Yahoo!ニュース

選挙公示日、公示時間にネットでも候補者情報をリアルタイムに開示せよ!

神田敏晶ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

KNNポール神田です!

選挙公示日、公示時間にネットでも候補者の情報をリアルタイムに開示せよ!

候補者のポスター貼ってから建てたほうがよくないか?
候補者のポスター貼ってから建てたほうがよくないか?

2014年12月2日(火)衆議院選挙の公示日となる。ボクは参議院議員に立候補したことがあるが、疑問に思うことがある。

それは、選挙の掲示板ナンバー(届出番号)の「くじびき」だ。

公示日午前8時、立候補する各候補者は、各自治体の選挙管理委員会で、選挙供託金の国庫金の領収書(衆議院・参議院候補の場合は、小選挙区300万円、比例区600万円)と申請書類を提出しくじ引きへとのぞむ。

選挙ポスターを貼る無駄

各自治体の責任者がくじ引きの不正がないようにズラリと雁首を並べる中、午前9時、1回目のくじびきで、くじびきをする順番を決める。今度は、その順番で、くじをひき、届出番号が決まる。

この番号がとても重要だ。

この番号が決まった瞬間に、政党や支援者たちは、掲示板にポスターをその届出番号に一斉にポスターを貼る作業が始まるのだ。時間との勝負でポスターを貼る。東京都だけでも1万3,000ヶ所の掲示板があるからだ。その1万3,000ヶ所に掲示板を建てる作業も毎回かかる。

選挙掲示板は、デジタルサイネージに変えるべきだ!

最初からくじ引きを、日時を決め、公正におこない、掲示板を建てる日程を決めれば済む話だ。重要なのは投票所の近くの掲示板から建てればよい。いや、投票所となる学校や役場の掲示板は、防水仕様のデジタルサイネージ化しておくべきだ。当然、そのような場所は避難場所とも指定されているのだから、太陽電池で動き、カメラなどを搭載したデジタル掲示板兼防災システムにしておくべきだろう。投票所の近くから年20%目標であれば5年後にはすべてデジタル化され、オリンピックの時には、街角テレビになったり、多言語情報ディスプレイになるだろう。運用は広告宣伝費と防災費用と選挙費用でまかなえる。

一人の国会議員を選ぶのに1億6,600万円かけている!1票1,400円

たった1回の国政選挙で、たかだか衆議院の場合、定数480名を決めるだけのために600〜800億円かかると試算

されているからだ。一人あたりの衆議院議員を選ぶのに、1億6,600万円もかけて選んでいるのだ。

有権者数1億120万人の中、投票率56%で、5,713万票を争うのだ。1票あたりの値段は、1,400円になる。

http://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/data/sangiin19/sangiin19_2_3.html

【追記】※0増5減で、475名選出なので、1億6842万円とさらに値上がり! 

5名減るだけで240万円も上がるのか!

すぐには無理かもしれないが、せめて、ネット選挙解禁の動きの中で一番遅れているのが、総務省管轄のウェブサービスだ。

総務省のウェブで候補者情報サイトをつくるべきだ!

公示日、総務省や各自治体の選挙管理委員会のページに候補者情報が掲載されるのは、夕方から夜半にかけてだ。しかもPDFでコピペすらできない選挙広報のまんまだったりする(笑)

公示されても、スマホですぐに候補者が確認できないという時点で、ネット選挙時代とはいえない!

これも、公示日と申請日の間を作れば解消できる話だ。

むしろ、ポスターを貼らせる作業よりも優先すべき事項だ。

さらに、候補者のウェブサイトへのリンクも全角のアルファベット表記のURLのPDFだったりする(笑)あほか!と言いたい。

公正な選挙をおこなうのが、選挙管理委員会の仕事だ。

…であれば、選挙ポスターの番号の「くじびき」と同時に、候補者に、文字制限や、写真サイズ制限、twitterやfacebookのアカウント、ウェブやブログなどのリンクのある候補者専用ページのIDとpassをあたえるべきだ。

各自治体にアクセスするだけで、国民は、選挙ポスターよりも、早く、スマホで候補者を確認することができる。しかも、同じフォーマットなので、候補者を純粋に比較検討できる。

候補者に興味があれば、リンクをたどればいいのだ。

スマホを持っていない人には不公平とか言われそうだが、寝たきりの人は選挙ポスターを見ることができないので、不公平だと返したい。寝たきりの方にもスマホで早く投票できるようにすべきなのだ!

選挙管理委員会の仕事は不正な選挙をさせないことだ。

で、あれば、ネットで不正のできないサービスを用意し、国民が公示日に候補者が周知されるサービスをこころがけるべきだろう。

新聞社がこぞって、値引きなしの選挙広告に群がるのもすでに風物詩となっている。今どき、新聞の突き出し広告や、朝の5時からの政見放送に価値があるのか?

税金をそんなことにばかり投入するばかりでなく、費用対効果を考えれば候補者のネット広告もありではないか?

むしろ、候補者サイトは1億円もあれば、立派なものができる。800億円の使い道をもっと自分のカネだと思って考えてほしい。

選挙広告費用に一人1,000万円も使えるのはおかしすぎる!
選挙広告費用に一人1,000万円も使えるのはおかしすぎる!

ボクが、2007年の参議院選の選挙広告に作った選挙広告もちろん内容が新聞社の審査に通らない…。

ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

1961年神戸市生まれ。ワインのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の出版とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送「KandaNewsNetwork」を運営開始。世界全体を取材対象に駆け回る。ITに関わるSNS、経済、ファイナンスなども取材対象。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を歴任。著書に『Web2.0でビジネスが変わる』『YouTube革命』『Twiter革命』『Web3.0型社会』等。2020年よりクアラルンプールから沖縄県やんばるへ移住。メディア出演、コンサル、取材、執筆、書評の依頼 などは0980-59-5058まで

神田敏晶の最近の記事