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松島幸太朗が語る「サプリ」の積み重ねとは?【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
期待を背負う。(写真:西村尚己/アフロスポーツ)

国際リーグのスーパーラグビーに日本から参戦するサンウルブズは7月15日、東京・秩父宮ラグビー場でニュージーランドのブルーズとの今季最終節に挑む。12日、都内での練習後に松島幸太朗が取材に応じた。

発足2シーズン目にして日本代表との連携を本格化しているサンウルブズは、今季ここまで1勝13敗。前年度の成績(1勝13敗1分)を上回るには、勝利が必須となる。

ジンバブエ人の父と日本人の母との間に生まれた松島は、身長178センチ、体重88キロの24歳で、日本代表としては2014年にテストマッチデビュー。歴史的3勝を挙げた2015年のワールドカップイングランド大会では、予選プール全4試合に出場した。

スーパーラグビーでは前年度までワラターズ、レベルズと、オーストラリアのチームでプレーも、今季は日本代表の戦術に「頭を慣れさせる」ためサンウルブズに加入。ここまで8試合に出場している。

以下、共同取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

――2連敗に終わった南アフリカ遠征は、いかがでしたか(日本時間2日未明は、ライオンズに7―94と大敗)。

「結果から言えば、厳しい…ですね」

――最終節に向けて。

「南アフリカは寒かった。温度差はあるので、選手1人ひとりがどう対応していくか…です」

――いまは希望のフルバックではなくウイングでプレーしています。

「けが人も出ているので、仕方ない部分はあります。いまはそのポジションで一番のプレーをする。我慢の時期かな、と思います」

――そんななか、個人的には…。

「身体的にはいい状態です。いま、それを保てている。その期間をどんどん伸ばしていきたいです」

――秘訣は。

「暑かったり、移動もあったりする。だからサプリメントやご飯をしっかり摂るようにして、練習後のケア、ストレッチを意識的にやっています。サプリメントは、BCAA、アミノ酸と、疲れた時に効くものを摂るようにしています。やりだしたのは、トップリーグの後半から。それを続けてきたのが、いまに活きている」

6月の日本代表ツアーが1勝2敗と負け越しに終わった頃から、選手の肉体強化の過程が注目を集めている。

2016年以降は国内外で年中シーズンが続くとあって、根本的な筋持久力アップのための時間確保に難儀。薫田真広・強化委員長は「2015年時(ワールドカップイングランド大会)に比べ体重は3キロ落ちている」と発言している。

そんななか松島は、昨年末から体重アップに注力し始めている。それは取材中に明かした、サプリメントへ注視し始めた時期と一致している。試合でエネルギーを消費しながら負荷の高い筋力トレーニングをすることへは、やや冒険心が必要だったろう。それでも、その英断と取り組みは直近のパフォーマンスに程よく反映されている。大男とのコンタクトシーンで前に出る姿は、その好例か。

――サンウルブズ全体の肉体強化については。

「フィットネスをやる期間がなかったので、試合の最初に僅差で戦えても、後半になると疲れが貯まっていって、貯金がなくなって、いま、こういう状態になっている部分もあると思う。もちろん、それがすべてではないと思いますが。それ(体力強化)はいまやったところですぐに変わるわけではない。まずは戦術を理解して、自分たちの状態を把握しながらやっていかないといけない」

――今後は。

「チームとしてやっている期間は、プレシーズンマッチをやれているほかのスーパーラグビーのチームと比べたら圧倒的に少ない。一緒にいる期間を長くすれば、一体感は出てくるんじゃないかなと思います」

問答に応じる形で今後の強化計画についても私見をにじませるが、いまフォーカスするのは15日の今季ラストゲーム。出場したら、地道に積み上げてきたフィジカリティを存分に活かしたい。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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