血の繋がらない子ネコを育てるオス猫も 遺伝子にかかわらず家族になれるペット
最近、人間の世界では、子どもの虐待や殺人などのニュースが連日、伝えられています。
「進化心理学」という学問で、アメリカなどの研究では親が義理だったケースでは両親が実親のケースに比べて、虐待数で10倍程度増加するといわれています。血が繋がっていない関係だと、自分の遺伝子が伝わらないので、そのようなことが起こる可能性が高くなるようです。もちろん、虐待などは稀で、上手くいっている家庭がほとんどです。
(筆者の知人が撮影 オス猫がオッパイを吸わせている動画)
しかし、ペットの世界では、自分の子供でなくても、触れ合いを大切にしている子たちが多く見られます。ある日、血の繋がっていない子猫がやってきて、その子猫を世話しているオス猫の例を紹介します。
いままでの経緯
ジルちゃんは(2013年12月7日生まれ、オス 去勢済み)ノルウェージャンフォレストキャットといノルウェーの猫で、胃腸の調子が悪く、ずっと軟便でした。他府県に住んでいるジルちゃんは、紹介で私のところにきました。ジルちゃんの病気は、小麦粉不耐性(テニスプレーヤーのジョコビッチと同じ)だったのです。つまり小麦粉が入っているフードを食べると下痢をするので、いまはグレーインフリーのフードを食べて元気にしています。(グレーインフリーのフードとは、米・小麦・大麦・ライ麦・あわ・ひえ・豆・きび・とうもろこし・モロコシなど穀物が入っていないフードのことです。猫は肉食なので、炭水化物の分解酵素であるアミラーゼが人間に比べて少ない。穀物が入っているフードを食べると軟便になる子もいます。下痢止めなどを飲んでも治らず、食事を変えて始めて完治します。)
そんなジルちゃんのところに今年になってから同じノルウェージャンフォレストキャットのロワちゃん(2019年5月13日生まれ、オス)が来ました。ロワちゃんは、生後2カ月だったので母猫から放されてもまだ温もりが欲しいので、ジルちゃんのところに行きました。ジルちゃんは、はじめはロワちゃんのことを怖がって逃げていたのですが、だんだんロワちゃんの体を舐めてあげるようになり、やがて、おっぱいもあげるようになったらしいのです。(もちろんオスなので、ミルクは出てきませんが。)仲良くしてお互いリラックスしている様子が動画からわかりますね。
新しい家族を迎えるとき
オスで血縁関係のない子を育てるのは、本当に珍しいことです。多頭飼いをしたい人は以下のことを参考に新しい家族を迎えてくださいね。
・先住猫や犬がおっとりしていて、心が広い性格だと仲良くなれるケースが多い。
・先住猫や犬がデリケートな場合は上手く一緒に暮らせない可能性もあります。
・新しい家族を迎えるときは、時間をかけてゆっくりと。
・急いで対面させると、一瞬のうちに血みどろの喧嘩をすることもあるので、注意してくださいね。(そのとき、止めに入ると、飼い主は怪我をすることもあります。冷静にさせるように、お互いを離しましょう。)
・まずは、隔離してニオイで知らせる。彼らは姿が見えなくてもニオイから誰かいることがわかります。いきなり対面はさせないでくださいね。
・相手のニオイをつけて(タオルで拭いたものでもう一頭を拭く)、怒らないようになったら、飼い主のいるところで対面させる。
・あまり狭いスペースにたくさんの犬や猫を飼うと、彼らにストレスがかかり、発育しにくい、病気になりやすいなどがありますので、注意してください。
まとめ
人間と犬や猫はいまや家族の一員です。犬や猫の世界では、遺伝子にかかわらず仲良く暮らしている場合はたくさんあります。犬と猫というように「種」が違っても一緒に寝ている場合も珍しくありません。子育てに疲れたら、この動画を見てまったりしてくださいね。