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PS5 Proの価格は高すぎ?ゲーミングPCを買った方がいい?日本市場の行方は #専門家のまとめ

多根清史アニメライター/ゲームライター
Image:Sony/YouTube

ソニーがPS5の強化型モデル「PS5 Pro」を正式発表して以来、日本向け税込価格が12万円近いという設定が物議を醸しています。通常モデルと比べてグラフィック性能はざっと1.5倍、内蔵ストレージは2倍の2TBに増やされ「同等の性能を持つゲーミングPCを自作するよりも安い」「ゲーム専用機として10万円超えは高すぎる」と意見が割れており、誰しも納得する答えが出ない状況です。そこにはゲーム機単体での採算以外に、ソニーの世界戦略も……という多様な記事をまとめてみました。

ココがポイント

PS5 Proの運命を大きく左右し得るのは、2025年に発売予定の『Grand Theft Auto VI』(GTA6)だ
出典:Forbes Japan 2024/9/11(水)

日本円での税別価格は10万8000円程度。1ドル約155円の換算だ
出典:ITmedia NEWS 2024/9/11(水)

今回の動きを見るに、SIEが北米重視の戦略に切り替えたという可能性も浮かび上がります。
出典:インサイド 2024/9/12(木)

マイク・イバラ氏が「PS5 Proの値段はすでに持っているPS5を売り払う人向けの価格」だという見解を示しました。
出典:GIGAZINE 2024/9/12(木)

エキスパートの補足・見解

PS5 Proの価値を決める計算式は「純粋なハード性能」×「そのユーザーが遊びたいゲームの本数」×「ゲームプレイの設定にかかる手間の少なさ」でしょう。

まず、PS5 ProのGPUは、ソニーが公表した数字からRTX 40シリーズ相当と推測されています。このクラスのGPUを備えた上でCPUやマザーボードなど一式揃えると12万円では到底無理で、軽く20万円前半には届いてしまうはず。

しかし、PS5 Proは当然ながら「ソニーが承認したゲーム」しか遊ぶことはできません。SteamなどのPCゲームプラットフォームは利用できず、またXboxクラウドゲーミングなどの提供もあり得ません。

第3の「セッティングの手間がかからない」は、ゲーム専用機であるPS5の圧勝です。なにしろ、ハードウェア環境はPS5 Proに統一されており、ゲーム開発スタジオも迷う余地がない。様々なメーカーもあり、「自作」もあるゲーミングPCでは環境も千差万別、ソフトとハードの相性に苦しめられることは珍しくありません。

これらを基準に、それぞれのユーザーにとって「高過ぎ」かどうかが決まるのでしょう。

アニメライター/ゲームライター

京都大学法学部大学院修士課程卒。著書に『宇宙政治の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。現在はGadget GateやGet Navi Web、TechnoEdgeで記事を執筆中。

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