「舞いあがれ!」最後のセリフに込められたもの
「まもなく、一つ目の目的地に到着します」
すべてのピースがハマって、舞(福原遥)は空を飛んだ。
朝ドラこと連続テレビ小説「舞いあがれ!」(NHK)の最終回。なにわバードマンの先輩たちが開発した空飛ぶクルマ、兄・悠人(横山裕)の紹介で資金を集め、町工場の人たちのつくった部品でできたそのマシーンに、航空学校で学んだパイロットのノウハウで舞は操縦する。五島と東大阪には舞がこれまで関わってきたたくさんの人たちが舞の飛行を見守っている。
何もかもうまく行き過ぎてはないか?という質問に制作統括・熊野律時チーフ・プロデューサーは「地道にやっていると、うまくいかないことが続いても、あるとき、いろいろなピースがハマって、ああ、やってきてよかったと思うことってありますよね。でもそれってずっと続くわけではない。それでもその時得た達成感は、自分を支えてくれるし、何かつらいことがあっても、一生懸命生きていればいいこともあるというサイクルを半年間かけて描いてきて、最終回は視聴者の皆さんに明るい気持ちになってほしいと考えています」と回答した(『「舞いあがれ!」あらゆるピースがハマって報われる物語をつくった理由 制作統括ラストインタビュー』 より)
熊野CP は桑原亮子さんが書いたこのセリフがすべて物語っていると説明する。
「空飛ぶクルマの五島でのひとつの目的地であると同時に、舞がこれから先、困難があっても仲間たちと乗り越えて前に進んでいくであろうという意味が込められています」
このセリフはラストシーンで舞が語る。そのときの福原遥さんの表情がとてもいい。
舞はまだひとつめの目的地にようやくたどりついたばかり。
「この後も人生は続いていく」と熊野CPは語る。このままいいことばかりが続くわけではなくときには逆風もあるだろうと。
ばらもん凧のように向かい風があるからこそ飛べる、この信念を胸に生きていく舞たちに励まされた半年だった。
ヒロイン・福原遥さんからのコメント
2022年度後期 _連続テレビ小説「舞いあがれ!」
【作】桑原亮子、嶋田うれ葉、佃良太 _
【音楽】富貴晴美
【語り】さだまさし
【主題歌】back number「アイラブユー」
3月31日(金)午後6時から、東大阪市で『舞いあがれ!感謝祭』を開催。イベントの模様がライブストリーミングで配信される。
【ゲスト】
福原遥さん(梅津(岩倉)舞役)、赤楚衛二さん(梅津貴司役)、高橋克典さん(岩倉浩太役)、
桑原亮子さん(脚本)、俵万智さん(歌人)
【司会】高瀬耕造アナウンサー
■ライブストリーミングのURL
https://www.nhk.or.jp/livestreaming/maiagare/
当日見られなくても後日、アーカイブス配信も実施する予定