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 プレーオフで勝ち残るのは、ダルビッシュ、前田らの外国人補強型チームか、トレード型か、FA補強型か。

谷口輝世子スポーツライター
(写真:USA TODAY Sports/アフロ)

メジャーリーグのポストシーズンは米国時間10月4日のア・リーグワイルドカードゲームから始まり、米国時間6日にア・リーグ地区シリーズが開幕、7日にナ・リーグ地区シリーズが開幕する。

メジャーリーグ公式ホームページは4日(日本時間5日)、ポストシーズンに進出した10チームが、どのように編成されたチームなのかを分析し、インフォグラフィックのにして掲載した。

各チームのポストシーズンのロースター25人を予想し、各球団が25選手をどのように獲得したかを示した。生え抜きか(ドラフト、ドラフト外、外国から獲得)、トレードで獲得したか、フリーエージェントで獲得したかを比較している。

外国から直接に契約した選手が多いのはダルビッシュ投手の在籍するレンジャーズと、前田投手の在籍するドジャース。25人のロースターのうち5人が外国から契約した選手で、もちろん、ダルビッシュと前田もその1人だ。

レンジャーズの外国人選手はダルビッシュを始め、マザーラ(ドミニカ共和国)、オドーア(ベネズエラ)ら。

レンジャーズには韓国出身の秋信守や、ドミニカ共和国出身のエイドリアン・ベルトレーがいるが、いずれもメジャーの他球団からFAとなった後に、レンジャーズと契約しているので、彼らはFA獲得選手としてカウントされている。

ドジャースの外国人選手5人は昨オフに日本から獲得した前田、バイエズ(2007年ドミニカ共和国)、プイグ(2012年キューバ)、ウリアス(2012年メキシコ)。こちらもドジャースが外国から直接に契約した選手だけで5人。メジャーの他球団からトレードやFAで獲得した外国人選手は含まれていない。

外国人選手が多い球団であるドジャースとレンジャーズの両チームにそれぞれ日本人選手が在籍しているのは単なる偶然ではない。

ドジャースは野茂英雄氏との契約に踏み切ったように伝統的に外国から選手を獲得する国際戦略に長けている。もう一方のレンジャーズもダルビッシュだけでなく、2011年には16歳だったマザーラとは、当時の中米選手最高額といわれる約500万ドルで契約していて、米国外の選手の獲得に積極的で、お金もつぎ込むという姿勢が見てとれる。

ドラフトで獲得した選手が最も多いのはワイルドカードから地区シリーズ進出を狙うジャイアンツで9人。バムガーナー、ポージー、クロフォード、パニックら。アマチュア選手を評価するためのデータとスカウトする力に長けていると言えるだろう。

トレードで獲得した選手が多いのは、カブスとブルージェイズで15人。FA補強型はナショナルズで、25選手のうち9選手をFAで獲得している。上原、田沢のレッドソックスは混合型だ。

ポストシーズンが始まる前にチームを編成するフロント陣の戦はほぼ終わっている。今年のワールドシリーズを制するのは、日本人を含む外国人選手獲得型チームか、トレード補強型か、FA補強型か? それぞれのチーム編成の意図がグラウンドでどのように活かされるのか?

スポーツライター

デイリースポーツ紙で日本のプロ野球を担当。98年から米国に拠点を移しメジャーリーグを担当。2001年からフリーランスのスポーツライターに。現地に住んでいるからこそ見えてくる米国のプロスポーツ、学生スポーツ、子どものスポーツ事情をお伝えします。著書『なぜ、子どものスポーツを見ていると力が入るのかーー米国発スポーツペアレンティングのすすめ 』(生活書院)『帝国化するメジャーリーグ』(明石書店)分担執筆『21世紀スポーツ大事典』(大修館書店)分担執筆『運動部活動の理論と実践』(大修館書店) 連絡先kiyokotaniguchiアットマークhotmail.com

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