老舗の「栗水ようかん」を食べ比べ!材料ひとつ違うとどうなる?栗の名産地・小布施町の実力を味わう
皆さんはどんな夏休みをお過ごしになりましたか?久しぶりに両手放しで親戚一同集まったという方も多いのではないでしょうか。そんな時祖父母の実家で親戚が集まった際は、よくお中元の御裾分けをいただいていました。果物や海苔などさまざまですが、多かったのは日持ちのするゼリーやカップ入りの羊羹。お中元の定番のひとつといっても過言ではありませんね。
さて、その中で今回はお中元にも活用される方が多かったであろうカップ入りの羊羹から、栗を使用した水ようかんを二種類ご紹介。実はこちら、どちらも栗の名産地でもある長野県上高井郡小布施町に本店を構える老舗。栗のエキスパートともいえる二軒のお店の栗水ようかんですが、実はひとつだけ異なる材料があるのです。
それは本葛粉。
今回は本葛粉入りの「桜井甘精堂」のものと、糸寒天のみの「竹風堂」の栗水ようかんを食べ比べ、その違いをご紹介。
まずは青いお箱の桜井甘精堂の栗水ようかんから。1808年創業の桜井甘精堂さんの栗水ようかんは、缶入りタイプ。やや腰高な外観です。赤みを帯びた温もりのある色合いが印象的ですね。スプーンで掬ってみると、確かにプルプルという弾力が!これは寒天だけでは出せない触感です。栗の香ばしさやきゅっとひきしまるような濃厚な口当たりはあるものの、するするとほどけていくので「ごくん」と喉を潤してくれるような感覚も。
さっぱり、なのに濃厚、という言葉をそのまま具現化したようなタイプです。きゅーんとくる甘味も心地良いですね。
もうひとつ、緑のお箱のものは1893年創業「竹風堂」さんのもの。缶ではなくぺりぺりっと剥がすタイプの蓋となっており、やや円平な形です。野趣あふれる、裏ごしした栗をそのまま固めたような風合いと、シックな色合いも素朴な雰囲気を醸し出していますね。上質な糸寒天をしようしているというのも、なるほど。納得です。ほろほろっと崩れていくものの、それはぼろぼろという印象ではなく。
一歩間違うとざらついた舌触りが残りそうなもののそれが無いんです。心地よく寒天がほどけていきます。甘味は控えめで、大人な味わいも特徴的。
同じ土地にて栗と共に過ごす時を刻み続け、栗の魅力と美味しさをそれぞれの形で最大限に引き出し、様々なアプローチで世に送り出していく。それぞれの個性とこだわりに、少しだけ近づいたような気がします。
こちらはすでに終売となっておりますが、公式サイトからはまた美味しそうな栗のお菓子がお目見えしておりますので、また食べ比べをしてみるのも楽しそうですね!