吉本新喜劇の注目株・もりすけが大阪を離れる理由
3月から出身地・愛媛県の“住みます芸人”を務める吉本新喜劇のもりすけさん(36)。新喜劇座員としての籍も残しながら故郷のために一念発起した形ですが、2月11日にはここまでの集大成的なイベント「たわもりハウジング~旅立ちの日に~」(大阪・セカンドシアター)も開催します。新喜劇の中でも存在感を示しつつあった中での決断となりましたが、もりすけさんが見据える未来とは。
故郷の変化
去年10月、3年ぶりくらいに愛媛の実家に帰ったんです。母親ももう75歳になって純粋に「歳をったなぁ」と痛感しました。
それと、僕の地元は愛媛でもすごく田舎で、通っていた小学校も全校生徒で30人くらいの規模だったんです。当時でもかなり人数が少なかったのに、今は地域の小学校4~5校合わせて9人になっていると。これまで行われていた催しもどんどん縮小されていて、純粋に「寂しいな…」と思ったんです。
その状況がとにかくショックで。僕が行ったところで何かが変わるものではないのかもしれませんけど、いてもたってもいられなくもなって、大阪に戻って吉本興業の社員さんと相談をして、愛媛の“住みます芸人”という選択肢を取ることにしたんです。
これまでも「いつかは有名になって故郷に戻りたい」という思いはあったんですけど、まだまだの段階ながら、その日がやってきた感じです。
見据える未来
ありがたいことに、お仕事の量は増えてきていると思いますし、2021年の仕事量を10とすると2022年は20はあったと思います。
池乃めだか師匠からも「最近、面白くなってきたな」という本当にありがたいお言葉をいただき、自分の中でも新喜劇が面白くなってきた時期でもあったんですけど、それ以上に地元への思いが強くなって、今回の決断となりました。
ただ、これで新喜劇を辞めるわけではないので、距離的には遠くなりますけど新喜劇の舞台にもできるだけ立ちたいと思いますし、新喜劇で活躍できれば愛媛の皆さんも喜んでくださるはず。そう思って、両方の活動を頑張れればと思っています。
そして、これまたおこがましい話なんですけど、いつの日か、地元である久万高原町の町長選挙に出馬してと言われるくらいの状況を目指したいと思っています。
政治のことも何も知らない僕ですし、実際に出ることもないんですけど、周りの方がそう言ってくださるということは、少しは僕が役に立ったということでしょうし、なんとかそんな構図が生まれるくらい頑張りたいと思っています。
(撮影・中西正男)
■もりすけ
1986年3月17日生まれ。愛媛県出身。本名・椎森敬介(しいもり・けいすけ)。吉本興業所属。NSC大阪校29期生。同期は「見取り図」「吉田たち」「コマンダンテ」「ヘンダーソン」ら。2013年、吉本新喜劇のオーディションを受け入団。3月から新喜劇に籍を残しつつ、住みます芸人として地元・愛媛県に移住する。2月11日にはここまでの活動の集大成的なイベント「たわもりハウジング~旅立ちの日に~」(大阪・セカンドシアター)を開催する。