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台風20号のフェーンで新潟県でも40度超え 今年15、16、17回目は初の8月下旬

饒村曜気象予報士
汗を拭くビジネスマン(ペイレスイメージズ/アフロ)

初の8月下旬の40度超え

 平成30年(2018年)は、全国的に梅雨明けが早く、7月から記録的な猛暑が続いています。

 7月23日には埼玉県熊谷市熊谷で日最高気温41.1度を観測し、これまでの日本記録である高知県四万十市江川崎の41.0度を更新しました。

 また、8月23日には新潟県の胎内市中条で40.8度、三条市三条で40.4度、上越市大潟で40.0度を観測しました。初めての8月下旬の40度超えです。これまでは平成19年(2007年)8月17日に岐阜県多治見市で観測された40.8度が一年を通じて最も遅い40度超えでした。

 新潟県では、日照時間の長さに加え、台風20号の東側の流れが、脊梁山脈を越えて南や東から吹き降り、フェーン現象をおこしたことから記録的な高温となりました(図1)。

図1 地上天気図と衛星画像(8月23日15時)
図1 地上天気図と衛星画像(8月23日15時)

 新潟県では初めての40度超えで、これで40度超えが13都県になりました(図2)。

図2 40度以上を観測したことがある都県
図2 40度以上を観測したことがある都県

40度超えの多発

 気象庁の気温の観測は、近年、観測地点が増え、観測間隔も3秒となるなど、最高気温が出やすくなっていますが、それでも、平成30年(2018年)の、40度超えの多発は目立ちます。

 気象庁(中央気象台を含む)の100年を超える観測の中で、のべ44回しか観測していない40度超えですが、その約3分の1にあたる17回は、今年、平成30年(2018年)で観測したのです(図3)。

図3 年別の40度超え地点数(のべ)
図3 年別の40度超え地点数(のべ)

 これまで、40度超えをした回数が多いのが、平成25年(2013年)の8回、平成19年(2007年)の7回、平成6年(1994年)の3回ですから、大幅な更新でした。

図1、図2の出典:ウェザーマップ提供。

図3の出典:気象庁ホームページより著者作成。

気象予報士

1951年新潟県生まれ。新潟大学理学部卒業後に気象庁に入り、予報官などを経て、1995年阪神大震災のときは神戸海洋気象台予報課長。その後、福井・和歌山・静岡・東京航空地方気象台長など、防災対策先進県で勤務しました。自然災害に対しては、ちょっとした知恵があれば軽減できるのではないかと感じ、台風進路予報の予報円表示など防災情報の発表やその改善のかたわら、わかりやすい著作などを積み重ねてきました。2024年9月新刊『防災気象情報等で使われる100の用語』(近代消防社)という本を出版しました。

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