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子どもを叱るコツは、「何で?」と尋ねないこと。(子育ての極意)

竹内成彦心理カウンセラー(公認心理師)

こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。


今日は、「子どもを叱るコツは、『何で?』と尋ねないこと」というテーマでお話したいと思います。

私は、2000年の春、今から23年前に、性格形成論という本を書き、その本を様々な出版社に持ち込みしました。そうしたところ、運良くリヨン社様の目に留まり、編集長の助言により、「子どもを育てるとっておきのメッセージ」という子育て本に生まれ変わり、出版と相成ったというわけです。
何冊も本を出している私ですが、今もなお、「この本が1番面白い」とおっしゃってくれる方は少なくなく、本当にありがたい限りです。

私はこの本のおかげで、
食えないカウンセラーから食えるカウンセラーに、
売れないカウンセラーから売れるカウンセラーになることが出来ました。

そのあたりの経緯については、電子書籍「カウンセラーへの道」でも詳しく語っていますので、宜しければまたそちらのほうもご覧ください。

私は、上記の本を出したことにより、性格心理学に詳しいカウンセラーというよりは、子育てカウンセラーという名を頂戴することになり、全国津々浦々に講演に行くようになりました。本当にありがたい限りです。

性格心理学に興味がある私は、今もなお、
「どう育てれば、子どもは良い性格を持つ大人になることが出来るか?」研究中です。

前置きが長くなりましたが、
今日は、子どもを叱るコツについてお話したいと思います。

まず、叱るという行為ですが、世の中には、生まれつき、あまり叱らないほうがいい子どもと、比較的、叱っても大丈夫な子がいます。
よって、一概に、「叱らない子育てがいい」とか、「子どもは厳しく叱って育てるほうがいい」とかは言えないということです。
上記のことは、「褒めて伸ばすか、叱って伸ばすか、どっち?」にも書いたのですが、非常に重要な点なので、改めて強調してお伝えしておきたいと思います。

さて、叱る際に必要なことは、長々と叱らないことです。
子どもには、「〇〇してはダメ」ということを言い、「次からはこうしなさい」と言えば、長くても1分以内で終る筈です。だから、叱るのは1分以内で納めましょう。それが叱るコツです。

子どもは、叱る時間が長くなると、何で自分が怒られているのか? 訳がわからなくなり、「お説教が早く終わらないかな」と祈るようになり、下手すりゃ子どもの自己肯定感まで下がってしまいます。よって、ここは本当に注意したいところです。

叱るのが長くなるのは、「なんで〇〇をしたの?」と理由を聞くからです。これは質問の形をとっていますが、質問にはなっていません。ただ、子どもを追い詰めているだけの行為です。そんなことをするから、お説教が長くなるのです。

よくある、良くない例としては、「あなたは何回言えばわかるの?」です。この質問に答えられる子どもはいません。ただ黙るだけです。黙っている子どもに向かって、さらに質問を重ねる親御さんがいます。「黙ってちゃわからないでしょ。あなたは何回言えばわかるの?」 子どもはさらに黙り、お説教タイムはさらに長くなります。

他にもよくない例は幾つもあります。
「なんであなたはオモチャを片付けないの?」「なんであなたは勉強しないの?」「どうしてあなたはお母さんを困らせるの?」等々です。

コップを倒してジュースをこぼした子どもに向かって、「なんでジュースをこぼすの?」等と聞く親がいますが、ホント無意味です。そんな無意味は質問はやめたほうがいいいです。「ジュースをこぼすな。気をつけろ」と言えば、それで終わります。お説教が長くなることはありません。

子どもを叱る時は、叱る時間を短くすることです。短くするためには、「なんで?」とか言って、理由を聞かないことです。それがコツです。

まれに、訊きもしないのに、子ども自ら、やってしまった理由を言うことがあります。そんな時には、子どもの言い分に耳を傾けてあげましょう。そうすれば、子どもは、「僕の気持ちをわかってくれた。もうこんなことは2度と起こすまい」と、しっかり思ってくれるはずです。

では、今日のまとめです。
1.子どもには、叱ってもいい子と、なるべく叱らないほうがいい子がいる。
2.子どもを叱る時は短めにすること。1分以上は叱らない。
3.短く叱るコツは、「なんで?」等という言葉を使わないこと。理由を聞かないこと。
4.子どもから理由を言ってきたら、耳を傾けてあげること。

というわけで、今日は以上です。


今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。

      この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

心理カウンセラー(公認心理師)

1960年、愛知県名古屋市で生まれ育つ。1997年06月、地元愛知でプロのカウンセラーとして独立開業を果たす。カウンセリングルーム「心の相談室with」名古屋 の室長。臨床歴25年、臨床数15,000件を超える。講演・研修回数は800回、聴講者は10万人を超える。【上手に「自分の気持ち」を出す方法】など、電子書籍を含め、20数冊の本を出版している。カウンセリング講座などを開催し、カウンセラーを育てることにも精力を尽くしている。

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