お茶を愉しむ八十八夜はひんやり和菓子と。「抹茶白玉ゼリー」のほろ苦さと甘味は大人の涼菓
「夏も近づく八十八夜♪」という歌を耳にしたことはありませんか?
本日5月2日は、立春から数えて八十八日目の「八十八夜」という、日本独自の季節の節目にあたります。
日本独自、と申しますのは、カレンダー等に記載されている「二十四節気」、いわゆる立春や夏至といった節目は、中国から伝わった太陰暦からきており、当時から日本の気候や現在使用している太陽暦と季節があわないことから、日本で作られた季節の節目です。
こちらを【雑節(ざっせつ)】といいます。
雑節といいましてもピンとこない方がほとんどかと思いますが、節分やお彼岸、土用がその雑節にあたります。
いかがです?なんとなくその言葉から季節が連想されませんか?本日5月2日の八十八夜もそのひとつ。
「八十八夜の忘れ霜」という言葉がございまして、朝や夜でも霜の心配がなくなる頃ですよ、という意味と、忘れたころに霜の被害がでるあたりなので油断してはいけませんよ、という農業に携わる方へのリマインドのような節になります。
その日に収穫された茶葉を使用したお茶を飲むと、その一年無病息災と申されますよう、実はお茶ととってもゆかりの強い日。
ですが、なかなか節に合わせて新茶を調達するというのは至難の業ですよね。
そこで今回は、もう少しカジュアルにお茶と親しめるような和菓子をご紹介。
本日ご紹介するのは、現在本店がございます銀座七丁目にて1907年に創業された清月堂本店さんの「抹茶白玉ゼリー」。
清月堂本店さんは、銀座の本店をはじめ都内百貨店にて期間限定出店なさったり、ご挨拶の際にお渡しするお菓子にぴったりな最中などの銘菓を作られている、銀座の老舗和菓子屋さんのひとつです。
その清月堂さんは喫茶のお店もいくつか点在しているのですが、そのノウハウをカップ入りの和菓子に反映させたのがこちらのお菓子。
非常に濃度が高く、深い緑色のゼリーは、ほろ苦さの中に清涼感と旨味を感じられる爽やかな抹茶のゼリー。食感が特徴的で、仄かにもちっとした弾力を感じつつも、ぷるんと舌の上で弾けてほどけていく滑らかで癖になる感触。
しゃきしゃきっとした皮の歯ざわりが心地よい、どこかほっとさせてくれるとろりとした粒餡も重要なキャスト。シンプルな糯米の味わいがアクセントになっている白玉も名脇役です。
粒餡、白玉ともに非常に柔らかく瑞々しく仕上げられているので、ゼリーと一緒に口の中に入れてもすぐに打ち解けあいます。
別添えの抹茶ソースもまた、濃厚でやや甘味の強いエレガントな刺激を添えてくれます。ソースそのものが美味しいので、ぜひたっぷりかけて召し上がってくださいね。
こちらは都内百貨店等のイベント出店、催事スペース、もしくは本店での購入が可能となっており、通常のお菓子と一緒にオンラインストアでの購入は不可となっておりますので、見かけた際はぜひチェックを。