、四球、四球、本塁打――1アウトも取れずにマウンドを降りた。スタッツセンターによると、先発して被本塁打4本以上で無死のまま降板した投手は、110年間で初めてだという。
ただ、バンディは被本塁打と黒星を積み上げる一方で、両リーグ15位(ア・リーグ9位)の奪三振率9.65を記録した。スタットキャストによれば、三振の64.1%(118/184)を奪ったスライダーは、空振り率が50.0%と高く、ホームランは9本打たれたものの、被打率も.178と優秀だ。
2011年のドラフトで、バンディは高校生トップの全体4位指名を受けた。年齢も、今年11月で26歳とまだ若い。他の球種を向上させることができれば、これからブレイクしても不思議ではない。