【恐怖】地球から超絶近くにあった大昔の月がヤバイ
どうも!宇宙ヤバイch中の人のキャベチです。
今回は「地球から超絶近くにあった大昔の月を再現」というテーマで動画をお送りしていきます。
月は少しずつ地球から離れている
実は月は近年、毎年平均で3.8cmずつというペースで、地球から遠ざかっていることがわかっています。
人間の寿命レベルのスパンではほとんど気にする意味もないほど微妙な動きですが、数億年という宇宙レベルのスパンで考えると、決して無視することができない動きです。
そして少しずつ遠ざかっているということは、今から遥か昔の時代では、月は今よりずっと地球の近くを公転していたという事になります。
月が形成された当初、つまり最も地球と月の距離が近かった時、月はなんと地球からわずか2.4万の位置を公転していたと考えられています!
今の平均距離が38万なので、信じられないほどの至近距離です。
月が地球から2.4万の位置にあったら
当時の月の公転周期はたったの10時間となります!
今の地球の1日よりもずっと短い時間でひと月が過ぎていたという事になりますね。
ただし当時は1日の長さがたったの5時間程度しかなかったため、1日よりもひと月の方が短いのは今も昔も変わりません。
月が2.4万の超至近距離にあったころは、月の潮汐力も今とは比較にならないほど大きく、地球に与える摩擦の熱も尋常ではないため、地表の温度も大きく上昇していたと考えられています。
当時の地球は速い自転のために暴風が吹き荒れたり、さらに月の影響もあって超高温に晒されたり、非常に過酷な環境を極めていたようですね。
地表から大昔の月はどう見えた?
では地球の地表に降り立って、そこから見える月を観察してみましょう。
当時の月は、地球との距離が近いうえ、高熱による熱膨張も相まって、現在の月のなんと約24倍もの大きさで見えていたと考えられています!
太陽の見た目の大きさは現在の月とほぼ同じ大きさで見えるため、当時は太陽よりも月の方が圧倒的に大きく見えていたことになります。
しかも高温のため赤く染まって見えるので、恐怖を感じてしまうほどに迫力がありそうですね。
これだけ月が大きいため、月が太陽を覆ってしまう日食が、なんと10時間に一回という頻度で起こっていたそうです!
さらに日食の形態も、現在とは大きく異なっていました。
地球と月の公転軌道の関係から、地球から見た太陽と月の見た目の大きさは変化しています。
現在の地球では、月が太陽よりも大きく見えることもあれば、反対に月が太陽よりも小さく見えることもあります。
そのため地球から見た月と太陽の方向がほぼ完全に一致したとしても、月が太陽全体を覆い尽す「皆既日食」と、月から太陽が少しはみ出て見える「金環日食」の2種類の日食を楽しむことができます。
一方、かつての地球では月が太陽よりも遥かに巨大に見えたため、月が太陽全体を覆い尽す「皆既日食」は頻繁に起こっていたと考えられますが、金環日食は絶対に起こりません。
このように皆既日食と金環日食を両方見れるという現在の地球と月の距離感は、長い地球の歴史の中でも本当に短い期間に過ぎません。
その意味では私たちは奇跡的なタイミングで生まれたと言っても良いでしょう。
そして、地球から見た月の年代ごとの変化を描いたアニメーションが、JAXAの惑星科学者ジェームズ・オドノヒュー氏によって作成され、公開されているので、こちらもご覧になってみてください!
今後月はどうなる?
現時点でも地球から遠ざかり続けている月ですが、今後地球と月の関係性はどのように変化していくのでしょうか?
今後も月が遠ざかるにつれて地球の1日は遅くなり続け、今から1.8億年後には1日が25時間になるとされています。
24時間が基準の私たちにとっては生きにく過ぎる世界ですね。
理論上は、地球の自転周期と月の公転周期が一致したタイミングで、月は地球から55万以上の距離には離れていかなくなります。
そのため月が地球から永遠に離れていってしまうということはなさそうです。
ですがそのようなことが起こるのは、今から数百億年後であると考えられていて、その頃にはとっくに太陽の寿命が尽きている計算です。
太陽は寿命を迎える前に膨張し、地球系すらも丸飲みしてしまう可能性もあるので、その場合は最終的に地球と月は仲良く太陽に飲み込まれてその生涯を終えるでしょう。