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ヒョンジン・リュの復帰によって、菊池雄星はローテーションから外されるのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
菊池雄星(トロント・ブルージェイズ)Jul 16, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ヒョンジン・リュ(トロント・ブルージェイズ)の復帰が近づいている。

 昨年6月にトミー・ジョン手術を受けたリュは、今月に入り、リハビリ登板を開始した。4日にルーキーリーグで3イニング、9日にAで4イニング、15日にAAAで5イニングを投げた。3登板の計12イニングで2失点。11三振を奪い、与四球はない。

 スポーツネットのベン・ニコルソン-スミスによると、7月20日にAAAで80球以上を投げさせ、それを最後のリハビリ登板とするのが、ジョン・シュナイダー監督のプランだという。

 現在、ブルージェイズのローテーションに並んでいる5人のうち、ケビン・ゴーズマンホゼ・ベリオスは、どちらも防御率3.40未満を記録している。あとの3人の防御率は、クリス・バシットが3.92、菊池雄星が4.13、アレック・マノーアは6.18だ。

 防御率からすると、リュの復帰に伴い、マノーアが外れるのが順当に思える。

 ただ、マノーアは、今月上旬にローテーションへ戻ってきたばかりだ。昨シーズンの先発31登板で防御率2.24から一転し、今シーズンは開幕から13登板で防御率6.36。先月上旬に降格となった(「前年サイ・ヤング賞投票3位の投手がマイナーリーグ降格。AAAやAAではなくルーキーリーグへ」)。再昇格後の2登板は、オールスター・ブレイクを挟み、6イニング1失点と3.0イニング4失点。与四球は0と5、奪三振は8と0だ。復調したのかどうかには疑問が残るが、ローテーションから外すのは、まだ早い気がする。

 ここからのマノーアの投球にもよるが、リュと入れ替わりにローテーションから外れるのは、菊池かもしれない。昨シーズンの8月中旬以降、菊池はブルペンからマウンドに上がった。一方、マノーアは、2021年のメジャーデビュー以来、リリーバーとして投げたことがない。バシットも、2020年以降は先発登板だけだ。

 ローテーションの人数を、リュを含む6人とすることも考えられるが、スポーツ・ラジオ局670ザ・スコアのブルース・レバインによると、ブルージェイズは、マーカス・ストローマン(シカゴ・カブス)に強い興味を示している球団の一つだという。

 リュが戻ってきて、ストローマン――あるいは他の先発投手――も加わった場合、菊池とマノーアが揃ってローテーションから外されることもあり得る。

 この夏、ストローマンに移籍の可能性があることについては、こちらで書いた。

「防御率リーグ1位のエースは、夏のトレード市場で売り出されるのか。防御率2.42にQS12試合もベスト」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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