「イタリア式か、韓国式か」 米議会で議論された感染対策法
韓国中央防疫対策本部の今朝の発表によると、韓国の感染者の数は昨日よりも110人増え、7979人となった。
完治者も177人増え、510人となった。最初の感染から54日目にして感染者発生数と完治者の数が逆転した。
集団感染が発生している大邱市では61人増加したが、前日(73人増)に続き2日続けて、二桁の増加に留まり、鈍化の兆しがあると、防疫対策本部ではみている。
イタリアは13日午前8時(現地時間)基準で感染者は前日よりも2651人増え、1万5113人と、世界で2番目に感染者が多い。世界4位の韓国の1.8倍にあたる。また、一日の増加数では過去最高で、韓国の24倍である。
イタリアの死亡者も1千人を超え、1016人に達した。韓国(69人)の約14倍である。致死率は前日の6.6%から0.12%上昇し、6.72%となった。韓国は1%以下の0.8%である。新型コロナウイルス発症の地である中国ですら3.9%(3173人)であることから尋常でないことがわかる。
韓国よりも人口が約1千万人多いイタリアは韓国とほぼ同じ1月下旬に初の感染者を出している。イタリアはロンバルディア州など北部で、韓国は大邱を中心に東南部(慶尚北道)で感染者が拡大した。
大都市ミラノがあるロンバルディア州はイタリアの人口の6分の1にあたる1千万人を擁している。慶尚北道は第3の都市・大邱市の246万人を含めると、516万人で、韓国の人口の約10分の1にあたる。
ロンバルディア州での感染者の数は8725人で、全感染者(1万5113人)の半数以上を占めている。一方の慶尚北道も大邱の5867人を含めると7010人に達し、韓国全体(7979人)の約9割に上る。
イタリアと韓国の状況は似ているのに感染者の数や死亡者の数で差が開いた理由はどこにあるのか?
イタリアも初動では広範にわたってPCR検査を実施した。しかし、時間が経つにつれ、検査を症状が疑われる人を対象に狭めた。その一方で、発症地域を閉鎖する方向に舵を切った。3月9日には全国民の移動を制限する措置も取った。
他方、韓国は濃厚接触した疑いのある人を積極的に追跡し、1日平均1万2千件のPCR検査を実施した。特に、韓国は医療スタッフの感染リスクを最小化するため希望者が乗車したまま簡単に検査を受けられるドライブスルー検査施設を全国50か所以上設置した。その結果、韓国は感染者を早期に発見し、積極的に対処することができた。
韓国は13日零時基準で24万668人の検査を行っているが、イタリアは約3分の1の8万6000人程度に留まっている。結果は、感染者数でイタリアが1万5113人なのに対して韓国は7979人、死亡者の数でイタリアの1016人、韓国の69人の差になって表れている。
こうしたことから、ここ数日間で急速に感染者を出し始め、感染者1329人、死者38人に達した米国では米下院監視・政府改革委員会の公聴会が12日に開かれ、キャロライン・マローニー委員長が冒頭発言で「韓国は今、19万6千人以上検査を実施しているが、我々はどこにも行けない。韓国はドライブスルーを実施しているが、米国民は自分の主治医の検査すら受けられないでいる。これが米国だ」と、韓国の検査件数と迅速な措置に比べて米国の対応が遅れていることを批判していた。
また、公聴会ではイタリアと韓国の実情と対応が取り上げられ、民主党のラジャ・クリシュナムルティ議員は「米国と韓国は同じ時期にコロナ感染者が出ているのに韓国はその後、100万人あたり4千人、イタリアは1千人、英国は400人なのに対して米国は15人に過ぎない」と述べ、またマーク・ポカーン議員も非公開のブリーフィングで「米国は韓国になれる能力を完全に逃してしまった。イタリアのような危機に向かっているのでは」との憂慮を示していた。
なお、ロイター通信は専門家らの意見を引用し「イタリアと韓国の統計を単純比較はできないが、攻撃的で持続的な検査がウイルスと戦う上で強力な手段であることを示唆している」と伝えていた。