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MLB公式サイトによる「21年に大活躍を予感させる選手」にレイズ・筒香が選ばれる

三尾圭スポーツフォトジャーナリスト
MLB公式サイトによる来季のブレイク候補に選ばれたレイズの筒香嘉智(右)(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 メジャーリーグ公式サイトは、「2021年に大活躍を予感させる各球団の1選手(1 player from each club poised for huge ’21)」と題した記事を12月27日(日本時間28日)に掲載。

 メジャー30球団から各球団1人ずつ、来季のブレイク候補を選出。多くの球団で若手有望プロスペクトが選ばれる中で、タンパベイ・レイズからは29歳の筒香嘉智が抜擢された。

 「筒香の大リーグでの最初のシーズンは計画通りにはいかなかった。日本人スラッガーのメジャーへの適応は、周りの人々が想像するよりもかなり難しいものとなった。異なる文化や習慣に慣れることは、それ自体が大きな挑戦であるが、筒香は春季キャンプの突然の途中中止と異例の夏季キャンプに対処しなければならず、それらは間違いなく彼の進歩を制限するものとなった。しかし、失望のシーズンにもかかわらず、筒香はレイズが 2 年、1200 万ドルの契約を昨オフシーズンに提示するだけの可能性を秘めた選手の兆候を示した」

 メジャー1年目は51試合に出場して、打率.197、出塁率.314、長打率.395、8本塁打、24打点に終わった筒香の成績は「失望的」だったと指摘しながらも、同時に可能性も感じさせるシーズンだったと記事は綴っている。

 可能性を感じさせた理由として、「打球速度」、「ハードヒット率」、「四球率」、「空振り率」の4要素を挙げた。

 筒香の平均打球速度は90.2マイル(約144.3キロ)で、これはメジャー全体で64位、上位27%に入る。

 打球速度は速くなるほどにヒットとなる確率が速い、ランキング上位にはメジャーを代表するスラッガーの名前が並ぶ。

 もともと筒香は打球速度の速い選手で、NPBでプレーした2019年は平均92マイル(約147.2キロ)を計測。メジャーの投手に慣れてくる21年はさらに速い打球を飛ばすことが期待される。

 次にハードヒット率だが、こちらは全打球の中で95マイル(約152.0キロ)以上の打球(ハードヒット)が占める割合で、こちらもスラッガーにとって大切な指標。

 筒香のハードヒット率は47.2%で、メジャー34位、メジャー上位14%に入った。

メジャー1年目から「打球速度」と「ハードヒット率」でリーグ上位にランクインして、メジャーでもスラッガーとしての可能性を感じさせた筒香嘉智
メジャー1年目から「打球速度」と「ハードヒット率」でリーグ上位にランクインして、メジャーでもスラッガーとしての可能性を感じさせた筒香嘉智写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 ハードヒット率ではメジャーのエリート選手の仲間入りを果たした筒香のもう1つの長所が四球率で、四球率14.1%はメジャー上位13%に入る立派な数字。

 日本時代から選球眼に定評がある筒香は、メジャーでも持ち前の力を発揮して26個の四球を選んだ。

 筒香は規定打席に1打席足りなかったが、打率.197は規定打席到達142選手中137位に値するが、出塁率.314は105位と順位を大きく上げる。

 最後の要素は空振り率だが、23.2%でメジャー上位34%に入った。この数字は3割打者のチャーリー・ブラックモン(コロラド・ロッキーズ)、ポール・ゴールドシュミット(セントルイス・カージナルス)、コーリー・シーガー(ロサンゼルス・ドジャース)らよりも優秀で、筒香のバットでボールを捉える技術が非凡な証である。

 「筒香は2021年により多くの機会を得ることが期待され、2020年に157打数で8本塁打を放ったパワーは、メジャーでも通用する良い指標となった」

 記録サイトの「ベースボール・レファレンス」は筒香の2021年の成績を390打数で打率.221、出塁率.316、長打率.403、17本塁打と予想。

 果たして筒香はMLBに公式サイトが予想するように21年に大ブレイクして、この予想記録を大きく上回れるか?

スポーツフォトジャーナリスト

東京都港区六本木出身。写真家と記者の二刀流として、オリンピック、NFLスーパーボウル、NFLプロボウル、NBAファイナル、NBAオールスター、MLBワールドシリーズ、MLBオールスター、NHLスタンリーカップ・ファイナル、NHLオールスター、WBC決勝戦、UFC、ストライクフォース、WWEレッスルマニア、全米オープンゴルフ、全米競泳などを取材。全米中を飛び回り、MLBは全30球団本拠地制覇、NBAは29球団、NFLも24球団の本拠地を訪れた。Sportsshooter、全米野球写真家協会、全米バスケットボール記者協会、全米スポーツメディア協会会員、米国大手写真通信社契約フォトグラファー。

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