オートバイのあれこれ『マン島TTレプリカの原付!』
全国1,000万人のバイク好きたちへ送るこのコーナー。
今宵は『マン島TTレプリカの原付!』をテーマにお話ししようと思います。
1960年代にマン島TTレースで大活躍し、世界に名を馳せたホンダ。
当時のホンダのレーシングマシン『RC』シリーズは、世界を震撼させた存在だと言えるでしょう。
今回は、そんなRCレーサーに起源を持つ市販オートバイをご紹介。
1997年(平成9年)に発売された『ドリーム50』です!
ドリーム50は車名に「50」とあるとおり原付バイクなのですが、そのディティールは市販の原付バイクとは思えないほどハイスペックなものとなっていました。
イチバンの見どころは、やはりエンジン。
なんと、DOHC&4バルブが採用されていたのです!
画像を見てもらうと、エンジンヘッドがモコっと膨らんでいますよね。
これはカムカバーで、この中にカムシャフトが2本、その下には吸排気バルブが2本ずつ入っています。
ホンダはマン島TTを戦っていた頃、小さなピストンを並べた多気筒エンジンを使っていたことで、周囲から「ホンダのエンジンは精密機械だ」と言われていましたが、その“精密さ”が、このドリーム50にも投入されているのです。
マン島TTレース由来の精巧緻密なエンジンというだけで、このドリーム50が「ただの原付」ではないことが分かるのではないでしょうか。
外観はレーシングマシン『CR110(カブレーシング)』を模したデザインとされ、いかにも60年代的なロングタンクが特徴的。
ブレーキが前後ともディスク式なのも、原付モデルとしては異例の豪華装備だったと言えます。
もちろんドリーム50は一般向けの公道用市販車なので、エンジン特性をはじめ各部の設計は乗りやすさが優先されていますが、それでもここまで凝った作りの原付バイクというのは他に類が無いでしょう。
「世界を制したRCレーサーに触れてみたい…」かつて抱いたそんな“夢”を叶えてくれるのが、この“ドリーム”50だったのですね。