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梅雨入りしなくても雷雨に注意!週明けは各地で続々と「遅い梅雨入り」か:気象予報士解説

植松愛実気象予報士・防災士・野菜ソムリエ
16日夕方の発雷確率(気象庁データを元に作成)。北日本~近畿で広く雷雨のおそれ。

16日は各地で一時的に雨が降る予想ですが、降り方が「一時的」となる見通しに変わってきたため、今回の雨で梅雨入りするというパターンはなさそうです。ただ、たとえ梅雨入りしなくても16日の雨は雷雨になるところも。
さらに、週が明けると2回にわたって梅雨前線が北上し、九州北部から東北の各地で続々と梅雨入りしそうです。

見えない「気圧の谷」

16日9時の予想天気図(気象庁HPより)。北海道に近づく低気圧からは、見えない前線のような「気圧の谷」が南に伸びる。
16日9時の予想天気図(気象庁HPより)。北海道に近づく低気圧からは、見えない前線のような「気圧の谷」が南に伸びる。

16日は梅雨前線上の低気圧が関東の東の海上へ離れ、15日夜から雨の降っていた関東を含め天気はいったん回復しそうです。
ただ、次第に「気圧の谷」が近づく影響で、午後は日本海側を中心にあちこちで雨が降りそうです。

16日(左)朝、(中)昼過ぎ、(右)夜の天気分布予報(気象庁HPを元に作成)。
16日(左)朝、(中)昼過ぎ、(右)夜の天気分布予報(気象庁HPを元に作成)。

「気圧の谷」というのは、明確に低気圧や前線があるわけではないけれども、まわりよりも気圧が低くなっていて、雨が降りやすくなっている場所です。単に雨が降りやすいだけでなく、上空に寒気を伴った気圧の谷の場合は天気が荒れるおそれがあります。
今回も、記事の冒頭に掲載した発雷確率の通り、北日本の日本海側や、北陸・近畿の一部でも積乱雲が発達して雷雨になるおそれがあり、外でのレジャーは一層の注意が必要です(雷への対処については過去記事「雷が鳴ったらどうする?その知識、間違っているかも!よくある勘違いとNG行動を気象予報士が解説」を参照)。

来週は各地で続々と梅雨入り?

週間予報(気象庁HPを元に作成)。
週間予報(気象庁HPを元に作成)。

週明けは18日(火)~19日(水)と21日(金)~22日(土)の2度にわたり梅雨前線が本州付近まで北上し、広い範囲でまとまった雨となりそうです。
18・19日の雨は当初の予想よりも雨が強まるおそれが出てきたため、このタイミングで梅雨入りする地域が多くなるかもしれません。なぜなら、気象庁による梅雨入りの発表はもともと、大雨に対する注意喚起の目的が大きいためです。

一方、21・22日の雨のあと、間髪入れずに再び梅雨前線の雨が降る可能性も出てきていて、雨の情報から目が離せなくなりそうです。

そしてこのあたりのタイミングで沖縄は梅雨明けするとみられ、季節が一気に前へ進むでしょう。

気象予報士・防災士・野菜ソムリエ

気象予報士・防災士として講演・執筆を行う傍ら、野菜ソムリエ・食育インストラクター・薬膳マイスターとして出張料理人(一般家庭での作り置き代行)としても活動。NHK・民放各局で気象キャスターを歴任し、報道の現場や防災、気候変動・地球温暖化に関する最新情報にも詳しい。著書に『天気予報活用ハンドブック~四季から読み解く気象災害』(竹下愛実名義・共著)がある。

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