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苦しむブラジルの今年

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
(写真:ロイター/アフロ)

 ワールドカップ南米予選で目下、2勝3敗1分けで6位と苦しむブラジル。アルゼンチン、ウルグアイ、コロンビアに敗れ、かつての輝きが見られない。

写真:ロイター/アフロ

 そのライバルについて、元アルゼンチンユース代表&ビーチサッカーアルゼンチン代表であるセルヒオ・エスクデロにコメントをもらった。

撮影:筆者
撮影:筆者

 「11月21日に行われた、我がアルゼンチンとのゲームは、ネイマール、カゼミロ、エデル・ミリトン、ヴィニシウスと、4名の主力選手を欠いていました。とはいえ、あちらのホーム、マラカナンで行われた一戦です。

 永遠のライバルであるアルゼンチンvs.ブラジルということで、両国の観衆がエキサイトし、キックオフが30分も遅れる事態となってしまいました。

写真:ロイター/アフロ

 いつもの如く、試合は荒れましたが、アルゼンチンとブラジルの試合が戦争になるのは当然のこと。肉弾戦をいかに制するかも、重要なポイントになります。

写真:ロイター/アフロ

 こちらは、後半の18分にコーナーキックを得て、ニコラス・オタメンディがゴールしました。反撃に転じるブラジルは、ジョエリントンが終盤に退場となって、アルゼンチンを有利にしてくれましたね。

 敵地で1-0。勝ち点を積み重ねられたアルゼンチンは、してやったりですよ。5勝目を挙げて首位をキープしています。

写真:ロイター/アフロ

 今のブラジルは、世代交代が上手くいっていないなぁと、僕は感じます。急にベテランを使わなくなって……まぁ、それは仕方ない部分もありますが、一気に変え過ぎると、組織として機能しないんじゃないかと思いますね。

写真:ロイター/アフロ

 チアゴ・シウバなんて、プレー時間が少ないとしても、入れておくべきじゃないですか。アルゼンチンもメッシは別格ですが、ディ・マリアみたいなベテランがまだ代表で頑張っています。

 ピッチに立つ機会は減っても、やはり存在がチームにプラスを齎しますよ。

ガンソ
ガンソ写真:ロイター/アフロ

 リベルタドーレス杯を制したフルミネンセの背番号10、ガンソはネイマールと共にサントスを牽引していました。ネイマールは海外を主戦場としましたが、ガンソはスペイン、フランスで4シーズンプレーしただけで、基本的にブラジルに残ったんです。

 今、34歳のベテランですが、そういうタイプをセレソンに入れておけば、代表の意味、カナリアの伝統を若手に伝えることが出来た筈です。

 長期的なプランが見られません。それが、現状を生んでいる気がしますね。ブラジルが苦悩すればアルゼンチンは楽ですが、正直、淋しいなという思いがありますよ」

写真:ロイター/アフロ

 さて、カナリアはどう立ち直るか。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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