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41歳。私は私で働いて生活しています。押しつけがましい男性は苦手です~40歳からの婚活入門(38)~

大宮冬洋フリーライター
医療関係の専門職を務める横田さん。オフでは音楽と飲食を愛する女性です(筆者撮影)

 40代、独身。孤独を感じることもあるが、周囲を見渡してみると自分と同世代の独身者もいるし、子育てを終えて次の生活を模索し始めた人もいる。肩を寄せ合えるパートナーを探すことが広義の婚活だとしたら、何歳からだって遅くはない。本シリーズでは、現代に生きる独身の40代の実生活と心情を聞き取り、筆者の考えを添える。同じ40代として、残りの人生を充実したものにするために。

***横田尚子さん(仮名、41歳)の話***

好きな相手との重なりは3割ぐらいがちょうどいい。7割は放っておいてほしい

 4年前に約10年間の結婚生活を終わらせました。前夫は主体性がない人で、私があれこれと面倒をみてあげてしまったのがいけなかったのかもしれません。私自身も誰かと一緒にいないと不安に感じていました。大人同士の関係ではなかったと思います。

 離婚した後、少しは成長しました。自分がやりたいことをちゃんとやって、一人でも生きなくちゃダメなんですよね。仕事が休みの日は寝坊する自分も許せるようになりました。

 最近は、パーソナルスペースが広めの自分に気づいています。単なる同僚なのに、プライベートなことをあれこれ聞いてくるような人が苦手です。円滑に仕事ができることが大事なのであって、それ以上に仲良くしたいとは思いません。友だちではないのだから。

 お互いの話を聞けるような関係性は欲しいので、婚活はしています。2年前に半年ほど付き合った男性がいました。前夫とは違って自主性がある人がいいなと思っていたのですが、押しつけがましい男らしさやリーダーシップはうるさく感じてしまって……。「こっちはこっちでやっているんだから好きにさせてよ」と言いたくなります。彼はいい人でしたが、「男性だからがんばらなくちゃ」という気持ちが強すぎる人で息苦しかったです。一緒に歩いているときに必ず車道側に回って私を守ろうとしてくれるとか。車ぐらい自分で避けられるよ、と思ってしまいました。

 私、前世は猫なのかもしれません。好きな相手との重なりは3割ぐらいがちょうどいい。7割は放っておいてほしいんです。一緒にいる3割の時間はベタベタしたいですけど。

インタビュー場所は東京・新宿のダイニングバー「ル・タン」。美しい洞窟のようなお店です(筆者撮影)
インタビュー場所は東京・新宿のダイニングバー「ル・タン」。美しい洞窟のようなお店です(筆者撮影)

 仕事は長く医療関係の専門職をしています。婚活で自分の職業や(高い)年収を書くのは嫌ですね。男性から引かれてしまうことばかりだし、お見合いなのに健康相談をされたりするからです。

 3カ月ほど前から付き合っている人がいます。有料の婚活サイトに入って、自分からアプローチをしてお会いしました。1歳年下のバツイチの男性です。いい意味で相手に干渉しないところとか、常識の範囲が似ているな、と心地良く感じています。週に1回ぐらい会う関係です。

 交際が半年ぐらい続いたら結婚してもいいな、と思っています。でも、結婚にこだわってはいません。離婚して一人になって、結婚しなくても人間関係は作れることに気づいたからです。何人かの親しい人と、お互いのパーソナルスペースは大事にしながら、細く長く付き合っていければいいなと思っています。

***筆者より横田さんへ***

家事も含めてちゃんと自活できると、パートナーとの共同生活でもお互いを思いやれる

 筆者が離婚を経験したのは9年前のことです。別れた後は不思議なほどさっぱりしたけれど、別れる前は本当に苦しかったな……。そんなときに会った年上の女性から「人間は失敗からしか学べない。同じ失敗を繰り返さなければいいのよ」と慰めてもらったことを今でも覚えています。

 だからこそ、横田さんの「自分がやりたいことをちゃんとやって、一人でも生きなくちゃダメ」という言葉に共感します。大人はまず自立しなければなりません。そのうえで、一方的に甘えたり甘えられたりするのではなく、支え合う関係を作れるパートナーを探すべきなんですよね。こんな簡単なことすら、手痛い失敗をしなければ気づけなかったのは、僕も横田さんと同じです。

 家事も含めてちゃんと自活できるようになると、パートナーと共同生活を始めてもお互いを思いやることができます。余裕のようなものが生まれて、周囲にも良い影響を与えられる気がします。我が家には子どもがいませんが、ご近所づきあいは大切にして、「大宮家が近所で良かったな」と思ってもらえるように楽しく努力しているところです。

 結婚しなくても温かい人間関係は作れると確信するに至った横田さん。二度目の結婚生活をするとしたら、きっと良き家庭を築けると思います。

フリーライター

僕は1976年生まれ。40代です。燦然と輝く「中年の星」にはなれなくても、年齢を重ねてずる賢くなっただけの「中年の屑」と化すことは避けたいな。自分も周囲も一緒にキラリと光り、人に喜んでもらえる生き方を模索するべきですよね。世間という広大な夜空を彩る「中年の星屑たち」になるためのニュースコラムを発信します。著書は『人は死ぬまで結婚できる』(講談社+α新書)など。連載「晩婚さんいらっしゃい!」により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。コラムやイベント情報が読める無料メルマガ配信ご希望の方は僕のホームページをご覧ください。(「ポスト中年の主張」から2017年3月に改題)

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