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アライズは61試合で打率.399。それより高かった選手のシーズン打率は…。打率4割は1941年が最後

宇根夏樹ベースボール・ライター
ルイス・アライズ(マイアミ・マーリンズ)Jun 5, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 6月5日、ルイス・アライズ(マイアミ・マーリンズ)は、二塁打を含むヒット3本を打ち、シーズン打率を.399とした。マーリンズは、開幕から61試合を終えている。

 開幕戦で4打数2安打を記録したアライズは、5月9日まで、シーズン打率.400以上をキープしていた。その後のシーズン打率.400未満ながら、各試合が終わった時点で.370を下回っていたことはない。

 ここ4試合は、6月2日が4打数0安打、3日が5打数5安打、4日が4打数2安打、5日は4打数3安打。打率は.374→.390→.392→.399と推移している。

 MLB.comのサラ・ラングスによると、1961年以降の「エクスパンション・エラ」において、チームが61試合を終えた時点の打率が、今シーズンのアライズよりも高かった選手は6人。2008年のチッパー・ジョーンズが.418、1997年のラリー・ウォーカーが.416、1994年のポール・オニールが.411、1983年のロッド・カルーが.411、1997年のトニー・グウィンが.405、1996年のロベルト・アロマーが.399だという。

 この6人とも、シーズン打率は.375を下回った。このなかで、最も高い1997年のグウィンが.372、最も低い1996年のアロマーは.328。あとの4人は、打率の高い順に、1997年のウォーカーが.366、2008年のチッパーが.364、1994年のオニールが.359、1983年のカルーは.339だ。

 一方、1941年にテッド・ウィリアムズがシーズン打率.406を記録した後、1942年以降のナ・リーグとア・リーグにおける打率トップ10は、以下のとおり。

筆者作成
筆者作成

 シーズンを「チームの61試合目まで」と「62試合目以降」に分けると、この10人のうち、1980年のジョージ・ブレットと1957年のテッドは、後ろのスパンに打率.400以上を記録している。ブレットの62試合目以降は打率.421(280打数118安打)、テッドは打率.415(229打数95安打)だ。

 ここまでのアライズは、208打数83安打。机上の計算ではあるが、アライズの62試合目以降の打数と安打が、1980年のブレットの62試合目以降、あるいは1957年のテッドの62試合目以降と同じ場合、シーズン全体の打率は.400を超える。

 208打数83安打+280打数118安打=488打数201安打、208打数83安打+229打数95安打=437打数178安打。それぞれの打率は.412と.407となる。

 ちなみに、1941年のテッドは、ボストン・レッドソックスの61試合目までが打率.403(191打数77安打)、62試合目以降は打率.408(265打数108安打)だった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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