まさか適応障害になりやすい人の「共通点」とは!?ストレス耐性が…
こんにちは、精神科医しょうです。
ストレスが引き起こす「適応障害」という病気をみなさんはご存知でしょうか。
適応障害は、ストレスが原因で心身に不調が現れ、その症状によって仕事や生活に支障が出てしまう病気です。
同じようなストレスを抱えていても、適応障害になる人とならない人がいます。
では、どのような人が適応障害になりやすいのでしょうか。
今回は適応障害の原因や、適応障害になりやすい人の特徴、治療法について紹介していきます。
適応障害とは?
適応障害とはある特定の出来事がきっかけとなり、つらく耐えがたい苦しみが生まれ、さまざまな症状を引き起こす精神疾患です。
その原因となるストレス因に適応することができず、突然涙もろくなったり神経が過敏になったりするなど社会生活を送る上で大きな影響があります。
うつ病や不安障害に症状が似ている部分がありますが、決定的な違いは「ストレスの原因が明確であり、そのストレスが何らかの方法で解消されれば症状が治まっていく」ことです。
たとえば、ストレスの原因が仕事にあるのであれば仕事を辞めたり休職することで症状が次第に治ります。
うつ病の場合は仕事を辞めたとしても憂うつな状態が継続され、症状は緩和されません。
適応障害の原因は?
適応障害の原因はストレスです。
ストレスを感じる対象は人によってさまざまですが、引っ越しなどの環境の変化、被災や傷病などにより適応障害を発症するケースが多いです。
家庭に関するストレスでは、結婚や離婚、夫婦の不仲、親戚や義理の両親との関係、子育て、引っ越しなど多岐に渡ります。
仕事に関するストレスについては、上司や同僚との付き合い、部署移動や転勤、転職による環境の変化、仕事に対しての責任の重さなどさまざまなものが要因になり得ます。
人によってストレスを感じる対象は異なるので、たとえ同じ職場で働いていたとしても適応障害になる人とならない人がいます。
適応障害になるとどうなる?
適応障害の症状は、その原因となったストレスや本人の性格によってさまざまです。
主な症状についてご紹介します。
・気分が落ち込んだ状態が長く続く
・涙もろくなる
・動悸や頭痛、腹痛が頻発する
・神経が過敏になる
・倦怠感が常にある
・起床が困難になる
上記のような症状が複数混合しているという人もいます。
これらの症状は、そのストレスの原因から離れているときは緩和される場合があります。
たとえば仕事に強いストレスを感じている場合、休日には症状がなくなり普通に過ごせますが、勤務日や前日の夜に症状が再び現れます。
適応障害になりやすい人の6つの共通点
適応障害になりやすい人の特徴は、ストレス耐性が低い人、神経質で傷つきやすい人、他人の発言を真に受けて悩んでしまう人などが挙げられます。
主な特徴についてご紹介します。
①ストレス耐性が低い人
ストレス耐性が低い人は、他人から見て些細な出来事に対してもイライラしたり不安になったりしてしまう特徴があります。
ストレス耐性が低いとちょっとしたことで落ち込んでしまうため、他の人よりも心が疲れやすく、やがて体にも不調が現れ始めます。
他人の発言を気にしてイライラしたり、振り回されてしまう人は特に注意した方がいいかもしれません。
そのような状態が頻繁に続くと適応障害を発症してしまう可能性があるでしょう。
②気持ちの切り替えができない
ミスをしたり嫌なことがあったときに気持ちの切り替えが上手くできず、一日中、もしくはそれ以上の期間引きずってしまうことはありませんか?
仕事で発生したトラブルをいつまでも引きずってしまい、他の仕事が手に付かない状態になる場合は要注意。
家に帰ってもモヤモヤが晴れず、必要以上に自分を責めて大きなストレスを抱えてしまいます。
仕事をしているときに、ふとミスしたことを思い出して気分が落ち込んでしまう人も適応障害になりやすいので注意が必要です。
③他人の目を気にしてしまう
上司がそばにいると緊張していつも通りの仕事ができなかったり、大勢の人が参加している会議で自分の意見が言えないなどといった経験をしたことはありませんか?
このように、人前になると途端にパフォーマンスが低下してしまう人はストレスが溜まりやすく、適応障害を発症してしまう可能性が高いです。
④繊細で環境の変化に弱い
引っ越しや転勤、転職などで環境が大幅に変わって体調を崩してしまう人もいます。
たとえば地方から上京してきて、人の多い環境や食べ物の違い、気候の違いなどをストレスに感じて適応障害を発症してしまうケースがあります。
ほかにも、今まで長く一人暮らしをしていた人が結婚して環境が変わり、誰かと一緒に住むことにストレスを覚えて適応障害になってしまう人もいます。
このように環境の変化に強いストレスを感じる人は、引っ越しをするときなど注意が必要です。
⑤頼み事を断れず何でも引き受けてしまう
頼み事を断ることができず何でも引き受けてしまう人は、知らないうちにストレスを抱え込んでいる場合があります。
たとえ自分にとって嫌な頼み事であっても、「自分さえ我慢すれば」という自己犠牲の気持ちで引き受けていると、適応障害を発症する引き金になり兼ねません。
自分の仕事で手一杯で明らかにキャパシティが超えている状態であってもNOと言えないので、精神的に追い込まれて体調を崩してしまうことも。
周りからも「この人は快く頼み事を引き受けてくれる」という風に見られてしまい、悪循環を繰り返してしまう傾向があります。
⑥心配性な人
心配性な人はありとあらゆる事柄に対して心配をしてしまうので、ストレスが他の人よりも溜まりやすい傾向があります。
経済面や将来への不安、明日の仕事が心配で眠れない日がある、子育てや義理の両親との関係について心配事があるなど、さまざまな心配事が浮かんでくるのでストレスになり得る要因がたくさん潜んでいます。
起きもしないことを想像して不安になり、体調を崩してしまうことがよくある人は要注意です。
適応障害を発症する前兆はある?
適応障害は発症する前にいくつかの前兆があります。
突然不安感に襲われる、寝付きが悪い又は眠れない、抑うつ気分、体が緊張して発汗する、頭痛や動悸、腹痛が増えるなどといった症状が現れ始めたときは適応障害を発症する前兆かもしれません。
こうした症状が慢性化する前に早めに周りの人や医師に相談しましょう。
適応障害の治療方法は?
適応障害の治療方法は、薬物療法やストレスになっている原因の解消がメインになり、その人に合った適切な方法で行うことが望ましいです。
特にストレスの原因を明確にして出来るだけ取り除き、少しずつ前に進むことが治療の中心となるでしょう。
ストレスと向き合い問題を解決することは、患者本人にとってとても苦痛が伴う行為になる可能性がありますので、医師や専門家の指導のもと適切に行う必要があります。
薬物療法では、補助的な役割として睡眠導入薬や抗不安薬が処方されることもあります。
まとめ
適応障害の原因、適応障害になりやすい人の特徴、治療法などについて紹介しました。
適応障害になりやすい人の主な特徴は、真面目で責任感が強く、頼まれるとNOと言えない人、繊細な人などが挙げられます。
ストレスの原因から離れることで症状は改善しますが、自力で環境を変えることが難しい場合が多いです。
生活に支障が出るような症状が2~3週間長引いている場合は、我慢せずに周りの人に相談するようにしましょう。
症状を放置した状態にしていると、うつ病など他の精神病を併発する恐れがあります。
相談できる人がいない場合は、精神科や心療内科などの医療機関を頼るようにしてくださいね。
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