決断力のない人でも決断できる、絶好のタイミングとは?
決断できなかった過去は重い
年の瀬が近づいています。今年一年、やり残したことがないように、最後の総仕上げをしよう、来年に持ち越さないように今年中にやれることはやってしまおうと考えている人も多いのではないでしょうか。
それと同時に、年末が近づくと一年を振り返る機会も多くなることでしょう。うまくいったこと、うまくいかなかったこと、いろいろなことを思い巡らせて来年に向けて決意を新たにする人もいると思います。
「やらずに後悔するよりも、やって後悔するほうがいい」という名言があるとおり、「やらなかったことの後悔」のほうがダメージが大きいと言えます。しかし、一年という短い期間では「やったこと」を思い出すことはあっても「やらなかったこと」を思い出すことは困難です。したがって「何をやらなかったのか」ということで反省しようとしても、意外と難しいのです。
決断力がない人は成長スピードが遅くなります。なぜなら「やらなかったこと」が他人よりも多くなるのにもかかわらず、それらを思い出せないため振り返る材料が乏しくなるからです。
「決定回避の法則」とは?
決断力がない人は、「やろう、やろう」「やりたい、やりたい」「やるべきだ、やるべきだ」と口では言っていても、なかなか決断できません。何か思い立っても、「明日考えよう」「忙しいから来週にでも」「来月になったらきっと」「毎年、秋のシーズンはなんだかんだで時間がない。年末に時間をとってじっくり考えよう」……などと言って、結局は先延ばししてしまいます。
いま決断しないことを決断することを「決定回避の法則」と呼びます。決定回避ばかりしていると、決断できない悪癖から逃れることはできません。決断力は習慣です。決断力がある人は、「決断癖」がついているのです。小さな決断を繰り返しやってきた歴史があるため、いざとなったときに大きな決断ができます。
とはいえ決断力のない人に、「失敗を恐れるな」「自信を持て。君ならできる」とアドバイスしても難しいでしょう。心構えでは悪癖を治療するはできません。
そこで、正しく決断できるタイミングまで先延ばしをするのはどうかと、私は提案をしたいと思います。決断ができないのは、ストレス耐性が低いからです。ですから、ストレス耐性が高い時期、時間帯を選べば、普段はできない決断もできる可能性が高まります。
ストレス耐性の高い時期は、何かの「節目」です。「誕生日」「入学式」「新学期」「入社日」「結婚」「出産」「会社創立記念日」「期首」そして……「新年」。
結婚や出産、入学、入社、昇進といった大きな「節目」は、当然のことながら、とてもストレス耐性が高い時期です。ぜひ、なんでもいいので大きな決断をすることを勧めます。「自分は自分だから、これまでと同じようにやっていこう」などと逃げてはいけません。「決断癖」をつけるうえでも、めったにないチャンスに目を向けましょう。
しかし、結婚や出産、昇進……などといった機会は、なかなか訪れないものです。そこで「新年」です。年に一回、必ずやってくる「新年」は、誰にも平等に訪れる神聖な「節目」の時。年の瀬が近づいてきていますので、「新年」を迎えるまでは決断することを先延ばしにし、この絶好のチャンスに備え、待つのです。
絶好の決断タイミングは「朝」
さらに、ストレス耐性が最も高い時間帯は、朝起きてから20分後と言われます。(参考文献:久保田競氏著「あなたの脳が9割変わる! 超「朝活」法―脳科学の最高権威がはじめて明かす」)5時に起きたら5時20分。6時に起きたら6時20分です。正確に20分後かどうかは置いておいて、夜よりも朝のほうがストレス耐性が高いことは間違いないでしょう。ですから「朝活」という言葉があるのです。勉強であったり読書であったり、運動など、面倒なことを「朝」にやりたいと考える人が多いのは、「朝」がストレスに強い時間帯であるからです。
まとめると「新年」+「朝」が、誰にとっても一番素晴らしい「決断タイミング」と言えます。もうすぐ2013年が終わります。新しい年2014年の朝を迎えたとき、素晴らしい決断ができるよう、今から準備をしてみてはいかがでしょうか。