【8月22日は処暑】台風が秋の始まりを変える!?今年の秋の気温は??:気象予報士の暦解説
8月22日は二十四節気のひとつ、処暑(しょしょ)。古くからの暦で「暑さがおさまる頃」とされています。
とはいえ、毎年8月が終わっても真夏日が続くような天候の近年ですが、今年2024年の9月以降の気温はどう予想されているのでしょうか。
夏から秋に向かう季節進行は台風がカギになることが多く、季節の進み方と台風の関係も含め気象予報士が解説します。
まもなく残暑見舞いも終わり…「処暑」
二十四節気(にじゅうしせっき)は、1年を24等分して(つまりだいたい2週間ずつに分けて)、この暦のときにはこういう農作業を、あの暦のときにはああいう行事を…という具合に、人々がいつ何をすべきかわかりやすくした、いわゆる昔のカレンダーです。
その二十四節気のひとつ「処暑(しょしょ)」は、暑さがおさまる頃・落ち着く頃とされています。
立秋を迎えてから出す挨拶状である残暑見舞いは、「処暑」または、次(2024年は9月7日)の「白露(はくろ)」の暦の頃までは送っていいとされているので、逆に言うともう残暑見舞いもそろそろ終わりという時期なのです。
が、そんなこと信じられないくらい、週間予報には各地で30度を超える気温が並んでいます。
台風が季節の進みを変える?
現在、日本のはるか南の海上には台風10号があり、発達しながら北上しています(台風10号の進路については1つ前の記事を参照)。
実は、この週末(24~25日の土日)、本州付近に秋雨前線が南下してくるため、当初はそのタイミングで全国的に暑さがしのぎやくなる見通しでした。
が、南から台風が北上してくることで、暖かく湿った空気を大量に送り込んでくることになり、結局今回の秋雨前線による効果はそこまで見込めないかもしれません。
このように、台風は季節の進み方を変えてしまうことがあります。
なお、台風は暑くなる方向だけでなく、涼しくなる方向に季節を変えることもあります。
たとえば、本州付近を台風が西から東へ抜けていった場合、台風通過後には西高東低のまるで「冬型」な気圧配置になるため、一気に気温が下がることがあるのです。
今年2024年秋の天候は
気象庁が20日に発表した最新の3か月予報によると、9月~11月の3か月間、つまり秋の間も気温が平年を上回る状態が続く見通しです。
しかも、沖縄~東北にかけては降水量も平年を上回る可能性がやや高く、ただ暑いだけでなく蒸し暑い秋になるかもしれません。
秋の行楽シーズンも引き続き熱中症対策を忘れずに、そして雨が多くなるおそれがあるため行楽の移動も気をつけたいところです。
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