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衝撃の不正行為した韓国女子プロ19歳“新星”の凋落…大韓ゴルフ協会主催の大会に3年出場停止処分!

金明昱スポーツライター
KGA主催大会に3年出場停止処分が下されたユン・イナ(写真・MHNsports)

「大韓ゴルフ協会(KGA)主催・主管の大会に3年の出場停止処分を決定した」

 これは韓国女子ゴルフ界の“新星”、19歳のユン・イナに下された処分の内容だ。19日にKGAスポーツ公正員会が発表した懲戒はあまりにも重いものだった。

 事の経緯を簡単に説明しておきたい。韓国女子プロゴルフ(KLPGA)ツアーで、前代未聞の不正行為が世間に明るみになったのは、ユンのマネジメント会社が謝罪文を出した7月25日のことだ。

 彼女は大韓ゴルフ協会(KGA)主催の国内メジャー「韓国女子オープン」の初日(6月16日)、15番ホールで誤球したことに気づいた。キャディーの助言で2罰打の処置を進言されたが、それを受け入れずにそのままプレーを続けた。コーチや両親もその事実を知りながらも報告することなく時が経った。

 今季絶好調のユンは、「エバーコラーゲンクイーンズクラウン」(7月14~17日)で初日から最終日まで首位を守ってツアー初優勝。その後、新たに発覚したのが、同大会2日目に、ユン・イナ側がKGAに誤球した事実を申告するメールを送っていたことだ。不正行為から1カ月後と遅い報告になったのは、“誤球”の噂が関係者の間で知れ渡り始めていたからだという。

 それにもかかわらず、優勝会見では笑顔で喜びの声を語り続けていたユン・イナ。不正行為を隠していた事実を表に公表することもなく、優勝までしてしまったのだから、彼女の裏に隠された顔がさらに際立ってしまった。

「信頼を損ない、社会的物議を醸した」

 KGAスポーツ公正委員会は19日、公式資料を通じて「6圧16日、韓国女子オープンの第1ラウンドで“誤球プレー”でゴルフ規則を違反し、送れて申告したユン・イナと関連し、19日に委員会を招集し、懲戒審議を行った。大韓ゴルフ協会主催・主管の大会に3年出場停止処分の懲戒を決定した」と明かした。

 また、具体的には「▼ユン・イナがゴルフ規則に違反する事実を認知したにもかかわらず、次の日も出場して大会の秩序を乱したこと▼国家代表出身として他の模範にならなければならないにもかかわらず、ゴルフ規則違反を隠し、相当な期間が経過したあと、自ら申告したことで、ゴルフの根幹である信頼を損ない、社会的物議を醸した点」を懲戒理由とした。

 現在、ユン・イナはツアー出場を自粛しているが、これから3年間は韓国女子オープンなどのKGA主催の大会に出られない。ただ、彼女はKLPGAツアープレーヤーであるため、次は韓国女子プロゴルフ協会(KLPGA)が今回の懲戒結果を受けたうえで、新たな処分が下すことになる。

 KLPGAツアーも3年出場停止に近い処分が下されるのだろうか――。いずれにしてもプロゴルファーとしての活動は当面、自粛せざるを得ないかもしれない。

スポーツライター

1977年7月27日生。大阪府出身の在日コリアン3世。朝鮮新報記者時代に社会、スポーツ、平壌での取材など幅広い分野で執筆。その後、編プロなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めたあと、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。11年からは女子プロゴルフトーナメントの取材も開始し、日韓の女子プロと親交を深める。現在はJリーグ、ACL、代表戦と女子ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。

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