水道管の凍結・破裂対策「5つの備え」
気象庁によると、日本の上空に強い寒波が流れ込み、全国的に冷え込みが厳しくなるといいます。水道管の凍結・破裂対策として「5つの備え」をまとめます。
【備え1】気温をチェック
・水道管はマイナス4度以下で凍結する可能性が高い。冷たい風にさらされたり、夜中、雲がなく放射冷却現象で熱が奪われたりすると、より凍結しやすくなる。
・日本気象協会が発表する「水道凍結指数」もチェック。
【備え2】凍結しやすい水道管や元栓をチェック
①凍結しやすい管をチェック
・屋外でむきだしになっている管(給湯器に接続している管など)
・屋外で、北向き、日陰、風当たりの強いところの栓(散水栓、給湯器の栓など)
・屋内で外気の影響を受けやすい場所にある水まわり(洗面所やトイレの蛇口や管など)
②元栓の位置を確認
・元栓は水道メーターボックスの中にある。メーターボックスの場所を確認し、大雪の恐れがある場合、雪に埋まってもわかるような目印をつける。
・元栓が回らないことがあるので事前に確認。回らない原因は、回す方向が違う、固着している、さびている、内部がつまっている、バルブの劣化、パッキンの破損など。固着、さびの場合は潤滑油をつけてから回すとよい。そのほかの場合は地元の水道局、水道局指定の業者に連絡する。
【備え3】凍結防止策の実施
①管や栓を保温する
・管が直接外気に触れないよう保温材を取付ける。管に布や毛布を巻き、ひもやビニールテープで固定。布や毛布が濡れていると逆効果になるので注意。水に濡れないようにビニール袋をかぶせる。その上からダンボールをかぶせると、より保温効果が期待できる。
②保温チューブをつける(トップの写真)
ホームセンターなどで2メートル、数百円程度で販売されている。耐熱性、非耐熱性があるので管内の水温によって使い分ける。ワンタッチ型のチューブを使えば、チューブとチューブのつなぎ目をビニールテープで巻くだけなので作業は簡単。
③凍結防止ヒーターをつける
ホームセンターなどで数千円程度で販売されている。配管にそわせて保温材をとりつけコンセントにつなぐと配管内の凍結を防ぐことができる。配管の材質と長さに合わせて選ぶ。
④メーターボックス内を発泡スチロールや布で保温する
⑤水抜栓を活用する
水道管を凍結から守るために設置されているのが水抜栓。設置されていれば水道管内の水を抜いておくことで凍結時の破裂を防ぐ。
【備え4】断水に備える
①水道水をポリタンクなど密閉できる容器に入れておく
②風呂に入った後に浴槽を洗い、きれいな水を貯めておく
しっかりフタをして、扉をきちんと閉める。とくに小さな子供のいる家庭では、子供が風呂に落ちないよう注意。
【備え5】凍結・破裂の場合の対策を事前に知る
①凍結した場合は「ゆっくり溶かす」
・自然に溶けるまで待つ。
・ぬるま湯をかける。凍結している管にタオルをかけ、上からゆっくり「ぬるま湯(50度程度)」をかけて溶かす。
・NGは、熱湯をかけること。蛇口や管が破裂する。また、無理に蛇口をひねると中のパッキンが破損して水漏れの原因になる。
・室内であれば暖房で部屋を暖める。ドライヤーや使い捨てカイロで凍結部分を温める。
②漏水•破裂の場合
・水道のメーターボックスにある元栓を閉める。
その後、自治体の水道局が指定している水道工事店(自治体の水道局HPを確認)などに連絡し修理を依頼する。ただし、漏水・破裂が多い場合は工事開始までに時間がかかることもある。この場合、4)の「断水に備えて水を用意する」が大事になる。