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異例に強まる太平洋高気圧、東京都心は10月として、夏日の連続日数記録の可能性も

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
太平洋高気圧の予想(ウェザーマップ)

関東以西で広く夏日

最高気温(ウェザーマップ)
最高気温(ウェザーマップ)

3連休初日のきょう12日(土)は、局地的に雨や雷雨となった所もありますが、ほぼ全国的に青空が広がり、関東以西では広く25度以上の夏日となりました。上図のように、東京都心でも25.8度まで上がり、4日ぶりに夏日が戻ってきました。きょうの最高気温の平年値が22.7度ですから、夏日となれば、すでに季節が戻ったような汗ばむ陽気という時期に入ってきています。

そしてタイトル画像にあるとおり、来週は太平洋高気圧が再び本州南岸付近にまで勢力を盛り返してくる予想です。今の時期の平年の太平洋高気圧の上端は、沖縄(那覇)の南から小笠原諸島(父島)付近に位置していますので、来週は季節外れに強まるともいえるでしょう。この影響で、関東以西では、夏に戻ったような暑さが続く見通しです。

関東以西は夏日が続き、真夏日の所も

天気と最高気温(ウェザーマップ)
天気と最高気温(ウェザーマップ)

向こう10日間の天気と予想最高気温をみると、来週にかけて、関東以西では25度以上の夏日が続くのはもちろん、東海以西では、九州を中心に、30度以上の真夏日となる可能性もある状態が続きそうです。予想通り、10月中旬にここまでの高温が続けば、極めて異例という所も多くなりそうで、東京都心でも、夏日の連続が10月として、記録的になるかもしれません。

東京都心は、10月として夏日の連続日数記録の可能性も

10月の25度以上の夏日連続日数記録(筆者作成)
10月の25度以上の夏日連続日数記録(筆者作成)

上図は筆者が東京都心において、10月に25度以上の夏日がどれ位続いたことがあるのかを調べたものです(1875年以降)。10月中旬頃までは、まだ夏の名残の夏日が出ることも多く、特に近年はその傾向が強いのですが、さすがに1週間以上続くことはまれで、極めて珍しい記録となります。

過去最も長く続いたのは、2013年の8日連続で、続いて2002年の7日連続となっていて、10月に1週間以上、夏日が続いたのは、150年間近くある観測の中で、わずかにこの2回しかありません。東京都心は、きょう12日(土)に夏日となり、来週19日(土)まで夏日が続く予想となっていることから、予想通りならば8日連続となり、2013年の最長記録に並ぶことになります。また10月中旬以降に限定すれば、6日連続で、1951年の記録に並ぶことになります。

このように来週にかけては、異例に強まる太平洋高気圧の影響で、長期間の高温状態が続き、高い山の紅葉は、ますます例年より色づきが遅くなる可能性が濃厚です。ただ来週の週末は、一時的に、この秋以降、初の強い寒気が通過し、北海道では初雪となる所があるかもしれません。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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