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2000年生まれのメジャーリーガーが初登場の一方で、1980年より前に生まれた選手は1人に

宇根夏樹ベースボール・ライター
エルビス・ルチアーノ(トロント・ブルージェイズ)Feb 21, 2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 2000年生まれのメジャーリーガーが、初めて誕生した。2000年2月15日生まれのエルビス・ルチアーノ(トロント・ブルージェイズ)がそうだ。3月31日の試合で、3点ビハインドの7回表2死一、二塁からマウンドに上がり、最初の打者をセンターフライに討ち取ると、次のイニングは二塁打を打たれながらも、無失点で切り抜けた。

 一方、バートロ・コローン(1973年5月24日生まれ)と契約する球団は現れず、イチロー(1973年10月22日生まれ)は日本開幕シリーズを最後に引退した。これにより、1970年代生まれの現役メジャーリーガーは、フェルナンド・ロドニー(オークランド・アスレティックス/1977年3月18日生まれ)を残すだけとなった。コローンが復帰する可能性はあるものの、現時点で動きは見られない。ロドニーに次ぐ高齢は、1980年1月16日生まれのアルバート・プーホルス(ロサンゼルス・エンジェルス)だ。

 また、コローンがいなくなり、エイドリアン・ベルトレー(1979年4月7日生まれ)は引退したことで、20世紀にメジャーリーグでプレーした選手は姿を消した。コローンは1997年、ベルトレーは1998年にメジャーデビューした。イチローとプーホルス、CC・サバシア(ニューヨーク・ヤンキース/1980年7月21日生まれ)のデビューは2001年で、ロドニーは彼らより1年遅い。

 ちなみに、ロドニー、プーホルス、ベルトレーは3人ともドミニカンだ。ルチアーノと彼に次いで若い2人、フェルナンド・タティースJr.(サンディエゴ・パドレス/1999年1月2日生まれ)とホアン・ソト(ワシントン・ナショナルズ/1998年10月25日生まれ)もドミニカ共和国で生まれた。ブルージェイズのメディア・ガイドによると、ルチアーノのフェイバリット・プレーヤーは、殿堂投手のペドロ・マルティネスだという。ペドロもドミニカンだ。

 ルチアーノは19歳ながら、すでに移籍を2度経験している。昨年6月にジョン・ジェイ(現シカゴ・ホワイトソックス)の交換要員の一人としてアリゾナ・ダイヤモンドバックスからカンザスシティ・ロイヤルズへ移り、12月のルール5ドラフトでブルージェイズから指名された。プロとしてのキャリアは、その時点でルーキーリーグの2シーズン(2017~18年)のみ。通常であれば、ルール5ドラフトの対象ではない。けれども、2016年10月にダイヤモンドバックスへ入団した際、身体検査によって契約金を減らされ、それに伴い、ルール5ドラフトの対象となった。

 ロドニーは42歳を迎えたが、前年まで7シーズン続けて60試合以上に登板している。現役最年少のルチアーノと最年長のロドニーは、同じ試合でマウンドに上がるかもしれない。ブルージェイズとアスレティックスは、4月に6試合(19~21日、26~28日)で顔を合わせる。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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