日本人も北朝鮮に行けちゃう?平壌開催のサッカーW杯アジア予選、北朝鮮VS韓国の観戦ツアーが日本で販売
「トットナムのFWソン・フンミンと今季カリアリからユベントスに移籍したFWハン・グァンソンの直接対決が見てみたいんだよね」
サッカーが大好きな知人からそんな連絡をもらったのは、ちょうど1週間前のことだった。
サッカーファンなら、欧州ビッグクラブに所属する韓国代表のソン・フンミンとアジア人として初めてユベントスの選手となった朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)代表のハン・グァンソンのプレーを一目見てみたいと思っても決して不思議なことではない。
この2人が10月15日に行われる2022年カタールワールドカップ(W杯)のアジア2次予選の北朝鮮対韓国の試合で、同じピッチに立つかもしれない。
すでにこの試合が、平壌で開催されることが決まっていることから、外国人観光客を対象にした「観戦ツアー」商品が、各旅行会社で販売が開始されている。
中国経由で平壌へ。丹東からの列車も
調べてみると観戦ツアー商品を販売している日本と中国の旅行会社がいくつか見つかった。
「中外旅行社」は「2022年サッカーW杯カタール大会アジア第2次予選 朝鮮対南朝鮮 観戦モデルプラン」と称し、観光客を募集。日程は10月14~17日の3泊4日で、費用は14万2300円~18万4800円。
また「ジェイエス・エンタープライズ」は「共和国VS韓国 サッカー観戦 モデルコース」で観光客を募集。日程は10月14~17日の3泊4日で費用は15万1000円~22万9000円だった。
2社とも航空機は北京発着で、内容は現地での試合観戦のほか、平壌市内観光、開城・板門店の観光などが含まれていた。
また、「KJナビツアーズ」は瀋陽発着で「平壌でサッカーW杯アジア2次予選観戦&話題の板門店観光の旅」で旅行者を募集。内容も上記とほぼ似たコースが用意されていた。
上に紹介した会社は日本にあるが、中国・大連にある旅行会社「コリアンツアーズ」も「FIFA W杯サッカー予選決戦 朝鮮VS韓国戦(10月15日)応援ツアー3泊4日」と称して、観光客を募集。日程は10月13~16日で、費用は13万5000円~16万7000円。
こちらは飛行機を使わず、中国国境の丹東から国際列車で平壌へ入るというコース。ついでに列車の旅を楽しみたい人にはいいかもしれない。
ここまで淡々とまとめてみたが、驚くのはその費用だろう。3泊4日で約15万円は必要で、もろもろ現地でのお土産購入費などを考えれば、ゆうに20万円は超えそうだ。
決して安い旅行費用ではないのは確かだ。
日本から北朝鮮に行けるも問題は費用
しかしながらこれらの商品はすべて、日本からの観戦ツアー客を募集していること。
「え? 日本から北朝鮮に行けるの?」と思っている人も結構多いだろうが、「中外旅行社」に問い合わせると「もちろん日本の方もツアーに参加できます」と話していた。
実際、こうした観戦ツアーだけでなく、北朝鮮観光ツアーの商品はいくつもあることから、日本人でも北朝鮮観光を楽しむ人も実際にいるというわけだ。
ただ、距離は近くても中国経由のため、やはり費用がかさむ。同じ費用を払うなら他の国に旅行に行ったほうがマシと思う人がいても当然だが、こうした機会を利用して、サッカーと観光を楽しむのも一つの手かもしれない。
筆者は北朝鮮でハン・グァンソンとソン・フンミンが同じピッチに立ち、プレーする姿を直接、この目で見たいと思っている。
きっと貴重な一戦が見られるに違いない。