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『選挙ポスター』デジタル化すれば旧統一教会を断ち切れる。せめて『期日前投票所』の前だけでも設置を…

神田敏晶ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント
出典:筆者撮影

KNNポール神田です。

いまだに、東京五輪と旧統一教会スキャンダルは消え去るどころか、脈々とくすぶり続けている…。

閣僚の辞任ドミノが続くなか、野党は、旧統一教会との関係を指摘される秋葉賢也復興大臣と、過去の過激な言動が問題視される杉田水脈総務政務官の更迭を求めています。

https://news.yahoo.co.jp/articles/929ecf0dbb19f3562bd35b98ba850b99e4b0806d

山際大志郎前経済再生相葉梨康弘前法相寺田稔前総務相も辞任に追い込まれた。

自民党議員の旧統一教会との調査結果によると、自民党 衆参両院の議員のうち、47.2%が旧統一教会と何らかの接点があったという。

□自民党は8日、所属する国会議員と世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の接点に関する調査結果を発表した。衆参両院の所属議員全379人から回答を得て、教団側と何らかの接点があったと確認したのは179人だった。

□茂木敏充幹事長は記者会見で「結果を重く受け止め、率直に反省する。教団と一切関係を持たないことを徹底する」と述べた。

□岸田文雄首相(自民党総裁)は8月31日の記者会見で、旧統一教会について「党の基本方針として関係を断つ」と表明した。茂木氏は同日に「守れない議員は同じ党で活動できない」と述べ、従わない場合は離党を求める考えを示した。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA082880Y2A900C2000000/

徹底して、関係を打ち切る態度を示し、調査結果で、47.2%が何らかの関係を持っていることを公表したことは自民党の本気度を物語っている…。他党も関係性をこのさいに、公表したほうがよいだろう。

それにしても約5割の自民党議員が、選挙で、お世話にならない理由は何だったのか?

■『選挙ポスター』貼りにおける旧統一教会のパワー

なぜ? ここまでして、旧統一教会に頼ってしまったのか?それは選挙におけるポスター貼りのパワーにあったようだ。

□“統一教会”の元信者「報酬は、まったくありません。無報酬です。幹部に逆らうと地獄に落ちるという教えがありますので、命令されたら、従うしかないんです」

□男性は、選挙期間中、文字通り朝から晩まで選挙活動を手伝わされたと話す。

□“統一教会”の元信者「ポスター貼りをしたりですとか、ビラを配ったりとか、街頭演説をしているときに、周りの観客の水増しを行ったりしていた」

https://www.nippon.com/ja/news/fnn20220819405614/

『選挙ポスター』貼りの人件費はすべてボランティアということだ…。

□自民党が旧統一教会と関係を続けてきた理由 教団信者が選挙で見せる「パワーは随一」という。

□「戸別訪問で、ポスターを貼ってもらう活動力に舌を巻いた」 10軒回っても、ポスターを受け入れてくれるのは1軒あるかどうか。費用対効果が悪く、組合員は嫌がる。しかし、教団信者はいとわず、次々とポスター貼りの依頼を成功させていた。「霊感商法で培われた『セールストーク』や嫌がられてもお願いできる押しの強さがあった」

□ 教団が全国に持つ票は、多く見積もっても10万票程度と言われる。宗教団体の創価学会を母体に持つ公明党は、衰えたとはいえ全国で600万票を下らない。

□「教団票なんて、学会票に比べれば、たかが知れている。党として関係を全面的に断っても痛くもかゆくもない。ただ、弱い後援会しか持たない議員にとっては票数の問題ではない。教団と縁を切ることは死活問題。選挙の実動部隊を失う恐怖があるのだろう」

https://news.yahoo.co.jp/articles/a967d43c600ac48951650729b7bba8bfd4cfec02

■選挙ポスターを、1万箇所も貼る効果はどれくらいのものなのか?

東京都選挙区だけでも、国政選挙ともなれば『選挙ポスター掲示場』は1万4,163ヶ所  投票所は1870ヶ所だ。期日前投票だと278ヶ所だ。

つまり、東京都だけでも1.4万ヶ所の掲示板に、ポスターを貼る努力をしなければならないのだ。しかも掲示板の地図を見ながら、どの場所にあるかを確認して貼らなければならない。

しかし、期日前投票所となると278ヶ所ですむ。期日前投票所の中で掲載すれば掲示板を立てる必要もない。

また、『公報』の印刷の頒布よりも期日前投票所の開所の方が早い。だからこそ『選挙ポスター貼り』という原始的な戦術で旧統一協会のパワーは絶大なのだ。

…であれば、どうすれば、自民党が旧統一協会を断ち切れるのか?

そう、選挙ポスターをデジタル化すれば良い。

■『選挙ポスター』ではなく『デジタル公報』としてアプリとして配布するアイデア

公職選挙法に抵触せずに、旧統一協会を断ち切るために…そして、莫大な選挙費用の税負担を抑えるためにも、『デジタル公報』を提起してみたい。

突然何かを、辞めて変えるのは大変だが、なにかを付け足す方が簡単だ。

選挙の場合、必ず各自治体の選挙管理委員会が中心となって動くが、『公示日』や『告示日』の前に、『デジタルデータでの立候補願い』を受け付けておけば良い。

『公示日』や『告示日』になって『抽選』で番号が決まった瞬間に候補者のデータを『総務省』が全公開すれば、各自治体はそのリンクをエンベッドすれば良いだけだ。

そう、今までどおり、選挙の主体は各自治体だが、デジタル化のフォームは総務省が各自治体に提供し、総務省が一括で管理すべきなのだ。その方が予算もひとつで済む。

メリットは多大だ。選挙ポスター掲示板を削減できること。

いきなりではなく、候補者のQRコードを導入する自治体と同様に、各自治体ごとの候補者の『デジタル公報』のQRコードを選挙ポスター掲示板に掲示すれば、業者などの反発も少ないだろう。

しかし、選挙ポスター関連のビジネス業界は、近い将来なくなる業界だと悟ってほしいくらいだ。

『選挙ポスター』は一枚あたり134円(予備を入れて2枚分67円×2)『公費負担(国民の税金)』で印刷される。

A3のポスター(297x420mm)ならば、『ラクスル』では、屋外用で1枚60円だ。 『選挙用(選挙ポスター(400x420mm))』でも1枚124円だ。 公費負担の値段設定がわかる。

そもそも、選挙ポスターサイズ400×420mmを廃止してA3に規格化すればもっと割安になるはずだ。

【誰も知らない選挙の公費負担】参議院選挙、候補一人あたり最大680万円まで公費で負担

出典:【誰も知らない選挙の公費負担】
出典:【誰も知らない選挙の公費負担】

1.ハイヤーには、109万円

2.レンタカーには、26万円

3.ガソリン代には、12万円

4.運転手代には、21万円

5.選挙ビラには163万円

6.ポスター代金は189万円※ @134×1万4,163ヶ所

7.選挙ハガキには、66万円

8.選挙事務所の看板には、49万円

9.選挙運動用の自動車看板には、20万円

10.個人演説会の看板には、19万円

である。 すべて合わせて、1人の候補者にどれだけ公費負担されるのか?

最大でなんと、1候補あたり、680万6531円 も公費負担がなされている。

https://go2senkyo.com/articles/2016/06/22/19811.html

これらが、節税できるので、選挙のデジタル化は早急に対応すべきなのだ。

なぜ旧統一教会との関係が断ち切れないのか…の極論は、選挙時の『ポスター貼り作業』が存在するからだ。

むしろ、総務省、自治体の選挙管理委員会、デジタル庁で、公示日や告示日には、候補者の一覧をスマートフォンで確認できるようにし、マイナンバーカードをかざして、期日前投票の入場券にし、投票済みカードで『選挙割り』のサービスを受けられるようにすべきである。

マイナンバーカード全体をスーパーアプリの窓口とすれば、官民の申請から証明、認証にいたるすべての行動をDX化できる。旧統一教会のようなところだけではなく、選挙で国民が候補者を比較検討できる機会が与えられていないことが根本の原因だ。むしろ選挙ポスターは投票所にだけあればよいと思う。

https://news.yahoo.co.jp/profile/commentator/kandatoshiaki/comments/16619180997472.78ab.30829

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ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

1961年神戸市生まれ。ワインのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の出版とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送「KandaNewsNetwork」を運営開始。世界全体を取材対象に駆け回る。ITに関わるSNS、経済、ファイナンスなども取材対象。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を歴任。著書に『Web2.0でビジネスが変わる』『YouTube革命』『Twiter革命』『Web3.0型社会』等。2020年よりクアラルンプールから沖縄県やんばるへ移住。メディア出演、コンサル、取材、執筆、書評の依頼 などは0980-59-5058まで

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