雷が鳴ったらどうする?その知識、間違っているかも!よくある勘違いとNG行動を気象予報士が解説
昨日3日は西日本を中心に多くの落雷が観測され、宮崎県ではサッカーの試合が行われていたグラウンドで18人が救急搬送されるなど大きな被害もありました。
今週は1日(月)にも関東を中心に雷雨になったところがありましたが、春は「春雷(しゅんらい)」という言葉があるほど雷の発生が増える季節です。
外で雷に遭遇したときにどうすべきか、これだけは覚えておきたいポイントを解説します。
【NG行動その1】高い建物から離れる
雷は、高い場所に優先的に落ちます。
そして、日本の建築基準法では高さ20メートルを超える建物には避雷針の設置が義務づけられています。
つまり、4階以上の建物であれば避雷針が設置されていて、その建物のそばにいれば避雷針に守ってもらえるわけです。
そのため、高い建物から離れるのは危険、ということになります。
ちなみにグラウンドやキャンプ場のような開けた場所は、周りに高い建物がないため人に落ちる危険性が増します。
雷注意報が出ている間は開けた場所を避けるようにして、万が一そういった場所にいる時に雷が発生したら、しゃがんで体を低くしましょう。
【NG行動その2】木の下で雨宿り
高い建物であれば避雷針がありますが、木にはもちろんありません。
そして、雷が高いところに落ちる性質によって木に雷が落ちたあと、もし近くに人がいれば、その雷は"人に移る"という現象が発生します。木よりも人の方が電気を通しやすいためです。
これを「側撃雷(そくげきらい)」と言います。
なお、木のてっぺんを45度以上の角度で見上げる範囲でその物体から4メートル以上離れたところ(保護範囲)に退避するという方法もありますが、野外で角度や距離を正確に測るのはなかなか難しいと思いますので、とにかく離れることを優先してください。
【NG行動その3】雷光が見えてから雷鳴が聞こえるまでの秒数で安全を判断
光速は非常に速いため、雷の光は遠くてもほぼ一瞬で見えますが、音が届くのには若干時間がかかります。
音速は約340メートル毎秒なので、もし雷光が見えてから雷鳴が聞こえるまでに10秒かかったなら、落雷地点から約3.4キロ離れていることになります。
そのくらい離れていれば安心…、と思いきや、そんなことはありません。
雷を引き起こす積乱雲は幅が10キロ以上もあるものが存在しますので、雷は見えたり聞こえたりした時点で十分危険。
1回目の落雷が離れたところであっても、次はあなたの真上かもしれません。
【おまけ:金属を身につけているかどうかは関係ない】
よく、金属のアクセサリーやベルトなどを身につけている人の方が雷が落ちやすいと言われますが、それは間違いです。
金属を身につけている人・身につけていない人に平等に落ちます。
ちなみに、傘をさしている人の方が雷が落ちやすいというのも聞いたことがあるかもしれませんが、それは傘の骨が金属でできているからではなく、傘をさしている人とさしていない人だと、さしている人の方が背が高くなる形になるためです。