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ジャスティン・ビーバーが婚約。若くして結婚したセレブたちのその後

猿渡由紀L.A.在住映画ジャーナリスト
ジャスティン・ビーバーと婚約者のヘイリー・ボールドウィン(写真:Splash/アフロ)

 世界の女子たちのアイドル、ジャスティン・ビーバーが婚約した。お相手は俳優スティーブン・ボールドウィンの娘でモデルのヘイリー・ボールドウィン。ビーバーとボールドウィンは3年ほど前に短期間交際したことがあり、先月再びニューヨークで仲良くしているところをパパラッチされて、復活かと騒がれていた。それから1ヶ月ほどでのプロポーズである。ビーバーは、この8年ほどの間、セレーナ・ゴメスとくっついたり離れたりを繰り返していたのに、指輪を渡す決心をさせたのは、別の女性だったわけだ。

 ビーバーは24歳、ボールドウィンは21歳。お金もルックスも持つふたりは、まだまだ遊べる時期のような気もするが、早くしてひとりの相手と人生を約束したセレブは、ハリウッドに少なくない。

 たとえば、アンジェリーナ・ジョリーは、今のボールドウィンと同じ21歳だった1996年に、最初の夫ジョニー・リー・ミラーと結婚している。離婚が成立したのはジョリーが2番目の夫ビリー・ボブ・ソーントンと結婚する直前の2000年だったが、実際には夫婦の関係は1年で破局していた。

 ケイト・ハドソンの最初の結婚も21歳の時だ。お相手は12歳年上のミュージシャン、クリス・ロビンソン。夫婦は息子を授かったが、6年後、ロビンソンが離婚を申請している。

 一方、22歳でダンサーのケビン・フェダーラインと結婚したブリトニー・スピアーズは、彼との間に男の子をふたり生んだ。離婚後は、依存症などの問題でスピアーズが親としてふさわしくないと判断されたことから、フェダーラインが単独親権を取得している。今は更生し、共同親権も取り戻して、キャリアも順調だが、最近はまたフェダーラインから養育費の増額を求められ、闘うことになった。そして実は、フェダーラインは彼女の2度目の夫だ。最初の相手は、ジェイソン・アレキサンダーという名の、幼なじみの男性。フェダーラインと結婚する半年ほど前の、やはり22歳だった時にラスベガスで電撃挙式をしたのだが、スピアーズはこの結婚を55時間後に取り消している。

飲酒すらできない若さで結婚したのはこの人たち

 結婚式にはシャンパンで乾杯が付き物。だが、アメリカで飲酒が許されるのは21歳。その年齢に満たない若さでめでたき日を迎えた人たちもいる。ワイン代に毎月3万ドル以上を費やすと自認するジョニー・デップもそのひとりだ。

 デップが最初の妻ロリー・アン・アリソンと結婚したのは、彼のデビュー作「エルム街の悪夢」が公開される前の1983年、彼が20歳の時だ。この結婚は2年で破局。この次に彼が結婚をしたのは30年後の2015年、アンバー・ハードとである。この再婚は、昨年、醜い形で終わった(デップのふたりの子供を生んだヴァネッサ・パラディとは、結婚はしていない)。

 ユマ・サーマンが最初の夫ゲイリー・オールドマンと結婚したのも、20歳。オールドマンは昨年、5度目の結婚をしている。サーマンは、2004年、再婚相手イーサン・ホークと離婚し、それ以後は結婚していない。

 もっと若い10代で結婚したのは、ドリュー・バリモア、デミ・ムーア、ミラ・ジョヴォヴィッチらだ。バリモアは19歳、ムーアは17歳、ジョヴォヴィッチは16歳の時だった。バリモアとジョヴォヴィッチの結婚は、いずれも2ヶ月で破綻。ジョヴォヴィッチの場合は、母が結婚の取り消しを申請した。ムーアの結婚は4年続き、離婚後も彼女は夫の姓であるムーアを名乗り続けている(旧姓はガインズ)。バリモアとムーアはその後それぞれ2度結婚し、2度とも離婚。ジョヴォヴィッチはリュック・ベッソンとの2度目の結婚を経て、現在の夫であるポール・W・S・アンダーソンと出会う。ふたりが結婚したのは、長女が生まれた後の2009年。夫婦は今も仲良しで、ハリウッドのパワーカップルとして知られる。

 男性で極端に若く結婚を経験した人には、マコーレー・カルキンがいる。「ホームアローン」の世界的ヒットで、10歳にしてギネスブックに世界一有名な子役として認定され、子役としては前代未聞のギャラを稼ぐようになったカルキンは、18歳の時、同じく18歳の女優レイチェル・マイナーと結婚した。だが2年後には別居、その2年後には離婚が成立している。

時には、長く続くカップルも

 こうやって見てみると、若い結婚はみんなダメになる運命のように思えてしまうが、必ずしもそうではない。

 たとえば、カヤ・スコデラーリオ(『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』『メイズ・ランナー』)は、22歳で結婚し、息子をひとり授かった。24歳の若さで子育てとキャリアの両立を強いられることになったことに後悔はなく、「子供を持ったことで、人生のすべてが意味をなすようになった。家に帰って、息子に物語を読んであげながら寝かしつけてあげる時間が、私にとって一番お気に入りの時間なの」とも語る。

 ブライス・ダラス・ハワードは、ニューヨーク大学在学中に出会った恋人と5年の交際を経て、25歳で結婚した。今年で結婚12年目を迎えた夫妻には、ふたりの子供がいる。また、ミーガン・フォックスは24歳でブライアン・オースティン・グリーンと結婚、ふたりの男の子に恵まれた。2015年にはフォックスが離婚を申請するも、離婚手続きが進まないまま、彼女はまたもや妊娠。子供の父親はグリーンで、離婚の話はすっかり立ち消え、今ではすっかり仲良し5人家族だ。

 もちろん、22、24、25歳は、前述の20歳や21歳より大人である。とは言っても、ハワードが夫に出会ったのは20歳、グリーンの場合は18歳の時だ。その時からそれぞれ37歳、32歳の今まで、おそらく大人のまじめな恋愛としては初めての相手だったであろう相手と一緒にいるのである。

 ビーバーとボールドウィンは、まだ婚約をしたばかり。この後、(1)この勢いでスピード挙式となるのか、(2)婚約をしたはいいがいつまでも結婚しないカップルの仲間入りをするのか(そういうセレブカップルも多い)、(3)あるいは結婚を待たずして破局となるのか、今はまだわからない。しかし、いつもお騒がせなビーバーのこと、なんとなく(2)は、ないような気がする。いずれにしても、今、ふたりが最高に幸せなのは、明らか。そして、幸せな人たちを見るのは、これまた幸せなことだ。とりあえずは、この若い愛に乾杯といこう。

L.A.在住映画ジャーナリスト

神戸市出身。上智大学文学部新聞学科卒。女性誌編集者(映画担当)を経て渡米。L.A.をベースに、ハリウッドスター、映画監督のインタビュー記事や、撮影現場レポート記事、ハリウッド事情のコラムを、「ハーパース・バザー日本版」「週刊文春」「シュプール」「キネマ旬報」他の雑誌や新聞、Yahoo、東洋経済オンライン、文春オンライン、ぴあ、シネマトゥデイなどのウェブサイトに寄稿。米放送映画批評家協会(CCA)、米女性映画批評家サークル(WFCC)会員。映画と同じくらい、ヨガと猫を愛する。著書に「ウディ・アレン 追放」(文藝春秋社)。

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