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ゲレーロ父をホームインさせて初打点を挙げ、自身のホームインがゲレーロ息子の初打点に

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジャスティン・スモーク(中央)May 4, 2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今から9年前、2010年4月23日のことだ。ジャスティン・スモークがテキサス・レンジャーズの「6番・一塁」としてメジャーデビューした時、同じラインナップの「4番DH」にはブラディミール・ゲレーロSr.がいた。それから9年後の2019年4月26日。ブラディミール・ゲレーロJr.がトロント・ブルージェイズの「5番・三塁」としてメジャーデビューした時、スモークは「2番・一塁」にいた。

 また、スモークが出場5試合目に犠牲フライで初打点を挙げた時、三塁からホームインしたのはゲレーロSr.だった。ゲレーロJr.が7試合目にヒットで初打点を記録した時は、スモークが二塁からホームインした。

 2010年にスモークがホームランを打った13試合(13本)と、ゲレーロSr.が打った26試合(29本)は、3試合が重なっている(彼らが同じチームでプレーしたのはこの年だけ)。2人による最初のアベック・アーチは、スモークがキャリア3本目のホームランを放った試合だった。

 5月14日、ゲレーロJr.は1打席目に初ホームランを打つと、シングル・ヒットと四球を挟み、4打席目にもホームランを叩き込んだ。スモークはこの試合に出場し、オンデック・サークルでゲレーロJr.のホームランを目撃したが、自身は3打数0安打に終わった。ゲレーロJr.が次にホームランを打つ試合でスモークも打てば、スモークとゲレーロSr.の時と同じく、若い方のキャリア3本目が最初のアベック・アーチとなる。

 ゲレーロSr.とチームメイトだったことのある現役選手は、スモークの他にも何人かいる。エルビス・アンドゥルース(レンジャーズ)とネルソン・クルーズ(現ミネソタ・ツインズ)は、スモークがデビューした試合にも出場している。けれども、ゲレーロSr.だけでなくゲレーロJr.ともチームメイトとしてプレーしたのは、今のところ、スモークだけだ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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