どうやって、詐欺の話を信じ込んでいる人を説得すればよいのでしょうか? #専門家のまとめ
詐欺に遭っている人へ、最初に言ってはいけない言葉の一つに「詐欺ですよ」があります。これを言われると、詐欺に遭っている自覚のない被害者は「自分が詐欺にひっかかるわけがない」と意固地になり、聞く耳をもたなくなります。
では、どのようにして、本人に詐欺だと気づかせてあげればよいのでしょうか?実際に被害を防いだ事例を通じて考えます。
ココがポイント
投資詐欺を未然に防いだ(中略)「イーロン・マスクから来たLINEだから詐欺なわけがない」店員2人で粘り強く説得
出典:MBS NEWS 2024年9月2日(月)
中学3年生。高齢女性が詐欺被害に遭いそうになっているのに気づき、女性をおぶって家まで送ってあげました
出典:TBS NEWS DIG 2023/06/30(金)
エキスパートの補足・見解
詐欺に遭っている自覚のない人を説得するには、まず一般的な質問をしながら、相手が置かれている状況を知ることが必要です。その上で、頭ごなしに「詐欺だ」というのではなく、必要な情報を根気強く伝え続ける。その大事さを、それぞれの事例は教えてくれています。詐欺に気づいてもらうために、本人にあえて話してもらうことも必要です。
再現のなかで銀行員は「もう、うるさいわね!早く振りこみさせてくださいよ。私は大丈夫ですから。詐欺だとしても私の判断でやりますから。ほっといてください」との言葉を口にさせています。コンビニ店員は「有名人、イーロン・マスクから来たLINEだから詐欺なわけがない」との本音を聞き出しています。
また小学生の姉妹、中学生が詐欺を防いだケースをみても、みんな一人で説得、対応しておらず、親や警察など誰かと連携して詐欺を防いでいます。見守る側のチームワークも求められています。
被害に遭いかけた男性は翌日に来店して「まだ詐欺だとは信じられないんだよね」と話していますが、これは偽らざる思いだと思います。詐欺グループはこうした気持ちにつけ入ってきますので、二次被害に遭わないように目を配ることも大切です。