今年もF1マシンが日本に。中部国際空港セントレアがF1を運ぶ貨物便の着陸、荷下ろしを生中継!
10月11日(金)〜13日(日)に鈴鹿サーキット(三重県)で開催される「F1世界選手権・日本グランプリ」に向け、いよいよ今週、F1マシンが日本にやってくる。専用チャーター機を使った「F1カーゴ便」は10月1日(火)〜8日(火)にかけて中部国際空港(通称セントレア)に前戦の舞台、ロシアのソチから飛来する。中部国際空港は同空港のFacebookページで今年も生中継することになった。
F1マシンや機材を運ぶチャーター便
いよいよ10月1日(火)から中部国際空港に到着する「F1カーゴ便」。ジャンボ機と呼ばれるボーイング747型の貨物機が使用されるが、その数はなんと全8便にも及ぶ。
ボーイング社のホームページによると、747型貨物機は最大で11万2630kgという重量の荷物を運ぶことができる。あまりピンとこない数字だが、ホンダ・フィットで90台分ほどの重さになる。それほどの機材を搭載できる巨大貨物機が8機もやってくるのだから、世界21カ国を転戦する「F1サーカス」の規模がいかに凄まじいものか想像できるだろう。
運ばれてくる機材はF1マシン本体の他にスペアパーツ、ピットで使用するチーム所有の機材の他、セーフティカーなどレース運営で使用するクルマや国際映像用の放送機材など実に多岐に渡る。
中部国際空港に到着した機材は税関の検査を受けて、トラックやトレーラーに載せられて順次、鈴鹿サーキットへと運び込まれるのだ。そして、10月10日(木)のF1ピットウォーク開催日までには全ての機材が荷解きされて、鈴鹿サーキットはF1日本グランプリの開催に向けていよいよ本格的な戦いへと突入していくのだ。
なお、F1の運営で使用する一部の機材は1戦おきに使用するものも多く、一部の機材は2戦前の舞台、シンガポールから鈴鹿に到着しており、鈴鹿サーキットではすでにF1開催に向けた準備がスタートしている。それくらいF1は規模が大きい。
F1カーゴ便中継は10月3日(木)
中部国際空港セントレアは昨年に続き、貨物機が到着するエリアから本格的な中継機材を持ち込んで、「F1カーゴ便」の到着をFacebookページで生中継する。しかし、8便全てが同じ日に到着するわけではないので、10月3日(木)の夜に到着する便の着陸、荷下ろしの様子を中継する。
生中継される便に何が積まれているのかは飛行機のハッチが開くまで分からないという。仮にF1チームの機材が積まれていたとしたら、「フェラーリ」の跳ね馬などチームのロゴがコンテナに貼られているだろう。今季、ホンダの活躍で再びF1への関心が高まっている中で「レッドブル・ホンダ」「トロロッソ・ホンダ」の機材コンテナが出てきたら、生中継は大いに盛り上がるに違いない。
中部国際空港の広報担当者によれば、「F1カーゴ便」はレースファンだけでなく航空ファンも非常に関心を寄せているとのこと。生中継時に飛来を予定している便ではボーイング747の新世代機「ボーイング747-8F」(Fはフレイター=貨物専用機)の飛来が予定されている。運行航空会社はロシアのカーゴ便専門航空会社「エアブリッジ・カーゴ・エアラインズ」だ。同社は中部国際空港への定期便が無いので、こういう珍しい航空会社が観れるのも航空ファンには熱いシーンになるだろう。
実は広報担当者もF1ファン
「F1日本グランプリ」の開催を告げる恒例行事として、F1ファンにはよく知られた存在だった「F1カーゴ便」の中継放送。かつては鈴鹿サーキットが独自でセントレアから中継やレポートを行なっていたが、近年は受け入れ空港である中部国際空港が自ら生中継するようになった。
聞いてみると、広報担当の方は子供の頃からF1ファンだという。そして、中部国際空港にとっても「F1カーゴ便」の飛来は一大イベントとのこと。「ボーイング747のような大型貨物機がこれだけやってくるのはF1日本グランプリの時だけ。貨物を担当する空港職員にとっても年に1度の大仕事ですから、みんな楽しみにしています」と語る。
中部国際空港・セントレアはボーイング787の機体の一部を日本で製造して運ぶ、ボーイング747ベースの巨大貨物機「ドリームリフター」が定期的に飛来しているので、巨大機の受け入れはそれほど珍しいものではないのかと思っていたが、F1の受け入れは貨物の専門家にとっても気合いの入るミッションのようだ。
ちなみに、海外ミュージシャンのコンサート機材などの輸送も大規模なイメージがあるので聞いてみると「ボーイング747貨物機のお腹の部分だけで事足りてしまいます。飛行機の顔の部分まで荷物が載っているF1カーゴ便はやはり特別ですね」とのこと。
自らもF1が好きであり、一時的に休止状態だった「F1カーゴ便」中継を一昨年に復活させた中部国際空港の広報担当者。F1にも飛行機にも愛がある人が作る生中継で、いよいよ始まる「F1日本グランプリ」へのテンションを上げてみてはどうだろうか。