真夏の虎vs鷹決戦!天敵相手にまたしても勝ち越せず《阪神ファーム》
5月17日にウエスタン・リーグの首位となった阪神ファームは、7月初旬の雨天中止が続いた際に2日間ほどソフトバンクと入れ替わったものの、以降は首位をキープしています。7月にあった14試合で、負けたのは17日のソフトバンク戦だけ、つまり12勝1敗1分けで勝率.923でした。貯金も7月10日に今季最多の13となり、月末までには20を超えています。これは2006年(シーズン中に最多19の貯金)を上回り、最終的に55勝27敗6分け(貯金28、シーズン最多は31)で終了した2005年以来、13年ぶりのことです。
また阪神ファームの連勝記録を見ると、2000年3月31日のウエスタン・リーグ開幕から8試合連続勝利というリーグ新記録を作って、そのあと1つ引き分けて再び2つ勝った10連勝というのが最多。今回、18年ぶりに記録更新か?という状況で8月3日のソフトバンク戦を迎えましたが…10連勝はならず。とはいえ、その前に17年ぶりの9連勝があったことを書いておかなくてはなりませんね。7月31日に今季2度目の8連勝で、翌8月1日も勝って9連勝!これは2001年7月7日から28日に記録して以来のことです。
では、灼熱の阪神鳴尾浜球場と姫路・ウインク球場で行われたソフトバンクとの3連戦を振り返りましょう。もし阪神が3タテを食らってゲーム差が0.0になっても、まだ勝率で上回るため“首位攻防”という表現はしていませんが、苦しい戦いでしたね。結果は1勝2敗で、つまり7月と8月の3敗はすべてソフトバンクです。
★3日 チームタイの10連勝はならず
3日の試合では、松田遼馬投手との交換トレードでソフトバンクから移籍した飯田優也投手が阪神のユニホームで初登板。またチームの末っ子・牧丈一郎投手も初の公式戦登板でした。1軍から岡崎太一選手、大山悠輔選手、植田海選手が参戦しています。
《ウエスタン公式戦》8月3日
阪神- ソフトバンク22回戦 (鳴尾浜)
ソフ 011 000 300 = 5
阪神 101 000 010 = 3
◆バッテリー
【阪神】岩田-守屋-飯田-●牧(1敗)-谷川 / 岡崎-坂本(7回~)
【ソフ】笠原(3回)-高橋純(2回2/3)-○古谷(3勝1敗)(1回1/3)-スアレス(1回)-S川原(2勝1敗4S)(1回) / 張本-栗原(4回~)
◆本塁打 神:今成4号ソロ(スアレス)
◆二塁打 神:板山 ソ:高田、栗原
◆盗塁 神:植田2(6)、森越2(4) ソ:川瀬(3)
◆打撃 (打-安-点/振-球/盗/失) 打率
1]右:江越 (3-0-0 / 2-2 / 0 / 0) .208
2]二:植田 (3-1-0 / 0-0 / 2 / 0) .292
〃遊:熊谷 (2-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .200
3]中:大山 (3-1-1 / 1-0 / 0 / 0) .400
〃中:島田 (0-0-0 / 0-1 / 0 / 0) .217
4]左:高山 (4-1-0 / 2-0 / 0 / 0) .301
5]遊二:板山 (4-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .287
6]一:山崎 (4-1-1 / 0-0 / 0 / 0) .318
7]三:森越 (2-1-0 / 1-1 / 2 / 0) .261
〃打三:今成 (1-1-1 / 0-0 / 0 / 0) .228
8]捕:岡崎 (3-0-0 / 0-0 / 0 / 1) .290
〃捕:坂本 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .299
9]指:長坂 (1-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .268
〃打指:西田 (0-0-0 / 0-1 / 0 / 0) .183
〃打指:小豆畑 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .143
〃打指:小宮山 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .226
◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ
岩田 3.2回 83球(10-4-1 / 2-2 / 2.17) 145
守屋 1.1回 20球 ( 1-1-0 / 0-0 / 2.08) 150
飯田 1回 29球 ( 2-2-1 / 0-0 / 3.89) 146
牧 1回 18球 ( 3-0-1 / 3-3 /27.00)147
谷川 2回 28球 ( 0-5-0 / 0-0 / 2.53) 146
《試合経過》※敬称略
1回に植田が内野安打で出て二盗、三盗を決め1死三塁。大山の左前タイムリーで先制。しかし岩田は2回に真砂の同点タイムリーを浴び、3回は川瀬のヒットと盗塁、エラーも重なったピンチで美間のタイムリー内野安打。勝ちこされたものの、その裏に2死から二塁打した板山を山崎が右前打で還して再び同点!
投手陣は岩田、守屋とつないで6回は飯田。2安打1四球で1死満塁としながら、3番・吉村と4番・江川を空振り三振に仕留めて無失点。7回は牧と坂本のバッテリーに代わり、四球、犠打、ヒットで1死一、二塁として代打・高田に2点タイムリー二塁打、続く栗原にもタイムリー二塁打で3点を勝ち越されます。8回と9回は谷川が5奪三振のパーフェクトピッチング!
ところが打線は4回以降2安打のみ。ようやく8回2死から、代打・今成がスアレスからレフトへホームラン!これで1点を返したものの、以降もすべて凡退で、ついに連勝がストップしました。それにしても真夏の3時間51分という試合はきつかったですね…。
飯田、牧の初登板&今成のソロ
試合後、飯田投手は「登板前は普段と変わらないようにと思っていたんですけど、マウンドに上がるとなんかフワフワした感じで…きょうはグダグダでした。特に(相手が)前にいたチームなので。全然よくなかったですが、何とかその中で粘れてゼロっていうのは最低限かなと思います」と初登板の感想を述べました。矢野燿大監督からは「トレードで自分自身もすごく人生が変わったと。ビッグチャンスだと思ってやってくれと、ありがたい言葉」をもらったそうです。
その矢野監督は「俺もトレードの経験があるけど、しかも今回はシーズンのトレードで準備も難しかっただろう。対戦相手として見ていて、いいピッチャーだなと。ソフトバンクだから(1軍に)上がれないのかなと思っていた。まあ近い段階で上も“見たい”と言うんじゃないかな」とコメントしています。
残念ながら3点を失い、初黒星を喫した牧投手。試合後はグッタリした様子で、初の公式戦登板ということに「意識はありました。緊張しましたね」と口を開きました。「緊張もあったけど、やっぱりまだまだプロとして甘いところがあります。初球から自分のボールを投げられなかったので」
高橋建投手コーチからも「自分の球を最初から投げられるように。先頭のフォアボールがすべて」だと言われたそうです。「準備不足と緊張が重なって腕が振れなかった…」。同点の場面での登板には「悔しいですけど、それより勉強できたと思って。これから一歩一歩」と。3連打は「自分の球を投げられていないので、そりゃ打たれますよね。腕を振れるようブルペンでしっかり準備をしていきたい」と顔を挙げました。
8回にソロホームランを放った今成亮太選手は「入ると思わなかった。ちょっと風に乗ってくれた感じだったけど、入ってよかったです。きょうの展開だと1打席かなと。(3-1と)カウントが有利になったので思い切って、甘い球をしっかりスイングしようと思っていました」と振り返っています。
★4日 1点差を守り切って勝利
日差しも気温も前日と変わりなかった4日ですが、体には少し楽な試合だったかもしれません。両先発投手がテンポのいいピッチングを披露、互いに安打数も少なかったこともあって、前日より1時間以上短い2時間46分で終わりました。10連勝はならなかった阪神も、4日は勝って再びゲーム差を3に戻しています。
《ウエスタン公式戦》8月4日
阪神- ソフトバンク23回戦 (鳴尾浜)
ソフ 010 000 000 = 1
阪神 001 100 00X = 2
◆バッテリー
【阪神】 ○藤浪(4勝)-島本-マテオ-S伊藤和(1勝2敗14S) / 長坂
【ソフ】●摂津(2勝1敗)(6回)-スアレス(1回)-モイネロ(1回) / 谷川原
◆本塁打 神:高山1号ソロ(摂津) ソ:美間4号ソロ(藤浪)
◆二塁打 ソ:江川
◆盗塁 神:板山(10) ソ:明石(4)
◆打撃 (打-安-点/振-球/盗/失) 打率
1]左:江越 (4-1-1 / 1-0 / 0 / 0) .209
2]二:荒木 (3-0-0 / 2-0 / 0 / 0) .197
〃打二:森越 (0-0-0 / 0-1 / 0 / 0) .261
3]指:緒方 (3-0-0 / 2-0 / 0 / 0) .269
〃打指:山崎 (1-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .304
4]中:高山 (4-1-1 / 0-0 / 0 / 0) .299
5]右:板山 (3-1-0 / 0-0 / 1 / 0) .287
6]三:今成 (3-0-0 / 2-0 / 0 / 0) .221
7]一:西田 (2-1-0 / 1-1 / 0 / 0) .189
8]捕:長坂 (3-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .262
9]遊:熊谷 (3-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .202
◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ
藤浪 7回 96球 (5-3-2 / 1-1 / 0.45) 155
島本 0.2回 14球 (1-1-0 / 0-0 / 4.56) 144
マテ 0.1回 2球 (0-0-0 / 0-0 / 1.69) 152
伊藤和 1回 19球 (1-1-1 / 0-0 / 1.53) 146
※マテ=マテオ
《試合経過》※敬称略
藤浪は1回が1四球のみ、2回に初ヒットとなるソロホームランを美間に打たれましたが、3回は四球のあと併殺、4回は2安打されながらもまた併殺と要所を締めるなど、7回5安打1失点。
摂津に抑え込まれていた打線は3回、1死一、三塁から江越が中前タイムリーを放って同点。4回は先頭の高山がライトへホームラン! 2対1と勝ち越します。その後の走者は6回に右前打した板山と、8回に四球を選んだ代打・森越のみでした。
救援陣は、まず8回に島本が先頭の代打・江川に右越え二塁打を浴びるも、後続の左打者2人を片づけて、次はマテオが代打・塚田を打ち取って0点。9回は伊藤和が1死一、二塁としましたが美間は左飛、代打・吉村は空振り三振。1点のリードを守り切って試合終了です。
「練習をして、ゲームで答え合わせを」
試合後の話は藤浪晋太郎投手から。ピンチで粘った点には「打球がいいところに飛んでくれたりゲッツーを取れたり、ラッキーだったかなと思っています」とのこと。課題は?「真っすぐで押し込めてはいるんですけど、自分としてはもっと確信的なものをしっかり持って投げていきたい。まだ“バランス悪いなあ”と思ったりすることがあるので、そのへんをなくしていけるように。個人的には、まだまだと感じです」
今後は?「一生懸命、練習をしてゲームでしっかり投げて。ファームですし、結果は求められるけど試せる場面もあるから、ゲームを答え合わせとして。しっかり練習してやっていく。それしかないと思う」
矢野監督は藤浪投手について、こんな見解を述べました。そこそこ長めですが、削らずにご紹介します。
「みんな早い復帰とか、すごく高い期待を持っているから、早く戻って完璧なピッチングをと思うかもしれないけど…。俺個人は、こうやって何度か落ちて苦しんだりして、一番底からは抜けていると思うのよね。去年の一番悪い時を1軍で見たけど、その時よりは上がっているし。だからこそ着実に地力をつけていくというか、目指すところは高いんだけど、今は“あれもできる、これもできる、こんなことにも自信がついている”っていうのを、どんどん増やしていくことで晋太郎自身のピッチングにもつながっていく気がする」
「あいつにも言っているのは、フォアボールを何個出してもゼロに抑えたらいい。1点取られたら2点目を取られへんように頑張ったらいいということ。フォアボール出したらあかん、点を取られたらあかん、牽制もしっかりせなあかん、そんなことばっかりが(頭を)よぎると、体が動かなくなる。きょうはすごくテンポもよかったし、今の段階ではこれでいいと思う。上を言えばきりがないけど、今の段階ではね」
何かをつかんで戻っていくために
なお試合に勝った日のヒーロースピーチは、整列してからマイクを渡された高山俊選手でした。4回に放ったのが今季ファームでの第1号ソロ。結果的に決勝打となっています。ではスピーチの内容をどうぞ。
「暑い中、応援ありがとうございました。えー、今シーズンは本当に情けないシーズンで…いいところを見せられていないんですけど、こうやって鳴尾浜に来てくれるファンのためにも一日でも早く上がって、甲子園でプレーしているところを見せられるように頑張ります!きょうは応援ありがとうございました」
これを受けて、矢野監督は「俊もね、苦しんで、アイツ自身も不本意で。でも最後(スピーチ)でファンの人に、ある意味“宣言”じゃないけど、ああやって自分で言うのもすごく大事なこと。ホームランを打ったのも価値があるけど、何かをつかんで上に戻っていくところに来ていると思うから。苦しい思いをしたり、イライラしたりモヤモヤしたりという時期を過ごしているはずだから、こうやって結果が出るのはすごくいいこと」と話しています。
監督が“プロ目線”で評価した長坂の捕球
これで終わりかなと思ったら「あとは…」と言葉をつないだ矢野監督。「誰も聞いてこないと思ったから先に言うけど(笑)。プロ目線でいうと長坂の、あのワンバン。きょうは何個も、いい場面で止めていた。あれを1つ逸らしてランナーを進めるだけで、状況が変わるからね」。この試合、フルでマスクをかぶり、ワンバウンドになる投球を何度か食い止めた長坂拳弥選手に対する評価でした。
「バッテリーの互いの信頼度が全然違う。こいつなら止めてくれると思うか、こいつはやるんちゃうかな…と思いながら投げるかでは結果が変わってくる。ああいうところでピッチャーから“採点”されていると思うよ。長坂は止めてくれる、プラス2点とか3点とか点数をつけられてるねん。それが信頼関係になっていく。そういう部分で、きょうのワンバン、よかったよ。プロ目線やけどね(笑)」
長坂選手本人には矢野監督の言葉を聞いて「それが仕事なので、止めるのは当たり前なんですけど」と前置きしたあと「きょうは1点差でランナー二塁とか、1つ逸らして進めたらかなりのピンチになる大事な場面で、しっかり止められたので、そう言ってもらえたと思います」とコメント。続けて「ワンバンを止める、盗塁を刺す、まずそこができないと1軍に行けないから。僕は3割30本打つわけではないので、そこをやっていかないと1軍のチャンスがない。しっかりやっていきたい」と言っていました。
なお藤浪投手のピッチングを「調子自体はそんなによくなかったけど、力を入れるところはしっかりギアを上げてくれて、要所要所を締めてくれました」と振り返り、とてもテンポよく投げていたのでは?と尋ねたら「はい。そこは僕もサインを出すタイミングなど意識しているので」とうなずいた長坂選手。もう一度、1軍へ―。そんな思いが伝わってきます。
★5日 3併殺などで好機を逸した打線
3戦目は5日、姫路のウインク球場に場所を移して行われました。この試合は現場へ行けなかったので試合経過と、連投した島本浩也投手の4日に聞いた話を書かせていただきます。
《ウエスタン公式戦》8月5日
阪神- ソフトバンク24回戦 (姫路ウインク)
ソフ 010 004 020 = 7
阪神 110 002 000 = 4
◆バッテリー
【阪神】呂-●尾仲(4敗)-山本-歳内-守屋‐島本 / 坂本-長坂(6回~)
【ソフ】古谷(3回)-○伊藤(3勝1敗)(2回1/3)-野沢(1回)-S川原(2勝1敗5S)(1回2/3) / 栗原-張本(4回~)
◆三塁打 ソ:栗原
◆二塁打 神:板山 ソ:美間、明石、栗原
◆盗塁 ソ:真砂(4)
◆打撃 (打-安-点/振-球/盗/失) 打率
1]指:江越 (3-1-0 / 2-2 / 0 / 0) .210
2]一:山崎 (2-1-1 / 0-0 / 0 / 0) .320
〃一:西田 (1-0-0 / 0-1 / 0 / 0) .188
3]左:緒方 (4-2-0 / 0-1 / 0 / 0) .275
4]中:高山 (3-1-0 / 0-2 / 0 / 0) .300
5]二:板山 (4-1-1 / 1-0 / 0 / 0) .287
6]三:森越 (2-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .257
〃打三:今成 (0-0-0 / 0-2 / 0 / 0) .221
7]捕:坂本 (2-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .292
〃捕:長坂 (2-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .266
8]遊:熊谷 (3-1-0 / 0-1 / 0 / 0) .204
9]右:島田 (4-2-2 / 0-0 / 0 / 0) .221
◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ
呂 5回 79球 (3-2-3 / 1-1 / 2.91) 145
尾仲 0.2回 21球 (3-1-1 / 4-4 / 4.43) 145
山本 0.1回 11球 (1-0-0 / 0-0 / 3.12) 133
歳内 1回 8球 (0-0-0 / 0-0 / 3.93) 143
守屋 1回 17球 (1-1-1 / 2-2 / 2.59) 148
島本 1回 8球 (0-1-0 / 0-0 / 4.38) 144
《試合経過》※敬称略
1回に板山が左翼フェンス直撃のタイムリー二塁打を放って先制しますが、三者凡退で立ち上がった呂が2回、真砂にタイムリーを浴びて同点。しかしその裏、山崎の遊ゴロの間に勝ち越しました。ここまでは前日とほぼ同じ展開で、呂は5回3安打3四球ながら1失点という内容です。
6回は尾仲と長坂のバッテリー。いきなり死球やヒットで1死一、二塁として6番・栗原の右越え三塁打。2人を還して逆転され、さらに美間の中越えタイムリー二塁打。続く真砂の三振で長坂が三塁送球、美間をアウトにします(真砂は一塁へ)。ここで山本が登板し、真砂の盗塁で2死二塁、代打・明石に左越え二塁打を浴びて、この回計4失点。
その裏に、代打・今成の四球と長坂の左前打などで2死二、三塁として島田が左翼線へタイムリー!長坂も二塁から必死の生還を見せ、これで1点差です。7回は歳内が三者凡退に。しかし8回の守屋は先頭に死球を与え、代走の周東が栗原の右越え二塁打で生還。そのあと1死三塁となって真砂の遊ゴロ(熊谷がこぼしてホームに投げられず…)でもう1点。9回の島本は8球で三者凡退でした。
打線は7回に3四球で2死満塁としながら無得点。8回は熊谷と江越にヒットが出たけれど、ともに盗塁失敗でチャンスを広げられず、9回は緒方の四球のみ。最後はこの試合チーム3つ目の二ゴロ併殺で試合終了です。
「内角の直球で抑えられたことが大きい」
この日、9回に投げた島本投手は先頭の川瀬選手をフルカウントから外低めの真っすぐで見逃し三振を奪いました。その前のボールが外高め。狙い通りだったみたいですね。そして高田選手は初球(119キロ)で二ゴロ、最後のコラス選手も初球(144キロ)で三ゴロと左3人を完璧に抑えています。
また4日の試合では2対1の8回に登板。先頭の代打・江川選手に右越えの二塁打を浴び「二塁打は反省です。(1点差という)あの展開で、右バッターもしっかり抑えないと」と島本投手。でも川瀬選手を遊ゴロ、高田選手は空振り三振と左2人は抑えており、どちらも決め球は真っすぐでした。
「インコースの真っすぐで抑えられたのが大きかったです。変化球で抑えるよりも。インコースの真っすぐに詰まらせて空振りを取ったってのがよかった。この前、矢野監督にもそう言われました」。意図して投げた球で思い通りの結果が得られたことも、そして監督にそこを評価してもらったことも嬉しいですね。「はい」。これで12試合連続無失点と結果を残している島本投手。そろそろ?
<掲載写真は筆者撮影>