奥浅草の「豆大福」花街に集う人々からも愛された老舗のあんことのし餅
今回お伺いしたのは、浅草3丁目浅草寺の裏手にお店を構える和菓子屋「徳太樓」さん。創業1903年の老舗です。
浅草3丁目は奥浅草と呼ばれることもあり、江戸時代より花街として栄えた一帯のひとつ。煌びやかな文化ながらも、下町ならではの親しみやすさも両立され、今もなお海外の方からも人気があります。
一方で、観光客というよりは地元の人たちの生活の息遣いが強く感じられるアットホームな一面も。地元の子供たちの笑い声や、ちりんちりんという自転車のベルの音も似合います。
さて、手入れが行き届いた立派な植栽と紫色の暖簾が目印の老舗には、ちょっと珍しい形の豆大福があるのをご存じでしょうか。今回は徳太樓さんの「豆大福」をご紹介。
お馴染みのまあるい形ではなく、えんどう豆入りののし餅でつぶし餡をくるんだもの。そうです、包む、というよりは、くるむといった方がしっくりくる外観なのです。
一般的な大福と異なり厚みのあるのし餅なので、ひと口の食べ応えがボリューミー。それでもあっさりいただけるのは、豆やお餅の塩分が非常に控え目というのもあるかもしれません。
丁寧に炊かれたつぶし餡も主張しすぎることなく、ほんのり小豆の皮の質感も感じられる優しい甘味。伸びよりも、もちもちっとした弾力がお好きな方はぜひ一度味わってみてはいかがでしょうか。
お店には、お饅頭や名物のきんつばのほか、お干菓子や金華糖といった伝統的な和菓子も勢揃い。お伺いした際もまとめて購入される方が多く、お客様へお出しするお茶菓子としての信頼も厚いお店なのだと思いました。
観光地でありながら、地元の方々にも愛される地域の重鎮ですね。
〈徳太樓〉
東京都台東区浅草3丁目36-2
03-3874-4073
月~土 10時~17時
定休日 日・祝
つくばエクスプレス「浅草」駅A口より徒歩5分
都営浅草線「浅草」駅A5口より徒歩15分
東京メトロ銀座線「浅草」駅2口より徒歩15分