守備シフト制限の新ルールに「抜け穴」あり。この新シフトは大谷翔平にも使える!?
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今年から、内野の守備シフトが制限されることになった。二塁ベースの左右には、それぞれ2人以上を配置する必要がある。また、内野手は、外野の領域に位置することができない。外野の芝生まで下がってはいけないということだ。このルールは、ピッチ・クロックなどとともに、スプリング・トレーニングのエキシビション・ゲームから施行されている。
それに対し、ボストン・レッドソックスのアレックス・コーラ監督は、彼自身が考案したのかどうかはわからないが、新たな守備シフトを編み出した。3月3日の試合で、プル・ヒッターのジョーイ・ギャロ(ミネソタ・ツインズ)が左打席に入ると、レッドソックスの外野手3人は、それぞれ、センター、ライト、ライトの前(二塁手の後ろ)に位置した。
通常であれば、ライト前ヒットになる打球を、外野ゴロにしようということだ。
もっとも、このシフトは、従来のシフトと同じではない。禁止となった昨年までのシフトは、基本的に、内野手の1人がライトの前に位置していた。左方向へ打球が飛んでも、そこにはレフトが――通常より右寄りだったとしても――いた。けれども、この新シフトは、左方向の打球を三塁手と遊撃手が捕れないと、その後ろには誰もいない。ギャロであればともかく、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)のような俊足の選手なら、二塁で止まることなく、三塁に達するかもしれない。
なお、このシフトが広まった場合は、メジャーリーグの前例からすると、「コーラ・シフト」と呼ぶべきだろう。日本プロ野球に倣えば、「ギャロ・シフト」となる。テッド・ウィリアムズに対するシフトには、それを実践したルー・ブードロー監督の名前が冠せられた。日本では、白石勝巳監督ではなく、シフトを敷かれた打者、王貞治の名前で呼ばれた。それぞれの名称は、「ブードロー・シフト」と「王シフト」だ。
大谷と守備シフトについては、昨年9月にこちらで書いた。