「舞いあがれ!」最後のセリフに込められたもの
![](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/kimatafuyu/00343552/title-1680182896883.jpeg?exp=10800)
「まもなく、一つ目の目的地に到着します」
すべてのピースがハマって、舞(福原遥)は空を飛んだ。
朝ドラこと連続テレビ小説「舞いあがれ!」(NHK)の最終回。なにわバードマンの先輩たちが開発した空飛ぶクルマ、兄・悠人(横山裕)の紹介で資金を集め、町工場の人たちのつくった部品でできたそのマシーンに、航空学校で学んだパイロットのノウハウで舞は操縦する。五島と東大阪には舞がこれまで関わってきたたくさんの人たちが舞の飛行を見守っている。
何もかもうまく行き過ぎてはないか?という質問に制作統括・熊野律時チーフ・プロデューサーは「地道にやっていると、うまくいかないことが続いても、あるとき、いろいろなピースがハマって、ああ、やってきてよかったと思うことってありますよね。でもそれってずっと続くわけではない。それでもその時得た達成感は、自分を支えてくれるし、何かつらいことがあっても、一生懸命生きていればいいこともあるというサイクルを半年間かけて描いてきて、最終回は視聴者の皆さんに明るい気持ちになってほしいと考えています」と回答した(『「舞いあがれ!」あらゆるピースがハマって報われる物語をつくった理由 制作統括ラストインタビュー』 より)
「まもなく、一つ目の目的地に到着します」
熊野CP は桑原亮子さんが書いたこのセリフがすべて物語っていると説明する。
「空飛ぶクルマの五島でのひとつの目的地であると同時に、舞がこれから先、困難があっても仲間たちと乗り越えて前に進んでいくであろうという意味が込められています」
このセリフはラストシーンで舞が語る。そのときの福原遥さんの表情がとてもいい。
舞はまだひとつめの目的地にようやくたどりついたばかり。
「この後も人生は続いていく」と熊野CPは語る。このままいいことばかりが続くわけではなくときには逆風もあるだろうと。
ばらもん凧のように向かい風があるからこそ飛べる、この信念を胸に生きていく舞たちに励まされた半年だった。
ヒロイン・福原遥さんからのコメント
まだ私の中には舞がいるので、最終回というのは不思議な気持ちがしています。物語を通して、舞と一緒に私も成長していくような感覚でした。心優しいのはもちろんですが、舞がいつも周りのことを見て周りのために行動するところがすてきで、彼女の生き方や考え方は私に大きな影響を与えてくれたと思います。
最終回の撮影では、五島の皆さんがエキストラとして300人ぐらい集まってくださいました。なかには船で移動しなければならない場所から来てくださった方もいて、島の皆さんの温かさや愛情をすごく感じました。また、空に飛び立つシーンではいろいろなことを思い出しましたが、なかでも“お父ちゃんの工場で作った部品で空を飛ぶ”という夢を実現できたというところには私自身もグッとくるものがありました。
『舞いあがれ!』は、ちょっとつまずいた時や落ち込んだ時などに、「一歩一歩自分なりに頑張ればいいよ」と背中を押してくれる作品だと思います。皆様にも繰り返し楽しんでいただけるような作品になっていたらうれしいです。
最後に、多くの方が温かく心優しい言葉で『舞いあがれ!』を応援してくださり、そのひとつひとつの言葉に励まされていました。ご覧になってくださる方々と一緒に歩んだ半年間だったと思います。本当にありがとうございました。
![「舞いあがれ!」より 写真提供:NHK](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/kimatafuyu/00343552/image-1680183558812.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
2022年度後期 _連続テレビ小説「舞いあがれ!」
【作】桑原亮子、嶋田うれ葉、佃良太 _
【音楽】富貴晴美
【語り】さだまさし
【主題歌】back number「アイラブユー」
3月31日(金)午後6時から、東大阪市で『舞いあがれ!感謝祭』を開催。イベントの模様がライブストリーミングで配信される。
【ゲスト】
福原遥さん(梅津(岩倉)舞役)、赤楚衛二さん(梅津貴司役)、高橋克典さん(岩倉浩太役)、
桑原亮子さん(脚本)、俵万智さん(歌人)
【司会】高瀬耕造アナウンサー
■ライブストリーミングのURL
https://www.nhk.or.jp/livestreaming/maiagare/
当日見られなくても後日、アーカイブス配信も実施する予定