Yahoo!ニュース

7日(水)にかけて線状降水帯の発生懸念 島根県では最大200~300ミリの危険な大雨予想

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
予想天気図(ウェザーマップ)

線状降水帯の発生懸念

雨雲の予想(ウェザーマップ)
雨雲の予想(ウェザーマップ)

タイトル画像にある7日(水)の予想天気図をご覧ください。

梅雨前線は日本海側まで北上し、この前線に沿うように中国大陸南部から極めて暖かく湿った空気が東寄りに流れ込み、さらに沖縄方面からも太平洋高気圧の縁辺を回るように同様の暖湿気が流れ込むため、このダブルの暖湿気がちょうど前線の南側で合流するような形となります。

また上空高い所を流れる西寄りの風も卓越しているため、前線付近で次々と活発な雨雲が発生しては東寄りに進み、これが列をなす、いわゆる線状降水帯が発生してもおかしくない気象条件となりそうです。

最も危険度の高い地域は、北陸から山陰にかけての日本海側で、特に島根県周辺では幅は狭いものの東西方向に連なるような活発な雨雲が発生し、これが数時間にわたり停滞してしまうような計算も多く出ています。

気象庁から発表されたあす7日(水)18時までの24時間予想雨量で最も多いのが島根県となっており、1時間に50ミリの非常に激しい雨を伴い200ミリの予想です。

またあす7日(水)の24時間最大降水量は200ミリ~300ミリとなっています。

島根県の7月1か月間の平年値が200ミリ~300ミリ程度ですから、まさに7月1か月分の雨がわずか1日足らずで降ってしまうような計算となっており、さらに活発な線状降水帯が発生し停滞してしまうと、この多くの雨量が数時間で降ってしまうような非常に危険度の高い降り方となるおそれもあります。

気象条件的には2017年7月5日に島根県に大雨特別警報が出された時と似ており、この時は福岡県朝倉市で甚大な災害が起きた九州北部豪雨が発生しました。

気象庁HPの危険度分布(キキクル)などで随時最新の状況を確認するとともに、土砂災害や洪水害、浸水害などに対して、出来る限り早め早めの避難行動を心がけて頂きたいと思います。

また島根県以外ももちろん警戒が必要で、山口県、長崎県(壱岐対馬)、福井県、石川県、富山県、新潟県、岐阜県などでは、あす7日(水)の24時間最大雨量は100ミリ~150ミリと予想されており、山口県では150ミリ~200ミリとなっています。

島根県同様、これらの雨が数時間で集中的に降り、短い時間で危険度が一気に上昇するおそれがありますので、十分な警戒が必要です。

熱海周辺も本降りに、土砂災害に厳重警戒を

雨雲の予想(ウェザーマップ)
雨雲の予想(ウェザーマップ)

北陸地方を通過した活発な雨雲はやや弱まりながらも、あす7日(水)日中に静岡県などに流れ込む予想で、静岡県で予想される雨量は1時間に最大15ミリ、総雨量は最大40ミリ~50ミリ程度になる予想です。

通常時の静岡県ならばなんともない雨量ですが、大規模な土石流災害のあった熱海市ではこれ位の雨がトリガーとなり、再び大きな災害が発生してもおかしくありません。

引き続き、厳重な警戒が必要です。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

杉江勇次の最近の記事