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ASD(自閉スペクトラム症)の人が疲れやすい理由5選【保育士ママが漫画でわかりやすく解説】

【育児マンガ】夢カナエ保育士 介護福祉士

こんにちは、発達と育児の支援サポーター『夢カナエ』です。わたしは保育士・幼稚園教諭と介護福祉士の資格を持つ、神経発達症(発達障害)の子の親でもあります。
今日は、神経発達症の一つであるASD(自閉スペクトラム症)の人が、疲れやすい理由を紹介します。

ASD(自閉スペクトラム症)の特徴

まず、ASDの特徴を大まかに説明しますね。

ASDの世界的な有病率は約1%で、年々増加しているといわれています。

目立つ特徴には、『対人関係』と『こだわり』があります。

ASDの人は『対人関係が苦手』なケースが多いです。

ASDの人は表情や雰囲気から、相手の気持ちを読み取ることが苦手だからです。

また、ASDの人には独特の『強いこだわり』がある場合も多いです。

『こだわり』というのは、職人技など、いい意味で使われることもある言葉です。

しかし、ASDの人の『こだわり』は、それとはちょっと違います。

自分の『強いこだわり』に、自分自身が振り回されている感じです。

ASDの人の『対人関係が苦手』であり、『強いこだわり』を持つことが、いくつかの疲れやすい理由に結びついています。

それでは、いつものようにイラストを交えながら詳しく説明していきますね。

1. 周囲に適応しようと無理をする

先にも述べた通り、ASDの人はその場の空気を読むことが苦手です。

冗談や、ぼかした表現も、表面的な言葉の通りに受け取ってしまうので、会話についていくのが、大変なのです。

「なぜ、そんなことを言うのだろう?」

ASDの人は、相手の言葉の裏にある気持ちを『感覚』ではなく『思考』で理解しようとします。

周りに合わせようとすればするほど、考えることに膨大なエネルギーを使うので、人と会うことで疲れてしまうのです。

2. 感覚過敏によるストレス

ASDの人の中には『感覚過敏』を訴える人もいます。例えば、以下のような症状です。

【視覚】日光や蛍光灯の光がとても眩しく感じられて、目を開けられない。

【聴覚】周囲の会話や、タイピング音などが気になって集中できない。ときには、耳が痛いと感じる。

【触覚】服の肌触りを不快に感じる。タートルネックで首がチクチクして吐き気がする。

【嗅覚】ほのかな香水の匂いでも、気持ち悪くなる。

こうした感覚過敏によるストレスが、職場や学校、通勤電車など、日常生活で常に襲いかかるので疲れてしまいます。

3. 集中しすぎる(過集中)

ASDの人は、好きなことを一度やり始めると、超人的な集中力で長時間没頭し、体力の限界を超えてしまうことがあります。

気がついたら、グッタリ疲れて動けないこともあります。

4. 睡眠をうまく取れない

ASDの人の中には、布団に入って寝ることに抵抗がある人もいます。

「さあ寝よう」と決心して布団に入っても、感覚過敏のため、エアコンの音が気になって寝付けないこともあります。

また、寝る前に『ちょっと』のつもりが、始めたら過集中状態になってしまい、朝までゲームをしていたなんてこともあります。

一度昼夜逆転が起こると生活リズムが狂い、昼間は眠くて疲れた状態になってしまいます。

そうなると、学校や仕事など日常生活にも支障が出てきます。

5.不器用

ASDの人の中には、左右の手を同時に別々に動かすなどの、協調運動がうまくできない人がいます。

そのため、ボタンかけやハサミを使うことなど、日常生活に欠かせない動作が大人になっても苦手な人もいます。

ネクタイや靴ひもを結ぶことも、素早くできずに時間がかかります。

また、人や物との距離感が上手くつかめないために、ぶつかりやすい人もいます。

疲れないための対策

一人の時間も大事だと考える

『人とは交流すべきである』

『友達は多いほうがいい』

などの固定観念にとらわれないことです。

一人で楽しむ時間を大事にすることは、ASDの人のストレス解消と疲労回復のために役立ちます。

協調運動を補うグッズを活用する

ワンタッチで締められるネクタイや、スリッポンのような靴ひものない靴であれば、手先の器用さに関わりなく、楽に着用することができます。

安眠できる方法を見つける

寝る前に、温かい飲み物を飲んだり、足湯で体を温めるなど、自分に合った入眠方法を探しましょう。

まとめ

ひとりひとりのASDの特性を理解し、対策を考えることで、疲労を最低限に抑えることができます。

同じ出来事でも、それをストレスと感じるかどうかは、その人の考え方しだいです。

今日ご紹介した内容を参考に、ストレスをうまくやり過ごす自分なりの方法を見つけて、疲れない毎日を過ごしてくださいね。

保育士 介護福祉士

専門職として学童保育や老人介護の現場で、病気や障害を持つ児童や高齢者のケアにあたってきました。自らも、発達障害の診断を受けた子の親として育児に奮闘中。子育てに悩む方のために役立つ情報、専門性のあるケアの工夫を、一般の方にも分かりやすいマンガを通して発信していきます。

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