レモンが香る白餡の「安芸れもん」ミルキーな焼き饅頭は皮が美味しい!爽やかなのに濃厚なお菓子です
広島県広島市に本店を構える「平安堂梅坪」さんは、大正7年の創業100年を超える老舗の和菓子屋さん。元々は柿を使用した羊羹を製造なさっており、現在も広島のおいしいものとして広い支持を得ています。
洋菓子の製造をはじめたのは昭和40年。創業から約半世紀後の出来事です。
そこから桜餅や季節の練り切りといった朝生菓子や上生菓子だけではなく、郷土の特産品を活用した銘菓やバターケーキなどの洋菓子まで、風土の魅力を取り入れたお菓子を販売なさる、地域の方々や観光客の方に人気のお店へと成長を遂げていきました。
さて。湿度が上昇する季節と裏腹に、和菓子をはじめとするお菓子には爽やかな檸檬のお菓子がちらほら。
今回は瀬戸内産の檸檬を取り込んだ和菓子、「安芸れもん」をご紹介。
焼き菓子でありながら、檸檬餡と焼き皮が舌で溶けてしまうほど柔らかく、「口溶け」に秀でた和菓子です。バターやこだわりのミルクジャムなどの乳脂肪が全体を優しく包み込み、ほっとする味わいの中にモダンな要素が絶妙な具合に絡み合います。しっとりとした食感がより一層まろやかさを際立たせ、おやつのひとときがちょっとリッチな時間に早変わり。
檸檬餡は甘酸っぱさが魅力的なのは勿論、白餡のクリアな甘味をアシストしてくれるような落ち着いた香りを放ち、ミルキーかつトロンとした香ばしさに花を添えてくれるよう。
生地に練り込まれているミルクジャムは「広島県湯来町の空口ママお手製」の自慢の品ということ。きび糖と牛乳だけをゆっくり時間をかけて煮詰めるジャムを使用することで、口当たりまろやかかつ深い甘味に仕上げることができるのですね。地元の方々が製造なさる商品も取り込むことで、より地域の特色性が活かされた銘菓として愛されてきたそうです。
檸檬の和菓子といいますと、爽やかな甘酸っぱさがまず思い浮かぶと思いますが、こちらはバターやミルクの深くリッチなテイストも特徴のひとつ。
まったり、ゆったりとしたひとときに花を添えてくれますよ。