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今週真夏日から11月の気温へ 気温変化の大きな一週間

饒村曜気象予報士
北海道の一部を除いて青天の日本列島(10月2日15時00分)

移動性高気圧

 台風18号は、10月2日3時に日本の東海上で温帯低気圧に変わり、日本の東海上に去りました。

 そして、日本付近は移動性高気圧に覆われました(図1)。

図1 地上天気図(10月2日15時)
図1 地上天気図(10月2日15時)

 このため、北海道の一部を除き、ほぼ全国的な晴天となり、強い日射で気温が上昇しました(タイトル画像参照)。

 沖縄県石垣島も32.4度を最高に、全国で気温を観測している913地点のうち118地点(約13パーセント)で最高気温が30度以上の真夏日を観測しました。

 真夏日を観測した地点数が100地点を超すのは一週間ぶりですが、9月中旬には全国の約半数が真夏日であったことを考えると、かなり真夏日が減ってきました。

 また、最高気温が35度以上の猛暑日は、22地点(約2パーセント)を観測した9月19日以降はゼロで、今年も夏が終わりました(図2)。

図2 全国の猛暑日と真夏日の推移(令和4年(2022年)8月1日~10月2日)
図2 全国の猛暑日と真夏日の推移(令和4年(2022年)8月1日~10月2日)

寒冷前線南下

 10月3日も、日本付近は、まだ高気圧圏内で、広い範囲で晴れて日照があることから気温が上昇し、各地で最高気温が25度以上の夏日となり、東~西日本の一部では真夏日になる所もありそうです。

 真夏のような蒸し暑さにはならなくても、昼間は半袖が必要な陽気になりそうです。

 ただ、寒冷前線が南下中で、暖かいのは週の前半までの見込みです(図3)。

図3 予想天気図(10月4日9時の予想)
図3 予想天気図(10月4日9時の予想)

 南下してくる寒冷前線は、北東から南西へとのびており、前線の東側では暖気が北海道付近まで一気に北上して暖かくなっており、前線の西側では寒気が日本海西部まで一気に南下して寒くなっています。

 南下してくる寒気は、上空約5500メートルで氷点下24度と、秋になって一番強いものです(図4)。

図4 上空約5500メートルの気温分布予報(10月7日朝)
図4 上空約5500メートルの気温分布予報(10月7日朝)

 平野で雪が降る目安は、上空約5500メートルで氷点下30度で、真冬であれば、もっと温度が低い寒気が南下してきますが、まだ10月の頭で、地表付近がまだ最高気温が25度以上の夏日が多いという時に、上空に氷点下24度の寒気です。

 地表付近との温度差でいうと、真冬以上に差がありますので、大気が非常に不安定となり、積乱雲が発達する可能性があります。

 このため、局地的な豪雨や落雷、ダウンバーストなどの突風に注意する必要があります。

東京の気温変化

 東京では、4日には最高気温が30度まで上がって真夏日予想ですが、その後、週末には最高気温が18と11月上旬並みまで急降下しそうです(図5)。

図5 東京の最高気温と最低気温の推移(10月3~9日は気象庁、10~18日はウェザーマップの予報)
図5 東京の最高気温と最低気温の推移(10月3~9日は気象庁、10~18日はウェザーマップの予報)

 この急激な温度変化は、体感的には非常に寒く感じられそうです。

 寒冷前線の通過により大きな気温変化がありますので、体調変化に注意してください。

タイトル画像の出典:ウェザーマップ提供。

図1の出典:気象庁ホームページ。

図2、図3の出典:気象庁ホームページをもとに筆者作成。

図4の出典:ウェザーマップ提供資料に筆者加筆。

図5の出典:気象庁ホームページとウェザーマップ提供資料をもとに筆者作成。

気象予報士

1951年新潟県生まれ。新潟大学理学部卒業後に気象庁に入り、予報官などを経て、1995年阪神大震災のときは神戸海洋気象台予報課長。その後、福井・和歌山・静岡・東京航空地方気象台長など、防災対策先進県で勤務しました。自然災害に対しては、ちょっとした知恵があれば軽減できるのではないかと感じ、台風進路予報の予報円表示など防災情報の発表やその改善のかたわら、わかりやすい著作などを積み重ねてきました。2024年9月新刊『防災気象情報等で使われる100の用語』(近代消防社)という本を出版しました。

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