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台風接近時にキャンプしてもいいの?キャンプ歴12年のインストラクターが実践する判断のポイントを紹介

いわもととしたつキャンプクリエイター/アウトドアライター
そろそろ台風の季節がスタートしますね(写真:Unsplash+)

楽しみにしていたキャンプの日に台風が接近...。お盆から10月くらいまでにキャンプをする方にとっては、もはや「あるある」と言っても過言ではありません。2024年は早速台風1号が日本列島に接近してくる予想もあり、梅雨前にキャンプをしておこうと思ったキャンパーは戦々恐々としている頃ではないでしょうか。

前提として、危険が予想されている状況でのキャンプは当然オススメしません。最悪の場合は死亡事故につながるリスクもありますし、そもそもキャンプ場がオープンしません。

でも、気にしすぎる事でせっかくのチャンスを無駄にしてしまう可能性もあるというのも事実。今回は、台風接近時にキャンプ決行かキャンセルするかの判断ポイントについて解説していきます。

※この記事は筆者の経験を基にして書かれており、必ずしも科学的な根拠があるわけではありません。命に係わる事なので、最終的な判断については自己責任でお願いいたします。

台風の位置や勢力によってはチャンスあり

ただの雨キャンプクラスになるのであれば決行という選択肢もある(写真:写真AC)
ただの雨キャンプクラスになるのであれば決行という選択肢もある(写真:写真AC)

台風が近づいてきていても、その位置や勢力によってはキャンプに影響が少ないケースもあります。近づいていないからと言っても、思いがけないリスクもある為、基本的にはインストラクターとしてはオススメしたくありません。あくまでも迷った際の判断材料として捉えてください。

台風が大きく離れている場合

台風によっては接近まで時間がかかるものもあります。例えば東海地方でキャンプをする場合、チェックアウトして帰る時点で台風がまだ九州あたりにいれば何とか持ちこたえられる可能性もあります。

逆に、チェックイン時点で通り過ぎている場合でも決行する判断も出来ます。上陸した後、思ったよりスピードが出て通過時間が早まるケースもありますね。

ただし、「吹き戻し」で強風が残ったり、大雨の影響が強く出ている場合は「鉄砲水」のリスクも怖い所です。どんな影響が出ているかしっかりチェックし、慎重に判断してください。

台風の予報円が大きい場合

予報円が大きいという事は、まだどんなルートを通るか想定できないという場合です。気象庁によると、予報円は「台風の中心が到達すると予想される範囲を示しています。予報した時刻に、この円内に台風の中心が入る確率は70%です。」とされており、大きければ大きいほど、予報が難しいという事になります。

直前まで粘れば影響がでないコースを取る可能性も出てきますので、キャンセル料と相談してギリギリまで判断をしないというのも手段の一つです。

迷わずキャンセルするケース

どうあがいても無理!という時は潔く中止の判断を(写真:写真AC)
どうあがいても無理!という時は潔く中止の判断を(写真:写真AC)
  • 前日の時点で直撃は免れないという場合
  • 子供やお年寄り、妊婦と一緒にキャンプをするなどいざという時の対応が難しい場合
  • 台風が遠く南にいても、キャンプ場に前線が掛かっている場合(前線に暖かく湿った空気を供給し続けることになるので、大雨リスクが高い)

ある程度の影響が分かってくると、施設側が安全性を考慮してキャンセル料無料の対応をしてくるかと思います。予報が外れる可能性はありますが、キャンプ場の判断に従い、その時点で予定を中止にしておきましょう。

意外と見落としがちな「往復時のリスク」

キャンプ場付近は自然が多いため、自然災害リスクも高い(写真:写真AC)
キャンプ場付近は自然が多いため、自然災害リスクも高い(写真:写真AC)

キャンプ場は意外と大丈夫そうな時でも、そこにたどり着くまでの道中のリスクは意外と忘れがち。無事キャンプが出来たとしてもきちんと帰れるのか、標高が高い場所はどういった天気になるのかなど、細かい情報を拾っておきたいものです。

また、長雨によって現地の道がぬかるんでいたり、土砂崩れがあったりという可能性もあります。決行するとしても出発前にキャンプ場に状況を確認し、絶対に大丈夫!と判断できた場合はキャンプに出かけましょう。周辺状況がどうなっているのかは、キャンプ場に電話して聞くのが一番早いですね。

決行できたとしても油断は禁物

(写真:写真AC)
(写真:写真AC)

天気予報を十分にチェックしてキャンプを決行したとしても、台風が日本近辺にいる場合は不安定な気候となる可能性は高いです。急な大雨や突風など、現地の雲行きや雨雲レーダーなどに気を配っておく必要があります。

予期せぬトラブルは起こるものとして、万全の風対策や雨撤収の準備、そしていざという時の為に即時撤収が出来る用意と心構えは持っておきましょう。

キャンプクリエイター/アウトドアライター

『子どもを育む場としての「キャンプ」こそ持続可能な社会の第一歩』をテーマに、子どもはもちろん大人の環境意識やサバイバル知識を高めるために日夜活動。実体験を通したキャンプの知識や雑学、マニアならではの考察についてお届けしていきます。

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