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マイナンバーカード、免許証を落としたら 身分証を悪用されないために行っておくべきこと#専門家のまとめ

多田文明詐欺・悪徳商法に詳しいジャーナリスト
(写真:イメージマート)

財布を落としたら、どのような対応をするでしょうか。警察署や交番に行って、遺失届を提出することになります。しかし財布にはクレジットカード、運転免許証なども入っているかと思います。不正利用を防ぐためにカード会社へ連絡をして、利用停止の手続きが必要です。しかしこれで安心ではありません。今は、詐欺が横行している時代ですので、もう一つ、やっておきたいことがあります。それは身分証の不正利用を防止するための届け出です。

ココがポイント

▼財布を落としたら、最寄りの警察署や交番にて、遺失届を出してください。拾得物の保管期限は3か月間です。

落とし物をしてしまったら、すぐに遺失届を!(警察庁)

▼俳優の岸洋佑さんが、落とし物をしたら、スマホが約20台も契約されていたと明らかにしました。身分証が悪用されたと思われます。

元戦隊俳優、詐欺被害を告白「財布の中の免許証やその他諸々を使って…驚きと恐怖が止まらなかった」(スポニチアネックス)

▼偽造運転免許証や他人のクレジットカードを悪用して、スマートフォンを不正に契約、転売して約9500万円の利益を得ていました。

トクリュウ、偽造免許証400枚・空き物件600軒悪用…メンバー12人で9500万の転売益得る(読売新聞)

▼運転免許証やマイナンバーカードなどの身分証の紛失や盗難をした情報を登録することで、不正利用を防ぐ効果があります。

不正利用防止の届け出(日本信用情報機構:JICC)

エキスパートの補足・見解

JICCにて、身分証の盗難、紛失時の手順がわかりやすく説明されていたので紹介しました。しかしここだけに連絡すれば安心ではありません。その他にもシー・アイ・シー、全国銀行個人信用情報センターもあります。国内の会社はそれぞれの信用機関を利用しており、こちらにも申告しておく必要があります。

マイナンバーカードによる保険証の利用が普及すれば、それを紛失することも考えられます。どのような悪用があるかわかりませんので、警察や市区町村だけでなく、信用情報機関にも届け出をしておくとよいでしょう。

闇バイトや偽サイトと気づかず身分証の写真を送ることもあるかもしれません。この時にも届け出が大事になります。登録期間は5年です。ただし申告すれば、必ず悪用を防げるわけではなく、身を守るための一助に過ぎません。不正利用については自分自身が常に目を光らせて、注意をしておくことが必要です。

詐欺・悪徳商法に詳しいジャーナリスト

2001年~02年まで、誘われたらついていく雑誌連載を担当。潜入は100ヶ所以上。20年の取材経験から、あらゆる詐欺・悪質商法の実態に精通。「ついていったらこうなった」(彩図社)は番組化し、特番で第8弾まで放送。多数のテレビ番組に出演している。 旧統一教会の元信者だった経験をもとに、教団の問題だけでなく世の中で行われる騙しの手口をいち早く見抜き、被害防止のための講演、講座も行う。2017年~2018年に消費者庁「若者の消費者被害の心理的要因からの分析に係る検討会」の委員を務める。近著に『信じる者は、ダマされる。~元統一教会信者だから書けた「マインドコントロール」の手口』(清談社Publico)

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