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ジェニファー・ローレンスの新恋人はダーレン・アロノフスキー。過去にもある監督とスターの恋

猿渡由紀L.A.在住映画ジャーナリスト
ローレンスの新恋人は21歳年上のダーレン・アロノフスキー監督(写真:ロイター/アフロ)

ジェニファー・ローレンスの新しいロマンスは、職場恋愛。

コールドプレイのクリス・マーティンと別れてシングルに戻っていたローレンスは、この夏、ダーレン・アロノフスキー (『ブラック・スワン』『レスラー』) の次回作に主演し、恋を見つけたようだ。ローレンスとアロノフスキーがふたりで食事をする姿が最初にニューヨークで目撃されたのは、8月。先週はL.A.のレストランに一緒にいるところがパパラッチされている。ローレンスは26歳、アロノフスキーは47歳。いずれも結婚歴はないが、アロノフスキーは、長年事実婚状態にあったレイチェル・ワイズとの間にひとり息子をもつ(ワイズはアロノフスキーを捨てて、2011年にダニエル・クレイグと結婚している)。

一方、西海岸時間25日(火)には、やはり監督と主演女優のカップルだったレン・ワイズマンとケイト・ベッキンセール夫妻が、離婚手続きに踏み切ったことが明らかになった。ふたりの出会いは2003年の「アンダーワールド」。アクション女優のイメージから最も遠かったベッキンセールに主役をオファーしたワイズマンは、以前から彼女のファンだったようで、「まだキャスティングが決まっていなかった製作準備中に、イメージスケッチの絵が私そっくりだとスタッフにからかわれたらしいわ」と、当時ベッキンセールはのろけていた。その後、ふたりは、「アンダーワールド」続編のほか、「ヴァン・ヘルシング」(2004)「トータル・リコール」(2012) でも名コンビを組んでいる。しかし昨年末には破局が報じられ、ワイズマンがさっそくほかの女性とデートをするところが目撃された。

監督とスターの恋は、ブリジット・バルドーとロジェ・ヴァディム、スティーブン・スピルバーグとケイト・キャプショー、ジョエル・コーエンとフランシス・マクドーマントなど、昔からよくあること。だが、結末はさまざまだ。最近なら、以下のような例がある。

ミラ・ジョヴォヴィッチとポール・W・S・アンダーソン

イギリス人監督のアンダーソンとジョヴォヴィッチの出会いは、2002年の「バイオハザード」1作目。撮影中に交際を始め、2007年、長女を出産した。2009年には正式に結婚。その間、ふたりは、「バイオハザード」シリーズのほか、「三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船」(2011)でもコンビを組んだ。相手が関わらない仕事でも、自分の映画については常に相談し合うそうで、お互いの意見やアイデアをとても尊重しているとのことだ。ふたりの最新作は、12月に公開される「バイオハザード:ザ・ファイナル」。今作は、もっと早く公開される予定で準備が進められていたが、撮影開始の直前になってジョヴォヴィッチが次女を妊娠したため、撮影が延期になった。晴れて撮影がスタートする時、アンダーソン一家は、前よりひとり多い四人家族でロケ地の南アフリカを訪れている。

クリステン・スチュワートとルパート・サンダース

ルパート・サンダースが監督する「スノーホワイト」(2012)に主演した時、クリステン・スチュワートは「トワイライト」シリーズで共演したロバート・パティンソンと交際しており、サンダースには妻とふたりの子供がいた。だが、2012年7月、ふたりがL.A.をドライブし、車の中で熱いキスを交わしている様子がパパラッチされる。この時、スチュワートは、顔を隠すためにパティンソンの野球帽をかぶっていた。

この報道が出ると、パティンソンはすぐに、彼女と住んできた家を出ていく。直後にスチュワートは、公に向けてパティンソンへの謝罪を表明し、パティンソンへの愛を強く語った。パティンソンは再び彼女を受け入れるが、最終的に破局。現在パティンソンは、イギリスのシンガーソングライター、FKAツイッグスと婚約中。スチュワートは一般人女性と交際している。

一方、サンダースの妻リバティ・ロスは離婚を申請し、L.A.の家、ロンドンの家二軒、月2万5,000ドル(約250万円)の元配偶者サポート、月1万4,000ドル(約140万円)の養育費、サンダースが映画から得るお金の15%(ただし『スノーホワイト』からの収益はもらわない)などをサンダースから獲得した。

サンダースもスチュワートも、「スノーホワイト/氷の王国」(2016)には関わっていない。

アーロン・テイラー=ジョンソンとサム・テイラー=ジョンソン

ジョン・レノンの伝記映画「ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ」(2009)のサム・テイラー=ウッド監督と婚約した時、アーロン・ジョンソンは19歳。テイラー=ウッドは23歳年上のバツイチで、元夫との間にふたりの子供がいた。翌2010年には長女、2012年には次女が誕生。2012年6月に正式に結婚し、ふたりともテイラー=ジョンソンに改名した。夫妻は、サムが元夫との間に生んだ子供を含め、4人の子を育てている。

母親ほども歳の離れた女性との結婚の行末を疑問視する向きも多かったが、ふたりは今も仲良し。アーロンはまだ26歳だが、「家族との時間を大切にしたいから、映画は1年に1本しか出ないと決めている」と語っている。彼の最新作は、今年のヴェネツィア映画祭とトロント映画祭で上映されたトム・フォード監督の「Nocturnal Animals」。すばらしい映画の、恐ろしい役で、さすが厳選しているだけあると感じさせた。

ティム・バートンとヘレナ・ボナム=カーター

ふたりの出会いは2001年の映画「PLANET OF THE APES 猿の惑星」。バートンは1993年からモデルで女優のリサ・マリーと婚約しており、事実婚状態にあった。マリーも「PLANET OF THE APES」に小さな役で出演している。バートンは、映画のプレミアの後、一方的にマリーと関係を切り、ボナム=カーターと一緒になった。

その後、バートンとボナム=カーターは、「ビッグ・フィッシュ」(2003)「チャーリーとチョコレート工場」(2005)「スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の魔術師」(2007)「アリス・イン・ワンダーランド」(2010)「ダーク・シャドウ」(2012)などでコンビを組む。結婚はしないままだったが、ふたりの子供に恵まれた。しかし2014年末、ふたりは破局を発表。ボナム=カーターは今年公開の「アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅」に出演しているが、今作でバートンはプロデューサーにとどまっている。成績はというと、1作目の北米興行収入が3億3,500万ドル弱だったのに対し、この続編は7,700万ドルと、大失敗だった。

ローズ・マッゴーワンとロバート・ロドリゲス

マッゴーワンがロドリゲスの「グラインドハウス」(2007) に出演した時、ロドリゲスには16年連れ添った妻と5人の子供がいた。2007年、ロドリゲス夫妻は離婚し、マッゴーワンとロドリゲスは婚約するが、2009年に破局する。後に、マッゴーワンは、「ロドリゲスはテキサスでしか映画を撮れない人」など、彼の監督としての力量を批判するコメントをしている。

ロドリゲスもマッゴーワンも、その後、ヒット作に恵まれていない。

ベン・スティラーとクリスティン・テイラー

恋が芽生えたのは、スティラーが主演、監督、脚本を兼任した「ズーランダー」(2001)の撮影中。ふたりは2000年に結婚し、2002年に長女、2005年の長男が生まれた。テイラーはスティラーが主演した「ドッジボール」(2004)や、彼が監督兼主演を務めた「トロピック・サンダー/史上最低の作戦」(2008)「Zoolander 2」(2016/日本未公開)にも出演している。

今月初め、スティラーは、2年前に前立腺ガンの診断を受け、治療の結果、克服したことを明かしている。その時、スティラーは、娘と息子に「パパには対処しなければいけない問題がある」と伝えたということである。

L.A.在住映画ジャーナリスト

神戸市出身。上智大学文学部新聞学科卒。女性誌編集者(映画担当)を経て渡米。L.A.をベースに、ハリウッドスター、映画監督のインタビュー記事や、撮影現場レポート記事、ハリウッド事情のコラムを、「ハーパース・バザー日本版」「週刊文春」「シュプール」「キネマ旬報」他の雑誌や新聞、Yahoo、東洋経済オンライン、文春オンライン、ぴあ、シネマトゥデイなどのウェブサイトに寄稿。米放送映画批評家協会(CCA)、米女性映画批評家サークル(WFCC)会員。映画と同じくらい、ヨガと猫を愛する。著書に「ウディ・アレン 追放」(文藝春秋社)。

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