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「聖火リレー動画、SNSアップ禁止」はすでに撤回済み。去年のニュースが拡散。現在は「積極的に推進」

篠原修司ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門
Twitter上で拡散している日刊スポーツの記事。筆者キャプチャ

 「聖火リレー撮影動画、一般人はSNSへのアップ禁止」との記事がTwitter上で拡散しており、トレンドにも入りましたがこの方針はすでに撤回されています。

2020年2月のニュースが拡散

 拡散している記事は日刊スポーツが2020年2月28日に報じたものです。

 この「SNSアップ禁止」方針は国際オリンピック委員会(IOC)が取り決めたものであると説明されましたが、報道当時もかなり批判されていました。

3日後に「SNSアップ禁止」の方針撤回を発表

 この批判を受けてか、東京五輪・パラリンピック大会組織委員会は「SNSアップ禁止」の方針の撤回を3日後の2020年3月2日に発表します。

 さらにSNSアップ禁止は「IOCの取り決め」だと説明していましたが、IOCから「組織委の間違いだ」と指摘されたとのことです。

 記事では、IOCは「聖火リレーでの経験を個人使用目的で撮影し、共有することを積極的に推進する」とコメントしたと報じられています。

 個人使用目的にかぎってはSNSアップは問題ないというのがIOCの方針です。

記事に反応する前にまず内容の確認を

 TwitterというかSNSで驚きのニュースが流れてきたとき、拡散させる前にまずは記事の内容を確認することをおすすめします。

 「その記事はきちんとしたメディアが報道しているものか?」、「いつ報道されたものか?」、「結論を誘導しているものではないか?」などに注意すると、デマや古い情報に惑わされにくくなります。

 今回の事例は1年前のニュースのため、「その後、方針はどうなったのか?」を調べれば「当時は事実だったが、その後撤回されたため、現在は誤りである」ということがわかります。

 驚きのニュースにはつい脊髄反射してしまいがちですが、記事を拡散させる前に内容を確認するくせをつけましょう。

ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門

1983年生まれ。福岡県在住。2007年よりフリーランスのライターとして活動中。インターネット(SNS)で起きる炎上の解説、デマのファクトチェック、スマホやガジェットの話題、生成AIが専門。最近はYouTubeでも活動しています。執筆や取材の依頼は digimaganet@gmail.com まで

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