屋久島沖で墜落死した米軍オスプレイパイロットの両親が奨学金を募る
昨年11月の鹿児島県屋久島沖での米空軍オスプレイ墜落事故で死亡したパイロットの両親が、息子の追悼のために奨学金基金を創設するキャンペーンを始めた。
米ミネソタ州出身のジェフ・ホーネマン空軍少佐は、搭乗の米空軍輸送機CV22オスプレイが昨年11月29日に屋久島沖で墜落し、他の隊員7人とともに死亡した。32歳の若さだった。
ホーネマン空軍少佐は横田基地(東京)の第353特殊作戦航空団第21特殊作戦飛行隊でオスプレイの教官パイロットと武器戦術主任を務めていた。
同少佐の両親であるキャサリン・ホーネマンさんとトム・ホーネマンさんは1月16日、募金サイト「GoFundMe」で息子を追悼する奨学金基金の設立を目指す活動を開始した。目標額は7万5000ドル(約1100万円)で、1月25日午前3時時点で1万4725ドルを集めた。キャサリンさんは米軍準機関紙の星条旗新聞の取材に対し、「私たちは、ジェフの情熱を尊重する最善の方法が将来の飛行士や教育者に奨学金を提供することだと考えました」と説明した。
ホーネマン空軍少佐の両親はGoFundMeのサイトでも奨学金基金の設立を目指す理由について、次のように語っている。全文を紹介したい。
ジェフの家族より:
深い悲しみと心痛を抱えながら、ジェフの逝去をお知らせします。2023年11月29日、ジェフが乗ったCV22オスプレイが日本の屋久島沖で墜落し、彼はあまりにも早く悲劇的に私たちから奪われてしまいました。
ジェフは空軍が大好きでした。彼はオスプレイを操縦するのが大好きでした。それはまさに彼の情熱でした。そして何よりも、彼は妻、家族、友人を無条件に愛し、ペットを狂ったように甘やかし、誰もの長所を容易に見つけました。いつも気の利いた「親父ギャグ」を言います。笑顔を見せてハグで迎えます。謙虚で計り知れないほど情熱的で、ジェフと出会うたびに気分が良くなります。世界にとって彼はある人でしたが、私たちにとっては彼は私たちの世界でした。私たちは彼がいなくて寂しく、心から彼を愛しています。
ジェフへの哀悼の意を表し、私たちはジェフにとってどれも重要であった航空、エンジニアリング、教育の分野に興味を持つ人々を対象とした記念奨学金基金を立ち上げたいと考えています。私たちは、これがジェフの名前を残し、他の人たちを永久に助け、このような悲惨な出来事から何か良いことが起こるようにするための最善の方法であると感じています。ご協力ありがとうございます。
【追記:2024年1月26日午前1時10分】筆者は25日、この奨学金設立キャンペーンについての日本語記事をYahoo!ニュース エキスパートに書いたことを母親のキャサリンさんに電子メールで知らせた。すると、翌26日未明、キャサリンさんから早速返事が来た。この拙稿への掲載許可を得たので以下にその内容を追記します。日本への感謝の気持ちが込められています。
この記事を書いていただき、またこうして私へのお知らせの時間を割いていただき、誠にありがとうございます。とても親切ですね。ジェフは日本での生活のすべてが大好きでした。彼は日本の人々、食べ物、そしてその美しさを愛していました。素晴らしい受け入れ国となってくれた日本の皆様に感謝します。ジェフは本当に自分の好きな場所で自分の好きなことをしていました。
ジェフは私たちが彼を訪問し、彼のお気に入りの場所をすべて見たり、食べたり、訪問したりするのをとても楽しみにしていました。いつか私たちの心が癒され、彼を失った痛みがヒリヒリとしなくなったら、私たちはその旅に出て、そのすべてを自分の目で見るかもしれません。
私たちは彼がいなくてとても寂しいです。奨学金で他の人を助け、ジェフの遺産を生かし続けるために私たちをサポートしていただき、改めて感謝します。どうもありがとうございます。
キャサリン