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褒めて伸ばすか、叱って伸ばすか、どっち?

竹内成彦心理カウンセラー(公認心理師)

こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。


今日は、子どもおよび部下は、「褒めて伸ばしたほうがいいのか?」それとも「叱って伸ばしたほうがいいのか?」というテーマでお話したいと思います。

今日は、すぐに正解を言います。
正解は、「『褒めたほうがいいのか、叱ったほうがいいのか?』は、子どもや部下の性格(生まれつき性格)によって違う」ということになります。

よって、「子どもおよび部下は、褒めて伸ばすべきだ」というのも、「叱って伸ばすべきだ」というのも、誤りということになります。「叱ったほうがいいのか?」「褒めたほうがいいのか?」は、生まれつき性格によって違い、一概に決められるものではない…ということです。

結論から言うと、
1.褒めて伸ばしたほうがいい…という子どもや部下
2.どちらかと言うと褒めて伸ばしたほうがいい…という子どもや部下
3.褒める叱る、どちらがいい…とは言えない子どもや部下
4.どちらかと言うと叱って伸ばしたほうがいい…という子どもや部下
5.叱って伸ばしたほうがいい…という子どもや部下
の5タイプの子どもや部下がいるということです。

上記の5タイプを見分けるのは容易ではありませんが、
まずは、「5タイプいる」ということだけは覚えておいて欲しいと思います。

あなたは、如何ですか?
褒められて伸びるタイプですか? それとも叱られて伸びるタイプですか?

私(竹内成彦)は、断然、褒められて伸びるタイプです。
今までの人生を振り返って、グンと能力を伸ばしたなと思う時期がいくつかあったのですが、そういうときは、必ずと言っていいほど、かたわらに、自分を褒め励ます存在がいました。

逆に私は、叱られたら伸びないタイプです。
私は叱られると委縮して、実力を発揮できなくなり、伸び悩んでしまうタイプなのです。

だから私は、自分自身が褒められて伸びるタイプであり、叱られると委縮するタイプなものですから、お弟子さんを叱るのが非常に苦手です。お弟子さんが目にあまることをしていても、よほどのことでない限りはスルーしてしまいます。やっぱり人間というものは、わかっていても、自分がされて嫌なことは、人にも出来ないものですね。

さて、今、5タイプの人間がいると言ったのですが、1番多いのは、実は、「どちらかと言うと、叱って伸ばしたほうがいい子どもや部下」なのです。スポーツ選手は、このタイプが断然多いです。だから厳しい監督やコーチの下でも頑張っていけるのですね。
日本にいれば、トップアスリートでいられるにも関わらず、あえて海外に行こうとする選手が少なくないのは、選手自身が、「自分は厳しい環境に身を置いたほうが、実力を伸ばしていける」と知っているからだと思います。さすが、一流と呼ばれる選手は賢いですね。

あなたは、如何ですか?
褒められて伸びるタイプですか? それとも叱られて伸びるタイプですか?

誰もが褒めらたら嬉しいし、叱られるのは嫌なので、世の中には、自分のことを、「褒められたら伸びるタイプだ」等と、勘違いしてらっしゃる人が大勢いらっしゃるのですが、自分が「褒められて伸びるタイプなのか? 叱られて伸びるタイプなのか?」ということは、自分の人生をよくよく振り返って、しばし考えてみると良いかとおもいます。「自分は、どんな状況で実力や能力を伸ばし、どんな状況で実力や能力が伸び悩んだか?」ということです。

褒められたら伸びるタイプの人は、つい子どもや部下やを褒めて伸ばそうとし、叱られたら伸びるタイプの人は、つい部下を叱って伸ばそうとするのですが、それは誤りだ…ということです。「子どもや部下には、5種類のタイプがいる」ということを忘れず、その人にあった教育や指導をするようにしていってください。

あと、「褒める時は皆の前で、叱る時はふたりきりで」という言葉がありますが、その言葉も一概に正しいとは言えません。「ふたりきで、褒められたほうがいい」という人もいるということです。
例えば、目立つのが嫌いな隠れたがり屋性格の人は、皆の前で褒められると、結果、目立ってしまうことになるので、それを嫌い、もう2度と褒められるような良い行為をしたがらなくなってしまいます。そう、隠れたがり屋の子どもや部下にとっては、皆の前で褒めるという目立てしまう出来事そのものが、本人にとって罰になってしまうのです。そのあたりのことも、どうぞ考慮してあげていただければ…と思います。

最後に、怒ると叱るの違いを書いて、この記事を終わりにしたいと思います。
【怒る】とは、「相手に悪感情をもって、憎しみや怒りの感情を露骨に表して、相手に厳しく迫ること」を言います。
【叱る】とは、「相手に愛情をもって、『相手の可能性を引き出そう』という気持ちを込め、厳しい態度で臨むこと」を言います。


今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。

      この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

心理カウンセラー(公認心理師)

1960年、愛知県名古屋市で生まれ育つ。1997年06月、地元愛知でプロのカウンセラーとして独立開業を果たす。カウンセリングルーム「心の相談室with」名古屋 の室長。臨床歴25年、臨床数15,000件を超える。講演・研修回数は800回、聴講者は10万人を超える。【上手に「自分の気持ち」を出す方法】など、電子書籍を含め、20数冊の本を出版している。カウンセリング講座などを開催し、カウンセラーを育てることにも精力を尽くしている。

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